容姿・経歴・その他メモ

戦場生まれ

アースランにあるとある集落が魔族に襲われた際、一人だけ生き残った孤児。
集落の大人たちに逃がされて森へと逃げたレニーを拾ったのはたまたま通りがかった戦士団だった。
自分の集落が襲われている事を伝えると、戦士団はすぐさま集落へと向かった。
だが、もはやそこには集落はなく、残っていたのは村の人間の死体だけだった。
その後、身寄りのなくなった彼は戦士団に引き取られることとなった。

戦士団では戦う術、とりわけ身に刻まれた瘴気を武器として操る術を教えられた。
稽古は厳しかったが彼は文句ひとつ言わずにこなした。
あの日、母も妹達も皆死んだ。生き残ったのは自分だけ、あの魔族に復讐する為にきっと自分は生き残ったのだ。
そう思いながら。

逃亡

彼の初陣は13の時だった。
今まで沢山、稽古を積んできた。大丈夫、大丈夫だ。
そう言い聞かせながらも緊張に震えていると、背中をドンと叩かれた。
彼につきっきりで稽古に付き合ってくれた教官だ。

なんだレニー、ブルっちまってんのか？
なぁに、初陣ならしょうがねぇ。誰しもそんなもんだ。
安心しな、お前の腕前は保証する。
ま、ヤバくなったら俺の近くに来い、ガキのケツ持ちぐらいなら俺でもできらぁ。

普段は厳しい教官がそんな風に励ます。
それを聞いた近くの先輩が口を挟む。

お、そうだ。小便は済ませておけよ？
うっかり漏らしちまうかもしれねぇからよ。
生き残ったってそれじゃあ笑いもんだ、そこで偉そうにカッコつけてる若ハゲみてぇによ。

どうやら若ハゲとは教官の事のようだ。
てめぇ、いつまでそのことを引きずってやがる、と殴りかかる教官。
うるせぇ、お前こそさっさと金返しやがれ、と蹴り返す先輩。
なんだかいつもの雰囲気になってきた、レニーはつい吹き出してしまう。
緊張も抜けてきた、いつものようにやろう。そうすれば無事、生き残れる。
そんな気がした。


あぁ、確かに生き残れた。彼"は"。
戦場を進む戦士団を強襲したのは集落を襲った魔族だ。
圧倒的な力、半身を残し消し飛ぶ戦士たち。
まずい、まずいまずいまずい。
魔族の攻撃をどうにか剣を盾にしていなし後ろに下がる。
下がると横には教官の姿が。
直前の会話を思い出し、少し安心感を得ながら隣へ視線を向ける。
左肩から首にかけて吹き飛んだその姿に安心感は消し飛んだ。
厳しくも優しかった教官、頼りがいのある歴戦の先輩、皆、物言わぬ死体となっていた。
目前に迫る魔族に彼が取った行動は、剣を投げつけ一目散に逃げることだった。

贖罪

それ以来、戦場を恐れたレニーはアースランを離れ、遥かエリンディルの大陸まで渡った。
戦場から逃げ、倒すべく魔族からも逃げた自分に生きる意味などあるのか、そう考えていた彼の耳に聞こえたのは、一人の少女の歌声だった。
傷つき疲れ果てた彼の心に人々を元気づける彼女の歌声は深く染み渡った。
気付いたらステージの上で礼をする彼女に涙を流しながら拍手を送っていた。
こんな自分でも、まだ生きている意味があるのなら。誰かの為に、彼女のように人々を笑顔にしたい。
そして数日後、彼はギルド加入希望の用紙を手に彼女へ声をかけた。

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