容姿・経歴・その他メモ

大柄な身体に豪快な性格。それに見合わぬ繊細さを持ち合わせた人。
元は女子供にも優しく、老人にも丁寧な応対のできる素養を持っていたが、今ではその面影すらない。
今ではどこまでも残忍に、どこまでも極端な思考を持った大男。

その正体はT市郊外に存在する小さな研究所にて、大体の雑用を引き受けていた警備員。
レネゲイドの狂気を真正面から受け入れ、衝動のままに暴れつくす狂人となった。

観測Ⅰ

生まれは白浜市の裏横丁七番地(現在は土地の整備によって住宅街となっている)。
当時は裏横丁出身と素直に書くだけで手酷い偏見を受け、罵倒されながら追い返されることさえあった。

日銭を稼ぐためにあちこちを訪れ、働かせてほしいと志願してもろくに通してもらえずの日々。
ダメ元で出したT市の雑務がようやく通り、彼はようやく日々の飯にありつくことができた。
もちろん業務とは言えど簡単なものではない。研究員からは下に見られ、こき使われる上に
残業代など出してもらえるはずもなく、煉獄よりマシだが地獄に変わりはなかった。

ある日彼は、実験体X-1927の輸送を手伝うことになった。
見かけも不明瞭、色彩があるようでない"それ"は、黒に染まった彼の心に光を与えた。
彼は今まで自分の心を閉ざして閉ざして、その日を生きるのに必死だった。
何か目的があるわけでもなく、何か叶えたい夢があるわけでもない。
赤子が自ら立って歩けるように、ずっと必死に今の今まで生きてきただけに過ぎなかった。
……"解放"してしまえばよかったのだと、ようやく気付いたのだ。

厳密に言うならばX-1927のレネゲイドと共鳴を果たしたと言ってもいいだろう。
これもまた研究員たちの狙いでもあったのだが、彼の知る由ではない。
「レネゲイドの衝動を以て共鳴、のちに覚醒へつなげられるのか？」という議題を
解決するための生地になっただけににすぎなかった。


────実験は成功した。しかし、すべて失敗した。

観測Ⅱ

衝動のままに施設を脱走した彼は、研究所内(1F)にいたすべてのレネゲイドビーイングを解き放った。
彼を解放者と称えてついていくレネゲイドビーイングが大半で、残りは研究員が確保した。
(確保と言っても、X-1927しか残らなかったため数名が発狂したそうだが)

彼らは｜沈黙の行進群《ブラックマーチ》と名を改め、日々レネゲイドからすべてを解放するために
力を使わないオーヴァードを襲撃しては無理やりジャームまがいのことをさせている。
UGNにとっては今日もジャームが出てきたという認識しかなかったため今まで警戒されることはなかった。



それが善なのか、悪なのかをもう定義できないまま。
正しいのか、間違っているのか誰も認めてくれないままに。
彼は根底に憧れと、美的感覚と、僅かばかりの期待をもたげながら──
────T研究所から姿を消したとされている、あの無彩を追い続けている。

あの色の名前を…知るその日まで……俺は止まらない。止まれないんだよ。

憤怒/暴食/色欲

セッション履歴