竜胆 実
プレイヤー:じん
「後悔はしていないさ。今までも、そしてこれから先もずっと」
- ファクター
- 人間
- 信念
- 研人
- 職能
- 術師
- 練度
- 2
- 能力値
-
- ♠技
- 7
- ♣情
- 11
- 副能力値
-
- 耐久値
- 30=(7×2+11)+5
- 先制値
- 21=(11+10)
- 年齢
- 16
- 性別
- 男
- 所属
- フリーランス
昼間は勉学に励み、夜は血盟業に勤しむ。その実態は合算で百歳ほどのおじいちゃん。
- 過去
- 救うべきもの
人とも吸血鬼とも相容れない善知鳥を、けして一人にしないと決めた。
- 経緯
- スカウト
手伝いが必要なら喜んで、と快く彼の手を取った。
- 喪失
- 哀れみ
元より他人を哀れんで助けたことは一度もない。だからこれからも何も変わらない。
- 外見的特徴
- 傷跡
顔、腕、手などよく見えるところに傷がついている。
- 住まい
- 同居
竜胆邸の離れで、善知鳥と共に暮らしている。
- 使用武器
- 陽鉄の小刀
誕生日プレゼントに善知鳥からもらった小刀。これで善知鳥を貫く気は一切ないし、そんな状況は絶対にこないと思っている。
- 傷号
- 牙狩りの末裔
- 前世で善知鳥と過ごす中で得た治療法、それを反転させた吸血鬼殺しの呪術。それらすべてを自ら編み出した秘術で今世へと持ち越した。
血威
名称 | タイミング | 対象 | 解説 |
---|---|---|---|
闇明視 | いつでも | 解説参照 | BLP P.151 |
論理の盾 | 解説参照 | 単体 | SRN P.18 |
魔の絶式 | いつでも | 単体※ | SRN P.19 |
特技
名称 | タイミング | 対象 | 代償 | 条件 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
武器攻撃 | 攻撃 | 単体 | 手札1枚 | なし | |
弱点指摘 | 解説参照 | 単体 | 手札1枚 | ラウンド1回 | SRN P.22 |
占術 | 調査 | 自身 | なし | シナリオ1回 | SRN P.24 |
観察分析 | 開始 | 単体 | クラブ1枚 | なし | SRN P.22 |
傷号:牙狩りの末裔 | 解説参照 | 自身 | 黒絵札1枚 | シナリオ1回 | SRN P.36 |
設定・その他メモ
履歴
フリーランスの血盟者、もとい高校生。共に暮らす吸血鬼と協力しながら、吸血鬼あるいは業血鬼にまつわる事件に関わっている。大前提として、竜胆は三度の飯より善知鳥の世話が大好きだ。
性格は世話焼きで寛容。時には頑固でやや強引。製薬関係、医療系共に名が知れている竜胆家の一人。十五歳の誕生日に前世の記憶を取り戻し、その日以来、自宅の離れに前世からの友人である吸血鬼と共に暮らしている。本人曰く「これは身体という外殻を他者から貸与されたのではなく、生まれた時点で僕の魂が宿っていた、僕の体だ。すべて研究の賜物だね」とのこと。前世より血盟を結んだ折に欠落している「哀れみ」については、あってもなくても自然と体が動くため変わりないと本人は思っている。
時代を問わず、困っている人がいれば手を貸し、他人の言葉をすぐに信じ、万が一騙され自身がすかんぴんになろうとも「困っていないならよかったよ」と笑い飛ばせる精神の持ち主。そのため咄嗟に頭からつっこみ負った傷が体のあちこちについている。よく言えばお人好しで、悪く言えば自分の身を顧みないだけ。善知鳥との関わりを深めたのもその精神が始まりだが、今となってはかけがえのない存在として彼を大切に思っている。
善知鳥に対しては好意や親しみと同じくらい、彼と共にいるため、と自身の存在理由を他者に起因させる「依存(脚)」と、自身の不死に対しあまりいい顔をしないが故の「不安(羽)」を抱いている。
◆経歴
今から百年よりも少し前、彼は後の世で言う東京に、古くから続く薬問屋の次男坊として生まれた。薬に精通した家系では医学部門に排出される子らもおり、彼自身も実家は兄が継ぐからと医学の道に進んだ。大学卒業後、親戚の伝手で開業医を始め、近隣住民からの信頼も厚く、いずれすてきな嫁をもらい安穏とした日々を過ごすのだろうと誰からも思われていた。
しかし、ある晩を境に彼の日常は一変する。
それが後の世まで親交が続く、善知鳥との出会いだ。
手を貸したのは眷属と戦い傷を負った彼に対する、医者としての義理だったかもしれない。元より世話焼きであるから、何か見えない苦労を負っている善知鳥が気になったのかもしれない。あるいは自分の信念の為に義理の母を殺した彼の背が、迷い子のようで愛しく思えたのかもしれない。
何はともあれ、竜胆は善知鳥との血盟もあっさり承諾し、事件解決後は共に住もうと快く提案したのだろう。そうして彼と暮らす内、竜胆は善知鳥と共に生き続ける方法を模索するようになった。元より魔術の素養が高かったらしく、完全なる不死には程遠いものの、亡くなる前にはどうにか「ひとまず」の方法を編み出すことに成功したらしい。
