地元の裕福な地主､というが裕福になったのは何故か｡”真実/アンサー”は一つ＿彼の母方の家は､もともとカルテルだったのだ｡
昔､麻薬などで絶大な利益を上げていたカルテルがあった｡所が時が経つにつれ勢力は衰えてゆく｡政府やアメリカの取り締まりが厳しくなってしまった故に新天地での活動を余儀なくされたが､新天地での競争に負けて活動の縮小を決断せざるを得なくなったためだ｡
そうしてカルテルはいつのまにか滅び､所属した者は残らず逮捕か銃殺された｡ある没落した家に売られた愛人の娘独りを残して｡
余談だが当時のカルテルのボスはとても家族思いであり､愛人もまたとても大切にしていたそうだ｡
そして売られたその愛人の娘こそ彼の母親である｡要するに弟妹とは腹が違っているのだ｡
そして彼は焼き払った｡”母親がカルテルボスの愛人の娘だったという証拠”を｡家族の仲を引き裂いたこと､恨まれているとは思っている｡
だが､かつて隆盛を誇ったそのカルテルに報復したい輩などいくらでもいたのだ｡
それら全てを躱し家族に身の安全が保障されるならば､彼はいくらでも汚名を被るし悪にもなるだろう｡
ちなみにこれらのことは妹や弟には話していない｡…血が繋がっていない故に関わりがないからというのもあるが､無闇に苦労を背負い込ませたくないというのもあるのかもしれない｡
ちなみに裕福になった理由としては単純､彼の母親は金儲けの才能があったというだけである｡あと養育費もかなりの量振り込まれていた｡