その少年は放浪者の父と冒険者の母の間に生まれた。
父は剣士、母は森羅導師。受け継いだ才を磨くため、彼は幼少期から各地を転々としながら修行する日々を過ごす。
修行は厳しかったが、両親からの愛情はしっかりと注がれ、彼は幼いながらも、何ものにも縛られず生きている両親のことを誇りに思っていた。

しかしその旅の途中で、母親は狡猾な蛮族の手によって命を落とすこととなる。
母亡き後、彼とその父親は蛮族らにより生贄として上位者へと捧げられそうになるが、辛くも逃亡することに成功した。
そして、父親は母を亡き者とした蛮族達への復讐のため、最愛の息子を知人に預け一人で旅立ってしまう。

預けられた知人は、亡くなった母の父…彼にとっては祖父である人物であった。
サイレックオードの荷運び人として過ごしていた祖父の元、少年は生きていくための手解きを受ける。
祖父は豪快だが気前の良い人柄であった。少年にとっては第二の父と言っても過言ではないだろう。

サイレックオードではさまざまな経験をした。
荷運び仕事の真似事から始まり、最近では観光ガイドの免許を取ったのが記憶に新しい。
"空のない街"サイレックは治安の悪さからその出会いは一期一会なところも多かったが、近い年齢の友人が出来たり、年頃の少年らしく恋もした。
良いことも悪いこともひっくるめて、彼の半生はこのサイレックオードの地の思い出で構成されている。

そんな彼に、再び転機が訪れた。―――最愛の祖父が天寿を全うしたのだ。
もうこの地に彼を縛り付けておく柵はない。独り立ちにはいい機会だ。
そこそこの路銀と、両親や祖父から賜った生きる術もある。

さて、どこへ行くか、何をしたものか…。
そう彼が悩んだ際、なんとなく嘗て母が何かに付けて言っていた言葉を思い出す。

「迷ったら自然に身を委ねてみなさい。」

目の前には今にも落ちそうな落葉樹の葉。
それじゃあ手始めに、あの葉が落ちた方角にでも向かってみよう。自然の流れに身を任せるのも悪くない。
そう決めると同時に突風が吹いた。
葉は木から離れ……ほぼ垂直に大空へと舞った。高く高く舞い、そしてそのまま虚空へと消える。
空を見上げると、そこにあるのは巨大な岩。仕事で何度か出入りした事もあるガザトオリコの地だ。

「次の行き先はそっちってか。」

祖父と共に過ごした住居を整理し、最低限の身支度を済ませると、少年はそのまま飛空船乗り場へと足を運んだ。

・生まれた環境
　66：放浪者
　↓
・幼少期の経験
　35：できないことはない
　↓
・1回目のハプニング
　1：事故や悲劇　→　66：大切な物を盗まれた/奪われた
　↓
・少年期の経験
　42：魔法の手解きを受ける
　↓
・2回目のハプニング
　1：事故や悲劇　→　34：生け贄に捧げられた
　↓
・青年期の経験
　6：迫真の演技
　↓
・3回目のハプニング
　43：異種族と恋をした

【パーソナリティ】
・信条
　43：神(信仰/自然)
・矜持/執着
　43：命令されたくない

【サイレックオード経歴表】
　B-6-4：知り合いにクーティア・シフットの犠牲者がいる。