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人類が文明を築き始めたころから存在している吸血鬼。シュメール都市文明が滅びるまで3000年ほど過ごした後、文明の滅びと共に北欧圏に本拠を移し、城を築いた。極夜の時期には北欧圏に戻り、それ以外の時期には当時発展している文明を練り歩く生活を送る。

血契に似たものをシュメール都市文明時代から運用し続けており、「悪魔と契約して力を得る」という世界中にある物語の源流を辿ると、彼女に行きつく可能性がある。過去繁栄した文明の陰には大体彼女が潜んでいる…かもしれない。自分が文明にどのような影響を与えたかなんていちいち覚えていない。

当然、痕印も大量に残っている。また、どの痕印がいつ、誰と、どのような内容で契約したものであるか、そしてその者がどのように生きて、どのように死んだのか、死に際の顔も含めて、それらを全て記憶している。
例え痕印が上から次の契約者のもので塗りつぶされようとも、彼女の記憶には残り続ける。契約者が「二度目の死」を迎えることはない。彼女が生き続ける限り。

聖字教には何度も何度も何度も何度も刺客を城に送り込まれている。一々返り討ちにするのもめんどくさいので、「力は貸してやるから突っかかってくるな」という取り引きをした。当然忠誠心などは欠片も持っていないし、そのうち抜ける。

基本的には人間相手は後遺症が残らないように戦うが、力加減が苦手なため、アレクシアの左目を吹っ飛ばした。


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彼女は人類を愛している。

己より遥かに脆く、そして短命な種でありながら、己には理解できない――されど本能的であるはずの「恐怖」を退け歩む姿は、何物にも代えがたい。

その歩みには熱がある。
一瞬で燃え尽きるからこそ、強く、眩しい熱が。

それは、永く生き、恐怖を持たぬ己には決して持ち得ないものだ。

故に彼女は血契を結ぶ。
身を焦がすほどの熱を宿す者を、最も近くで見届けるために。

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