神城重工が生み出した決戦兵器型レネゲイドビーイング。
『人造神器』というCNが与えられたソレは、あらゆる敵を粉砕し、あらゆる行為に加護を受け、敵の抵抗を許さない。
──と、なる為の調整が行われた。行使するエフェクト群は、全てソレらを疑似的に再現する為のモノ。
その根源はグノーシス主義の『神の流出』を基にした神話群。
神と同じ力を得る為に、神を此の世に『流通』させようとした企業の愚かな願望の成れの果て。
それが、クリス・エルザーツォンである。

現在は神城重工の監視の下で、ヒトと触れ合いロイスを得る為の経過観察の為に一般の大学に通っている。
UGNにもイリーガルとして登録しているが、CNは名乗りたがらない。
神城重工に名付けられた仰々しいCNも好んでいない様子。

いつも穏やかな笑みを浮かべ、少し天然めいた仕草を良く見せる。ほわほわした大学生。
しかし、大概の事は『加護』を行使すれば上手くいってしまうので、出自も相まって任務の際は超然とした態度を崩さない。
人工的に造られたレネゲイドビーイングと言うこともあって『人間』という種族は嫌いなわけでは無いが、好きな訳でも無い。
ヒトの事を『人間』と呼称し、レネゲイドビーイングである自分とは明確な差がある事を無意識に強調しがち。

また、何かに救いを求めるということを極端に嫌う。救われたければ、自分自身で壁を打ち倒すべきなのだと、強く宣言する。
それは『全てのしがらみから解き放たれたい』という自らの願いを叶える事が出来ない自嘲と自己嫌悪の現れでもある。
紛い物の神として生まれた生命体は、誰に救いを求めるべきなのか解らないからだ。

戦闘時にはエフェクトで人為的に暴走状態を引き起こし『起動』する事で、殲滅を主軸とした思考に切り替わる。
これは神城グループ系列の研究所で調整されたチルドレンの研究結果を参考にしている。
その際には尊大な『神』としての一面が強く表れる──が、衝動である『解放』を。より強く求める精神を。
強力な調整によって無理矢理抑え込まれている。

自らの顕現理由も、存在意義も、それら全てが強欲なヒトの手の中にある事に囚われた事を象徴する遺産。
コレは神城グループから与えられたものではなく、クリスの心中に急に発現したものである。
皮肉な事に、この世界(牢獄)からの解放を願う遺産が、人造神器としての能力をより完成形へと近づけてしまった。

非常に強力なオーヴァードである神城重工CEO『神城統』とその息子のレネゲイドと幹細胞を移植している。
神城統はウロボロスとノイマンのクロスブリード。その息子はモルフェウスとバロールのクロスブリード。
それらの融合体としてのトライブリード、という側面を持っている。