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永きを生きる貴種たる吸血鬼。
貴種といえば上流階級としての誇りを持ち常にそれに相応しい振る舞いを欠かさない、そんな存在……であるはずなのだが、万事めんどくさがり、他人にできることは他人にやらせる、そしてそのことを指摘されても悪びれる素振りすらない、それがアーロン・ディケンズという吸血鬼である。

ここまで適当な彼がどのようにして数百年を生きてきたのか定かではないが、本人曰く、「これまでの時代生きてくるので一生分のやる気使っちゃったからさ。なくなったやる気が充填されるまで今は束の間の休息中ってワケ。やっぱ平和がイチバンだよねー！」とのこと。

どうやら貴種としての振る舞いは知ってはいるようで、会食時など必要に迫られるとイヤイヤながらも完璧なテーブルマナーを見せる。が、隙を見て逃げ出そうとするため注意が必要である。どうやら「会食を抜け出してはならない」というマナーは彼の中では無視されるらしい。

現在のパートナーである四条頼佳とはSID内で出会った。アーロンがあまりにも適当すぎるため業を煮やしたSIDが真面目な彼女をあてがったという噂もあるが、当人はいいお手伝いができたと日々叱られながらもご満悦の様子。また連結鬼である小夜塚千尋に対しても彼の適当節は全開で、千尋の噛みつきを今日ものらりくらりとかわしている。どうやら過去にも血盟を組んでいたことがあるらしいが、「女の子の前で昔の交際関係の話をするのは失礼だから」と多くを語ろうとしない。

―彼の飄々とした態度の裏にあるのは去り行く時への諦念。多くの出会いと別れを繰り返してきた彼にとって現在の血契である頼佳との関係もいずれは終わるものであり、必要以上に入れ込むことを避けている。また吸血鬼になったばかりの千尋にも、永遠を生きねばならない吸血鬼としての在り方を学んでほしいと思っている。

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