勘当などされていない､”されたことになっている”だけである｡
事なかれ主義に見せかけたやり手の現当主が､コードウェルが指定した日本への潜入を彼のみに依頼した｡全ては民の幸せのため､また悪しきFHの野望を打ち砕くためである｡
なおここ2〜3年で日本語ペラペラになったのは本人の並々ならぬ努力馬鹿か何かである｡
＿だが､そのせいでものすごくあることないこと問わず風評を流されており､なおかつUGN上層部にとても疑われているためこういう裏切り者がいるだろう任務の際に真っ先に疑われる立場の人間｡
辛うじて霧谷雄吾の信頼をある程度勝ち取っている程度には信頼される要素があり､FHセルを何者かと協力して消滅寸前まで追い込める程度には実力もあるのだが…｡

あれは元を辿れば現当主＿もとい少年にとっての兄的存在の知り合いで､なおかつ優秀な科学者｡
かの少年にとっては､「凄そうだけどお兄ちゃんが取られている」という認識だった｡
だがいつしか彼は来なくなった｡彼の妻が亡くなったのだ｡それからばったりと彼らとの連絡は途切れた｡
＿そう､
そこで終われば良かったんだ…なんて｡悲劇に他ならぬだろう？

架空の地名｡場所イメージは某ヒグマがよく出るところ｡
その名の通り車社会で2〜3年に1回軽い災害が発生しシカなどが生息している里山が近くにある､いわゆる田舎と言われる地域である｡
都心に出るのに飛行機と電車の経由で最短4時間｡私鉄の駅は30分に一本隣市行きが走っている｡
市の中心部に紙鷹小学校と紙鷹高校､中心部よりやや南西よりに紙鷹中学校が存在している｡偏差値高めの大学が隣市にあるためそこに通う者もいる｡(高校にはUGNが出資しているが､校長がFHセルリーダーではないかという疑念が持たれている｡)
市の北東に私鉄の駅､南西にJRの駅が存在しておりそれぞれ隣市などへのルートも違う所を通る｡隣市の私鉄駅を出てすぐに巨大なショッピングモールが存在し､住民は公共交通機関や車を利用して買い物に来ている｡(余談だが､公共交通機関でここに行くのに一番安いのはJR｡だがJRはモールから結構遠いため使われにくい)
私鉄の駅からバスで約15分､JRの駅から徒歩10分以内の所に彼の支部が存在する｡秘境のジビエ系レストランとして最近SNSで話題｡
子供は大きくなれば都会に出てしまうため若者が少なく､隣市との合併も時間の問題とされていた｡
だが半年前にUGN傘下のジビエ系レストランが開業してから市の経済は観光によって潤い､最近では移住者も出てきている｡

＿だから､俺が助けてやると言ったのに｡友､お前はそれを拒絶して国と最後を共にすると言ったのだ｡
…お前にとっちゃ喜劇だったろうよ､何故なら友は自ら国を滅ぼしたようなものだからな…

この物語はこれでお終い､真意は背教者を除いて知らぬ｡…何､「バッドエンド」は嫌いなのか？
だがまあ待てよ俺の子孫契約者､もう全て終わったんだ｡それを今更ほじくり返そうなんて馬鹿げてるだろう？