容姿・経歴・その他メモ

身長/体重:170cm/64kg

・経歴
《命を救われた事がある》《一定期間の記憶がない》《純潔である》


三つの人格が統合された
寡黙、冷淡、消極的、そして人見知り
ただし身内や気を許した相手には甘く、甘える
反面、それらを害する存在に対しては一切の容赦をしない
クールでコールドな岩塩レディ
吃音症はだいぶ改善された
相変わらず異様に食欲旺盛だが恥じらいを覚えたので人前ではあまり食べなくなった
以前よりも一層本を読み漁るようになり、冒険者としての仕事がない日は司書として図書館で働いている
しかしながらその実態は引き籠もって本を読み続けているだけ
無駄に実力者なので誰も文句を言えないが、根は真面目なので本の整理や掃除はしっかりする（利用者の対応はしない）
召異の入れ墨は右手首（包帯を巻いて隠している）
連れている扉の小魔：小妖精型・泣き虫


テラスティア大陸とは異なる別大陸に存在していた名も無き小さなエルフの集落で産まれたが、六歳の時に集落を魔物に襲われ一家は離散。
意識を失っていたところを魔神使いの青年に拾われ、魔神の苗床となり十年の時を過ごす。
その後、紆余曲折を経て実兄アヴァン・アクアリスとその仲間の手によって救出され、以降は竜の篭の冒険者として活動を行う。
救出当時は苗床にされた時点で精神年齢が停止しており、実年齢不相応の幼稚な振る舞いが目立っていた。
しかし、冒険者との交流などで知識を得るに連れてその異常性に自分自身で気付くことになったため、解離性同一性障害を患い三つの人格を生み出すことにもなったりしたが、数年経って何だかんだあって解決した。
多分アヴァンとかエミリーとか他の冒険者とかと一緒に父親とか魔神使いをブチのめしたんだろう。
親父は殺した。叔父だった魔神使いも殺した。

自身の一族に関する真実、仇敵とも言える魔神使いの正体、そして肉親の凶行を目の当たりにし、人見知りが人間不信にパワーアップした。

ヒトは嫌い。嘘をつくから。
嘘は嫌い。ヒトを信じられなくなるから。
それはすべて、世界が誰にも優しくあって欲しいという子供じみた願望の裏返し。

[最近の出来事]
《凝った料理に挑戦してみた》《旧友が訪ねてきた》《魔動バイクを乗り回した》

それは一年前のことだった。
ルキスラに仕える騎士である兄と、自分と同じく冒険者をしている操霊術師の妹と、数年ぶりに二度目の再会を果たした目の前にいる自分とよく似た顔の小柄な少女───といっても、信じられないことに同い年で、しかも自分の双子の姉なのだが───とで、家族揃ってささやかな祝宴を開いていたときのことだ。

「あの……」

双子の姉が、料理の並ぶ食卓を前におずおずと口を開く。しおらしい態度だが、彼女の知り合いから話を聞くに、普段はもっと尊大な言動で通っているらしい。人は見かけによらないものだ。

「私、あまり食は太くなくて……その……」

どうやら、食事の量に気圧されて、残してしまうことを気にしているらしい。
ここでひとつ、心に引っかかる物が生まれる。

「だいじょーぶだって！　これぐらいさー、アリエル姉ちゃんが全部平らげてくれるしー？」

そして妹の言葉で、ふたつめの引っ掛かり。

「……は？　この量を？　一人で？　え？」
「うん、っていうか今日は少なめなぐらいじゃない？　だよね、兄ちゃん」
「む？　ああ、確かに普段よりは控えめにしたのだが……多かったか？」
「いやめちゃくちゃ多いじゃないですか！？　本気で言ってます！？」

───アリエル・アクアリスは、この日から人前で己の食欲を満たすことをやめた。

その代わり、お腹が空いた時には宿の厨房を借り、深夜に一人でこっそりと料理を作るようになった。
もちろん、給餌のコボルドや店主には固く口止めをしておいて。

ある日、耳を伏せてげんなりした顔のコボルドたちが遠巻きに見つめる中、山盛りに積まれた握り飯（それぞれ具が違う）を頬張っていると、宿の戸を叩く音がした。
びくりと肩を震わせてから口の中のものを嚥下し、無言でコボルドへと視線を向ける。応対しろ、という無言の圧力。
びくりと肩を震わせた哀れな毛玉たちがいそいそと扉の方へ向かう中、そそくさと片付けを始めるが───。

「やあやあ、久し振りだねえ。……といっても、今は誰もいなさそうだけどね？　あっはっは」

その声を聴いて、ぴたり、手が止まる。
振り向けば、新緑のような緑髪とくたびれた衣類に身を包んだ、よく知る顔が立っていた。

何を話したのか、実はあまり覚えてはいない。何故なら、取り留めのない内容ばかりだったから。
多分、お互いに積もる話をしようとは思わなかったのだろう。色々と衝撃的な経験をしたが、それはきっと“友達”と話すような内容ではないと思ったから。

「ねえ、キミはこの世界が好きかい？」

月明かりが照らす草原を、彼女が最近乗り始めたという魔動バイクの後ろに座って駆けている最中、どこかぼんやりとした口調で問い掛けられた。
黙り込んでいると、そのまま彼女は言葉を続ける。

「ワタシはねえ、あんまり好きじゃない」
「や、どっちかというとキライな方かな？　色々、めんどくさいし」
「……でもさ、それはきっと、まだまだ知らないことが沢山あるからだと思うんだ」
「彼と一緒に旅をしていてね、この世界も割りかし捨てたもんじゃないなあと感じたのさ」

バイクが減速し、崖の近くで停止する。眼下には帝都ルキスラ。数万人の人々が暮らす大都市───だけど、この世界にはもっともっと、沢山の人が生きている。
スフィアにバイクを収め、彼女はその光景に目を細めながら前髪を風に揺らす。

「アリエル、元気でね。また会おう」

へらり、と気の抜けた笑みを浮かべると、首に下げた聖印を握り締める。
その直後、風来神の奇跡が彼女の肉体を包み込み、一陣の風と共にその場から姿が掻き消えた。

───この夜のことは、誰にも話していない。

セッション履歴

収支履歴