普段はニコラスの酒場でウェイトレスとして働いている。今の機械の身体になってからかなり長いため、料理を運ぶくらいは難なくこなすが、皿洗いは少し苦手。
酒場なら人が集まるから、竜石やマムクートの情報が集まると思っていたが、全然集まる気配はなく少し焦りを感じている。
自分はレパータルではない、寿命は人のそれと同じだ。
それに、いつ死ぬか分からないこの島には、あまり長く居たくはない。
彼女は少しでも情報を集めるため、島のあちこちに足を運ぶようになる。

竜に憧れ、竜になることを望む女性。
体の一部が機械でできた竜のようになっている。
竜になる方法を探し求め、この島へとやってきた。
竜のことが絡まなければ、無愛想だが優しい女性。
竜石の力を使用している際は、感情が昂り口調が荒くなる。

竜をこよなく愛するレパータルの両親の元に生まれた、アンスロック。
幼い頃から様々な竜の物語を聞いて育ってきた。
神竜王セフィロス、深紅竜アイン・ソフ、純白竜アインの物語。
人と共に戦った竜の物語、人と心を通わせた竜の物語。
そんな物語を聞き続けて育った彼女が、竜に憧れるのはある種当然だったのかもしれない。
「私、このおはなしに出てくるみたいなかっこいい竜になりたい！」
物語が終わるたびに、両親にそう言った。
しかし、彼女の身体にある竜の特徴といえば、首元にある鱗だけ。
両親は人型の竜ともいえるほどの見た目をしているのにどうして？何度そう疑問に思ったかわからない。
成長するにつれて、いつしか憧れは執着といえるほどにまで増大し、彼女は自らを竜に変える方法を探すようになった。
里の中に、その方法がないとわかると、彼女は両親の制止を振り切り里を飛び出した。

その後、彼女は自らを竜に変えるため、様々な方法を試した。
錬金術によって体の一部を竜を模した機械に変えたりなんてことも試した。
しかし、それでも彼女が憧れた竜には程遠かった。

旅を続けたていたある日のことだ、彼女はとある噂を耳にした。
それは竜の力を宿した石「竜石」の存在。
そして、竜石を使い一時的にその身を竜へと変じさせる者たち「マムクート」の存在。
それらの存在を調べれば、自らが竜になる方法がわかるかもしれない。
それになにより、一時的にとはいえ竜になることができるというのは、心惹かれた。

竜石やマムクートについて調べるうちに、それらがノータンディ大陸由来であるということがわかり、彼女はノータンディ大陸へと向かった。
しかし、ノータンディ大陸についてからいくら調べても、恒常的に竜に変じる方法なんてものは見つからなかった。
残された大陸内で調べられていない場所はただ一つ、大陸のはずれにある一度入ったら死んでも出ることができないと言われている島だけ。

―そこに僅かでも夢を叶えるための手がかりがあるのなら！
そうして彼女はエスタ国へと向かった。

その島が、一度入ったら出ることができない島だとしても、自分の夢に少しでも手が届くのなら！そんなことはどうだっていい！