細胞を変異させ身体能力を向上、発光能力を付与する異能。
　可視化された後光と三次元的な駆動で、正面切って不意を打つ。

　日本人離れした風貌だが、平均点を極めたような中流階級の純日本人の両親を持つ。
　後ろ暗い所のない単なる奇跡的な突然変異だが、出生当時は家庭内が色々大騒ぎだったらしい。
　公園デビューで自分が他人と違うことに困惑したのも束の間。
　早い発育と、高すぎる自己肯定感に裏打ちされた躊躇のない暴力を遺憾無く振るい、その日の内には砂場のヒエラルキーを支配していた。
　悪ガキを積み重ねた肉の玉座に座す彼女が、一人の少女と出会い、変わっていくことになる。
　

　あとは覚醒時に暴走して人質無視して楽しくバトっちゃったり、少年兵の訴えに傷を負いながら夢を手折ったり、それでもあがいて一人の旧友を救えたりしました。

　エージェントとしてある程度経験を重ねた上での初出向任務は、離反したエージェントの確保であった。
　詰んでいる状況を伝えても投降する気は無いらしいが、離反元の支部にも問題があることが発覚。
　なんかもうどうしようもなく面倒くさい人間関係をグーパン一発で解決していった背中は、小さいが大きく見えたりしたものだ。

　ついで、離反したエージェントの計画があまりにも杜撰であった為、深読みして組み上げた仮説は大いに外れ。単純に勢いで行動する人間の恐ろしさも学ぶことになった

　数年音信不通だった幼馴染、水代美香と再開を果たす。
　様子のおかしい連絡を受けて本人を探していると、怪しげなオーヴァードと事を構えるN市支部メンバーと遭遇する。

　辛くも撃退に成功した後、氷室六花と対談。
　自らの凋落を言葉として認め、その上で友人として連れ立ちたいと懇願。
　二度と彼女の側を離れない約束を交わした。

　一方、水代美香がFHに協力しているオーヴァードであり、その行いを悔いながらも面倒を見て貰った引け目から止まれなくなっている事を知る。
　その本心に確信が持てないまま、美香の決心を踏み躙ろうと強引に助けることを決意。
　全ては犠牲の上に成り立つ。その消えぬ罪を忘れない事が最低限の礼。桐生嚆矢の教え。
　
　後日。
　氷室六花と共に歩み続ける事を決めたからにはと、UGNの指揮系統下に属する事を決めた。

　その立場を持って保護観察下の水代美香。
　そして綾瀬真花を加えた幼馴染3人で花見をする事になる。
　枯れ木の下であろうと、花は人の輪の中にある

　イリーガルとしての活動を始めた小鹿野の元に舞い込んだのは、近頃名を上げる愚連隊"リベレーターズ"への潜入任務。
　離反したチルドレンを中核としたその組織で長を務めていた桐生嚆矢と、補佐をする白銀明日香に出会う。
　嚆矢の思想と人間性に一定の同調を示しながら、同時にUGNが遂行・黙認していたチルドレン運用について知る。
　何に着くのが正解か迷う中、友人である氷室六花の意気を重んじ、彼女と共に歩むことを決めた。
　
　白銀明日香が"リベレーターズ"に追われているのを見て、彼らと戦う最低限の覚悟は持ち。
　彼女の意思を届けるだけの存在として戦場に立つが、桐生嚆矢にとって『犠牲を看過し日常を謳歌する無知な加害者』である事を知らされる。
　そこまでしてようやく、自身の利益を享受するために相手を打倒する事を決意。
　宣誓の後に勝利を収めるが、夢も矜持も捨てた小鹿野桜恋には何も残っていなかった。

　友人の旧友に殺意を持って銃を向けたこと。過日の宣誓を裏切ったこと。その全てを許せず常陸朝香に辞職の相談を持ちかけた。
　しかし対話の中で『友人に向き合え』という言葉に答えを見る。
　今の自分に自分を裁く権利はない
　まず謝り、許しを請い、感謝を述べ。その前に『次』を語るなどあってはいけないはずだ。
　
　またしても友人が増えて全3名となる。覚醒前から比べて脅威の3倍増、カロリー摂取も気にしなくて良さそうだし、そう悪いことばかりでもないかもしれない

　絶対的な自信を持ち、思うままに理想的な善政を敷こうとしていた小鹿野桜恋。
　しかしバス事故に巻き込まれた事を切っ掛けに覚醒。世界には自分の知らなかった側面があることを知る。
　人間離れしていく自分に不安を感じながらも、綾瀬真花を救うべく奔走するが、とうとう暴力性が理性を凌駕してしまう。
　怯える少女を見て『自分は人の上に立つべきではない』と思い知り、失意に飲まれる所を叱咤され半歩踏みとどまり。
　友人の為に生きさせてくれと言い訳を貰い、人として立ち直った。
　
　矢神秀人という少年を事実上殺した罪を問われないのはおろか、懺悔すら許されないのは静かに精神を蝕む。

　しかし、失ったものばかりではない。友人が増え、なんと全2名となった