【カスロット豪砂拳・ガダム派】
(ブルライト地方)- 入門条件
- 不名誉点1点以上
この流派は特殊で、不名誉点が「1」点以上ないと入門できません。不名誉点については、『Ⅱ』143頁を参照してください。不名誉点があれば名誉点の消費なしに入門できます。この流派の流派秘伝を習得すると、それに対応する不名誉点が加算されます(習得後の使用では加算されません)。何らかの方法で、不名誉点が「0」となった後、一度習得した流派秘伝を再び使用すると、対応する不名誉点が加算されます。
ブルライト地方西部にあるカスロット砂漠に住むヤドラ族の中で、異端者として危険視されたガダムという人間の男が編み出した【カスロット豪砂拳】の一派です。ガダムは、大柄で逞しいヤドラ族としては非力で、〈鉄砂拳〉の習得に苦労していました。ある日、バジリスクと遭遇し戦い、バジリスクの毒を受けてから、砂漠に多く生息する毒を持つ生物の毒を利用して自らの拳を毒の拳にすることを思い付きます。そこから、様々な毒の調合、鍛錬法を探求し、数年後に〈毒砂拳〉の習得に成功します。ヤドラ族の者からは、邪道だと卑下され部族から追放されることになりますが、〈毒砂拳〉の威力に着目する者は少なくなく、ラージャハ帝国を中心に技を伝承していきました。今では【カスロット豪砂拳・ガダム派】として、大陸各地で入門可能です。入門方法は、前述の通り特殊な形となります。
流派装備
流派秘伝《砂拳毒纏(さけんはどくをまとう)》によって得られる武器です。
この武器による近接攻撃が命中し、「1」点以上の適用ダメージを与えた場合、ダメージを受けたキャラクターが「[常]毒無効」の能力を持っていなければ、生命抵抗力判定を行い、失敗した場合は、命中力判定または回避力判定に-1のペナルティ修正を受けます(無作為に決定)。この効果は永続し、命中力判定、回避力判定それぞれ-4まで累積します。生命抵抗力判定の目標値は、〈毒砂拳〉で「この武器の使用者の生命抵抗力+6」、〈毒砂烈拳〉で「この武器の使用者の生命抵抗力+7」、〈毒砂烈王拳〉で「この武器の使用者の生命抵抗力+8」となります。この効果は毒属性です。[部位:手]に、名称や形状に、手袋、グローブの記載がある装飾品を装備している場合は、この効果は得られません。
この武器は、通常は両腕に装備となりますが、【カスロット豪砂拳・バタス派】の〈鉄砂拳〉〈鉄砂鋼拳〉〈鉄砂金剛拳〉に限り、片腕ずつ併用して装備することができます。よって、右手を〈毒砂拳〉、左手を〈鉄砂拳〉などとすることが可能です。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
毒砂拳/毒砂烈拳/毒砂烈王拳 | 13 | 〈格闘〉 | 0(非売品) | ダメージを与えた場合、命中力または回避力判定-1 |
秘伝
流派秘伝の習得に名誉点は必要ありませんが、流派秘伝を習得すると不名誉点が加算されます。
《砂拳毒纏(さけんはどくをまとう)》
- 必要名誉点
- 20(不名誉点加算)
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- なし
- 使用
- -
- 適用
- -
- リスク
- -
- 概要
- 〈毒砂拳〉を装備可能になる
- 効果
この流派秘伝を習得すると、不名誉点が「20」点加算されます。
この秘伝を習得すると、カテゴリ〈格闘〉武器〈毒砂拳〉を装備可能になります。また、《武器習熟A/格闘》で〈毒砂烈拳〉、《武器習熟S/格闘》で〈毒砂烈王拳〉が装備可能になります。
自らの拳に毒を染めて毒の拳にします。カスロット砂漠に生息する毒蠍、毒蛇、毒蜥蜴、毒蜘蛛などの十数種の毒を粉末状にして、砂と配合させたものの中に拳を突き入れ鍛えるのと交互に、薬草の汁の中にも拳を入れて毒に侵されぬよう中和します。こういった鍛錬を数日間続けると拳は濃い紫色に変色し、毒を纏います。鍛錬の際に使用する粉末状の毒は、自らの生命力でぎりぎり耐えられるものを調合します。それ以上に毒が強ければ薬草の汁を使用しても死に至る危険があり、毒が弱ければ〈毒砂拳〉としての効果が得られないためです。〈毒砂拳〉が何日で完成するかは、「自身の生命抵抗力+12」を目標値とした1日1回の毒に対する生命抵抗力判定によります。達成値が目標値以上となったら、〈毒砂拳〉は完成します。目標値は以後1日毎に「1」ずつ下がっていきます(最低10。この判定に[剣の加護/運命変転]は使用できません)。この鍛錬を行う日は、寝食以外の他の行動は行えないものとします。完成する前に鍛錬が中断した場合、目標値は「自身の生命抵抗力+12」に戻ります。この鍛錬と判定は、〈毒砂烈拳〉〈毒砂烈王拳〉でも同じです。既に〈毒砂拳〉〈毒砂烈拳〉のいずれかを得ている場合は、新たな判定は不要です。鍛錬に用いる毒の粉末と薬草を得るには、500ガメルが必要です。〈毒砂拳〉(またはその上位武器)は、薬草の汁(500ガメル)に1週間続けて手を浸すことで元の手に戻すことができます。【キュア・ポイズン】などの魔法では〈毒砂拳〉の毒は消せません。この秘伝は、フロウライトは習得することができません。
