素直過ぎるために、相手によって態度が大きく変わる。尊敬すべき相手には温和だが、見下した相手にはとことん小馬鹿にしたような言動を取るため、トータルでは評判が悪い方。
一方で、任務中にあっては至って冷静。戦闘における仲間への好き嫌いとは力量の多寡であり、力不足と感じればたとえ上司相手でも適切に指示を出せるため、むしろUGNチルドレンとしての評価は高い。
活動の動機は経歴を参照の事。なお、行方不明の兄が居ることについては、今の自分では見付けられないという直感から特に捜索は行っていない。
自らの痛みや怪我、特に裂傷を嫌う傾向があり、戦闘では戦術指示と遠距離攻撃を担当する場合が多い。

生まれは一般家庭。年の近い兄が居たが、その優秀さを認めることが気恥ずかしく、中学生頃の反抗期には酷く仲を違えていた。

そんな中、家族旅行として訪れたとある山中にて、ジャームの襲撃を受ける。何らかのショックにより本人は事件の詳細な記憶を失ったが、そのときを皮切りにオーヴァードとなる。
犯人であるジャームは行方を眩まし、同時に兄も消息を断ってしまった。両親も重傷を負ったため、一旦UGNに引き取られた。
本人は当初、突然芽生えた能力に困惑していたものの、兄と引き換えのようにして現れた能力に必然性を感じ、自ら志願してUGNに所属する。

UGNチルドレンとなってしばらくは、兄を失ったショックと後悔から、実績は振るわなかった。
しかし、ある後輩と任務を共にしたとき、彼も兄を失っていることを知り、それでも明るくひたむきに生きる姿に勇気付けられる。
その任務は、本来の能力を発揮した武原の活躍によって成功に終わり、今でも後輩とは良い関係を続けている。

現場には、ジャームのものと見られる痕跡の他に、もう１人のオーヴァードによる攻撃の跡があった。
実を言うと、本当に酷かったのは後者だ。きっとジャームは、丸焦げでは済まなかっただろう。
そして行方不明の、“頭脳も運動も優秀な”兄…。
分かるだろう？高校生とは言え、彼はまだ子どもだ。

…伝えるのは、本人が受け入れられると確信してからだ。
──“R担”刑事　谷 修成から同僚へ