没後、おおよそ百年ほど。竜胆は無事に「もう一度生まれた」。彼の胸には神仏への恐れなどなく、ただ再び善知鳥に出会えたことの喜びだけがあった。同時に、今世が終わる前に、なんとかして山積みの問題を解決しなければという悩みもある。だから彼は今日も、日夜問わず研究を重ねているのだろう。
それはそれとして前世よりもいくらか距離の近くなった友人に多少の気恥ずかしさを覚えたり、彼の体に残る他者が刻んだという痕印に不貞腐れたり、対等な友人ではなく「兄弟」や「親戚」といった歳の差を与えられ苦々しい思いをしたり。自分ばかり踊らされている気がして中々大変なお年頃らしい。
◆竜胆家
医療関係の旧家。昔は薬師としてほそぼそと生計を立てていたが、江戸時代に薬問屋として栄えた折にいくつか分家をこさえるようになる。大正時代に竜胆実が善知鳥と出会ったことで、吸血鬼の治療法や治療薬の研究も始まった。現代では竜胆実の父親が経営する病院で対吸血鬼用の夜間診療も行われており、基本的には竜胆家の製薬を使用しているが、時折宇野グループとの取引もあるとかないとか。
かつての竜胆実の遺言もあり、血盟の二人が暮らす家の家人は快く善知鳥を迎え入れている。なんの因果かこの時代にも兄はいるため、タイミング悪く離れに訪れることもしばしばあるのかもしれない。
◆備考
竜胆が人間の不死を研究をするにあたり目をつけたのは、血契の制度だ。互いの血を重ね呪いをとなえることで、互いの「魂を縛り付ける」呪術。科学が発展し始めた時代において「魂」という曖昧な存在は夢想に近いとすら思っていた。人は骨と皮と肉と臓器でできている。いわば魂は心臓にあたり、切り裂けば動きを止めるもの。ただし物理的な傷をつけるには同じく物理の攻撃が必要だと、医学の徒なら誰もが心得ているだろう。
しかし、血契は科学的な理論をきれいさっぱり壊してしまった。日常におけるあらゆる「無理だ」を覆す神秘と実用性が魔術の世界にはあったのだ。
善知鳥と生涯を共にするには、数多くの条件が必要だった。それら全てを紐解くには時間が足りず、研究は年月をかけて継ぎ足していくしかないだろう。だから竜胆は手始めに己の「魂」とやらに手を出した。
仏教において、地上におけるあらゆる生物の魂は輪廻を巡るとされている。ただし本来であれば前世の罪に従い次の生が決まり、それに則した姿で再生し現世の苦行を受け、幾度となく死と生を繰り返し、いつか解脱を目指すことこそが目的とされている。着眼すべきは「一つの魂」が生死と苦行を繰り返している点と、その魂は「記憶を継いでいない」点だ。
これはきっと仏の慈悲だろう。何せどの生物においても、前の生が一度きりとは限らないのだ。十や二十、百以上の生を繰り返していた場合、その膨大な記憶量と罪の重さに並の生き物が耐えられるとはとても思えない。
ただし以上の仮説が真実であり、自分の魂が間違いなく生を繰り返しているのならば、次の生も常に「自分」であるはずだ。足りないものは記憶の継続ただ一つ。果たしてこれは「生まれ変わり」か「生まれ直した」のか正しく「生の延長」か、言葉の響きは些事である。自ら苦行に乗り出す分には、仏とて修行と取ってくれるに違いない。善知鳥と共にある為の第一歩として、まずはこれに着手すべきだろう。
それが彼の導き出した答えだった。
何度思い出すことになるのか。そのたびに魂は負荷に耐えられるだろうか。壊れる前に身体の負荷を取り除く術は見つかるか。もしも神や仏が本当に存在するなら、一体何度まで見逃してくれるのだろう。回数が重なる度に、どれだけ彼に寂しい思いをさせてしまうのか。あるいは、いつ彼に、不要の烙印を押されてしまうのか。
不安要素は数多くあれど、それでもそばにいてやりたいと、決めたのは自分だ。
だからこそ無謀と承知の賭けであっても、竜胆は己の魂に手を出した。神仏のひんしゅくを買ったかどうか未だ彼にはわからない。実験は成功し、魂の結びたる痕印もそれを証明した。そうして望んだひとの隣をもう一度歩けている以上、彼は何度だっていうだろう。
「魂が途切れない限り、僕はどこまでいっても僕である。これは間違いなく、たった一人の人間が己の欲のため世界の理を欺いた結果であり──僕にとっては、何物にも代えがたい幸福なんだ」
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 力の向上 | GM | 参加者 |
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1 | 2023/6/24 | Quiet cradle to Grey grave | 耐久値+5 | 箱山だん | 善知鳥御船(GM箱山だん)竜胆実(PLじん) |