《毒蟲如体(どくむしのごときからだ)》
- 必要名誉点
- 30(不名誉点加算)
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《砂拳毒纏》
- 限定条件
- なし
- 使用
- -
- 適用
- -
- リスク
- -
- 概要
- 毒に対する生命抵抗力判定+2
- 効果
この流派秘伝を習得すると、不名誉点が「30」点加算されます。
この秘伝の習得者は、《砂拳毒纏》の副次的な効果で、毒に対する耐性が付き、毒属性の効果に対する生命抵抗力判定に+2のボーナス修正を得ます。
《毒侵貫通(どくしんをつらぬきとおす)》
- 必要名誉点
- 30(不名誉点加算)
- タイプ
- 《鎧貫きⅡ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈毒砂拳〉
- 使用
- グラップラー技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 攻撃対象の防護点を半分として扱う。クリティカル時には毒の効果が「必中」となる。
- 効果
この流派秘伝を習得すると、不名誉点が「30」点加算されます。
この秘伝は、〈毒砂拳〉(またはその上位武器)で近接攻撃を行うときに宣言し、その攻撃1回に有効です。宣言を行った攻撃が命中した場合、攻撃対象の防護点を半分(端数切り上げ)として扱います。クリティカルが発生したときには、〈毒砂拳〉の毒の効果は「必中」となります。複数を同時に攻撃する場合、命中した中から任意に1体を選びます。そして、その1体へのダメージ適用において前記の処理を行います。この対象の選択はダメージを決定する前に行います。
《毒蝮三打遊(どくまむしさんだゆう)》
- 必要名誉点
- 50(不名誉点加算)
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- 《両手利き》《双撃》
- 限定条件
- 〈毒砂拳〉
- 使用
- グラップラー技能
- 適用
- -
- リスク
- -
- 概要
- 3体に〈毒砂拳〉で近接攻撃を行う
- 効果
この流派秘伝を習得すると、不名誉点が「50」点加算されます。
この秘伝は、主動作として〈毒砂拳〉(またはその上位武器)による近接攻撃を3回行います。攻撃対象は、近接攻撃が可能な3体のキャラクターとなり、それぞれに1回ずつ〈毒砂拳〉(またはその上位武器)での近接攻撃を行います。全ての攻撃で命中力判定に-2のペナルティ修正を受けますが、《二刀流》を習得していれば、このペナルティ修正はありません。この秘伝では、1体に3回攻撃、または1体に2回攻撃と別の1体に1回攻撃などはできません。必ず別々の3体へ1回ずつの攻撃となります。この秘伝による攻撃は、《追加攻撃》を発生させません。この秘伝は、片腕のみが〈毒砂拳〉(またはその上位武器)の場合でも使用できます。
《連撃一殺・毒侵鬼続(れんげきいっさつ・どくしんきぞく)》
- 必要名誉点
- 70(不名誉点加算)
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《毒蟲如体》
- 限定条件
- 〈毒砂拳〉 【アンチボディ】
- 使用
- グラップラー技能
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- ダメージを与えた場合、生命力ボーナス点の毒属性の魔法ダメージ
- 効果
この流派秘伝を習得すると、不名誉点が「70」点加算されます。
この秘伝を使用するには、先ず練技【アンチボディ】を使用します。【アンチボディ】の賦活能力を高める効果を応用し、〈毒砂拳〉の毒性を強めます。その上で、〈毒砂拳〉(またはその上位武器)で近接攻撃を行うときに宣言します。宣言を行った攻撃を含む以後10秒(1ラウンド)の間に行う〈毒砂拳〉による攻撃では、「1」点以上の適用ダメージを与えた場合、〈毒砂拳〉の通常の効果に加えて、「秘伝使用者の生命力ボーナス」点の毒属性の魔法ダメージを与えます。この秘伝を宣言すると、次の手番開始時に【アンチボディ】は効果を失います。