ＰＣ２：藍川かおりの友人
シナリオロイス 藍川かおり ○友情/憐憫
彼女が高校に入学してから早2か月、彼女はまだ制服を着たことがない。
入学直後は風邪で、今は交通事故によって、まだ学校に登校できていないのだ。
手術は成功したようだが、長すぎる面会謝絶にしびれを切らし、あなたは調べ始める。

シナリオロイス 正体不明の協力者 任意/憎悪や憤懣
貴方の友人であった藍川かおりをジャームに変えた本部の研究者達。
その背後には、彼らに入れ知恵した何者かが存在する。
今回の事件を追えば、その正体を掴めるかもしれない。

元は孤児院育ちのUGNチルドレン。本当の両親は顔も覚えていないどころか、物心ついた頃には孤児院暮らしだったためそういう存在がいたことさえ知らなかった。
小学校での血液検査に偽装したUGNによるオーヴァード調査でブラックドッグの覚醒者だったことが判明し、そのままチルドレン養成施設に引き取られた。

生まれのためか他者と慣れあうのがニガテかつ感情も薄く、チルドレン養成施設のなかでさえやや浮き気味だった。
それは訓練期間を終えて正式なチルドレンとなってからも変わらず、任務も言われたからやることはやる程度の熱量しかなかった。

中学生の時に、のちに友人となる病弱な少女『藍川 かおり』と出会う。
ファーストコンタクトは登校中にふらついていたかおりを背負い保健室に連れて行ったことだったが、これは彼女を心配してそうしたわけではなく、『弱った人を助けるのがまっとうな人間らしい態度だろう』と考えそれをシミュレートしたに過ぎないものだった。
『人間らしいシミュレート』の続きとして休み時間にかおりの様子を見に向かうと、彼女は読書をしていた。『本に興味を持ったフリ』をして話しかけたところ、保健室まで運んでくれたお礼だと言って無理やり何冊かの本を押し付けられて借りることになってしまった。

そんなことから始まった交流だったが、それまで人とあまり関わりを持たなかった陸兵太にとってそれは劇毒だった。
借りた本の感想を述べたことを端緒として、教室でかおりと会話することが増えていき、たまに感想の違いから口論になったりもして、そんなことを続けているうちにいつしか『人間のフリ』から『フリ』が無くなっていった。
レネゲイドから無辜の人々を守るというUGNの理念も理解できるようになり、任務にも熱意をもって当たるようになったそうな。
めでたしめでたし。
……経緯が経緯だけあって、かおりにはちょっとだけ感情が重いかもしれない。

成績はあまり良くなかったが、かおりに勉強を教えて貰って無事に同じ高校へ進学することができた。
無事進学出来たことでたいそう浮かれた結果、初めて制服を着る日に一緒に校門で写真撮ろうと約束をしたのだが……
だがその約束は果たされていない。入学前に交通事故で入院したために、かおりはいまだに登校できていない。
同じ日に初めて制服を着ようとまでは別に約束していないのだが、自分だけ先に制服を着ることに罪悪感を感じている陸兵太は中学校の制服のままで学校に通っている。やっぱ重くないか？
服装のせいで生活指導の先生にはいつも怒られているが、わりと暖簾に腕押し、糠に釘。

陸兵太はブラックドッグのオーヴァードであり、電気を操ることを得意とする。
使用している兵装『｜伐折羅《Vajra》』はUGNの研究所で作られた、陸兵太専用にチューンされた砲である。
陸兵太の放つ放電を調整・増幅して放出し、まるで雷撃のような一撃を放つことができる。
外観は一見ただのでかい筒状の金属棒だが、砲撃時は下部から大型のバイポッドが展開され砲身を固定。
さらにスコープも展開され、覗き込むことでppppppppって音を出しながら対象をロックオン。
さらに過剰な放電を逃がすヒューズ、電流の方向を調整するための調整弁、そして反動を抑えるための燃焼ガス噴射口がガキンガキンと金属音を立てながら展開され、最後に発射口が三段階で拡大・形成される。
多分これを作った奴は変態だと思う。
メインの機能以外にも超性能コンピュータや偵察用小型ドローン、電圧電流測定器、十徳ナイフやドリンクホルダーや簡易ろ過機など役に立つのかどうか謎な機構も多数組み込まれているぞ。
それでも性能は確かで、陸兵太の能力と相まって放たれる一撃は雷の矢を思わせるものであり、たやすく敵を打ち倒すことができる。
高性能の代償として一射ごとに触媒の交換が必要になり、あまり連射が効かないのが欠点。