過去、テンペストによる人体実験で覚醒したオーヴァードの一人。放逐されて、ストリートキッズとして生活していたところを保護されてUGNチルドレンとなった。
　テンペストで実験台にされる以前の身元は一切不明であり、名前を含む大半の記憶が無い。テンペスト内に潜入したエージェントが確保してきた情報にも年齢以外の記載は無く、T市支部の預かりとして研修を受ける。成績優秀により、その一年後よりチルドレンとして任務への参加を開始している。

　シンドロームとしては、サラマンダーのピュアブリード。それも、とりわけ炎に特化したもののようである。
　平時では過剰な炎は現れないものの、レネゲイドウイルスによる侵蝕率が一定値を超過すると、本人の制御可能なレベルにないと思われるほどの炎を巻き起こす。
　厳密には制御しきれていないのは火力のみであり、その指向性や運用に関しては完璧といって差し支えない。基本的に、味方に害を加える可能性は非常に低いと断じられるため、任務への参加が許容されている。

　彼女は、他人、とりわけ友人などの親しい相手が近くに居る時、炎を用いるのを躊躇う傾向にある。これは研修の末、オーヴァードであればうっかり燃やしてしまっても死ぬようなことはまずない、と理解したために改善傾向にある。
　なお、原因はヒアリング調査により特定済である。テンペストから放逐され、UGNの保護を受けるまでの期間──およそ1年半ほどである──において、数名の人物を制御しきれなかった炎で焼死させていたことによるものである。その時の悲鳴や人の焦げる臭いなどが、彼女にトラウマとして刻み込まれている。

　年齢の割に非常に低い伸長や軽すぎる体重は、主にストリートチルドレンであった時期の栄養不足が強く関係しているとみられる。幼少期の食事がそこらの庭に生っている木の実や盗んだ野菜の少量だけであり、まともな蛋白源もなかったことは大きな原因だろう。
　レネゲイドウイルスの感染により、餓死は免れていたようだ。しかし、前述した炎の暴走は、彼女の空腹がピークに達した時であったとも判明している。無意識下で目の前のヒトを食料として認識していた可能性がある。彼女にはこまめに食事を与えること。

　私とこの子って真逆だと思わない？私は小さいころから人に縛られ続けた結果、そのしがらみから解放された野生児生活がさいっこうに楽しい。でもこの子は、小さいころから人と接してこなかった結果、うっかり燃やしちゃうかもって恐怖と戦いながらでもUGNで回りと一緒に活動してる。
　結局のところ、人間って自分にないものを欲しがる生き物なんだろうね。雪火ちゃんもそう思わない？ by野に潜む影

　＞ここは個人の見解を書く場所ではない。速やかに修正を行うこと。 from:氷血炎刃