容姿・経歴・その他メモ

チョロめのツンデレ少年

　元FHチルドレンのホームレス少年。虐待を受けていたためFHのことは憎い。助けてくれなかったり同じFHチルドレンを殺してきたUGNにも警戒心は強め。
　────なのだが、幼少期からの虐待経験のため、優しくされると非常にチョロい。愛情に飢えている。よしよしとかされると割とすぐ懐く。UGNチルドレンに仲良しのお兄さんとかもいる。UGNの組織そのものは警戒しているが、そこに所属する個々人と個人的に関わるのは無しではない。
　UGNへの警戒心＜＜＜＜＜FHへの憎悪のため、FHを叩けるならUGNの味方するのも吝かではない。今回だけだからなUGN！！　お前らのこと信用したわけじゃないから！！　とか言いつつ、もしPTに武器使う人いたら水晶の剣積んで強化してくれる、ツンデレ優しい気弱ショタ。
　現在は、同じホームレスの子供（非オーヴァードを含む）たち数人と身を寄せ合いながら、街の片隅で暮らしている。中には脱走してきたUGNチルドレンも存在し、久遠がUGNを避けているのは、その彼女の存在がUGNに知られないようにするため、という意図もある。

一人称など

一人称：俺
二人称：お前、あんた、お兄さん、お姉さん、兄ちゃん、姉ちゃん
三人称：あの人、あいつ
口調・行動：初期は生意気なクソガキっぽい言動を取りがち。ただし愛情に飢えているので、少し優しくされただけで即解凍。「別に……」と言いつつ分かりやすく懐く。口調も「～だろ」などぶっきらぼうな感じから、「～だよ」と柔らかいものに変化。

細かい過去

　優しい両親に仲のいい妹。日本とフランスのクォーターということを除けば、少年はごく普通の、けれど幸せな家庭に生まれた。特に妹とは、どこへ行くにも一緒。

　────　一緒だったから、彼女は死んだ。

　少年が5歳の時、いつものようにいっしょに遊んでいた緤と紬（つむぎ）は、FHが起こしたテロに巻き込まれた。彼らの目的は、適格者である緤の覚醒。目論見通り、緤はオーヴァードとして生き延びた。けれどオーヴァードの力を以てしても、紬を助けることはできなかった。
　FHに追われ現場を逃げ出すも、覚醒したばかりの5歳の少年が、エージェントから逃げ切れるはずもなく。誘拐される形で、彼はFHへと連れ去られた。そこで見たのは、死んだはずの紬。曰く、まだかろうじて息があった彼女を救出してきたのだと。協力しなければ、紬に施している治療を打ち切ると。かくして緤は、不本意ながらFHチルドレンとなった。

　それから6年の月日が流れ、彼はついに真実を知る。緤が見ていた紬は、セルリーダーである名倉伊織によって見せられていた幻影であった。それどころか、そもそもあのテロがFHによって引き起こされたものだった。
　このころにはチルドレンとしての実力もつけていた緤は、FHからの逃亡を決意した。命からがら逃げだした先に待っていたのは、UGNのエージェント。
「無事でよかった。あなたは我々が保護します」
のうのうと、男は言う。
　保護？　ふざけるな、テロに巻き込まれた時も助けてはくれなかった。それどころか、FHというだけでお前たちは容赦なく攻撃を仕掛けてきた。自分と同じように、やむを得ずFHにいただけのチルドレンを何人も殺してきたというのに、今更何を。
　憎悪の眼差しをエージェントに向け、武器を構える。
「いらない。俺はひとりで生きていく。FHもお前らUGNも、所詮は一緒だ。皆等しく、俺の敵だ」

　それ以降彼は、表向きはただのホームレス、その裏でヤクザやマフィアに傭兵として雇われ食いつないできた。皮肉にも、FHによる戦闘訓練に頼る形で。
　UGNにもFHにも所属していない都合上、彼がオーヴァードであることを知る者は少ない。
　生い立ちについては、元FHであったことを知る相手に対してもあまり語りたがらないが、名倉を酷く憎んでいたり、太めのチョーカーや長い髪の隙間から無数の注射痕が見え隠れしていることから、かなり非人道的な扱いを受けてきた模様。

　彼の胸にあるのは、FHとUGNに対する強い憎悪。けれど。
「自分がもっと早く覚醒していれば、紬を助けられたのでは」「自分が適合者でなければ巻き込むこともなかったのでは」
そんな強い自責の念があることも、また確かなのである。

FH時代の生活

　最低限の衣食住は与えられていたものの、当然良い環境とは言えず、数人のチルドレンたちと小さな部屋で身を寄せ合って過ごしていた。訓練と称したチルドレン同士の殺し合いをさせられることもしばしば。
　そこに加えて、久遠はその能力の特性から、薬品投与による強制的な侵蝕率の調整や、“復讐者”の能力を測るための一方的な暴力などを受けた。その影響は身体の傷だけでなく精神面にも残っており、「たすけて」を無視され続けたことによる諦めと期待を裏切られる恐怖から、今でも他人に助けを求めることが出来ない。
　このような環境でもジャーム化せずに生き残っていられたのは、ひとえに彼がルームメイトや共に任務に赴くチルドレンたちに家族や友人のような絆を感じロイスを維持し続けてきたから。なのだが。
　名倉は、そのようなチルドレンたちが結託して反乱を起こさないよう、彼らが疑心暗鬼になるような環境を敷いていた。反乱や脱走を密告すればそれに応じた報酬が与えられ、反対に脱走したチルドレンのルームメイトは連帯責任として処罰される。つまり、久遠が友人だと感じていたはずのルームメイトたちは、恐らく久遠自身の行動により────。悪夢に魘された夜にうわ言のように呟くのは、いつだって自身の苦しみに対する嘆きより、守れなかった妹や裏切ってしまったチルドレン達への贖罪（仏語訳：エクスピアシオン）なのである。

両親

　行方不明となって10年。双子の両親は、突然姿を消してしまった二人を、戸籍上は死亡した今でもまだ探し続けている。

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