ハイマンは、遠く古代魔法文明の研究により生み出された“失敗作”である。
魔法への適正を高めようとした研究の果てに、その適正の代償で30年程しか生きられない枷を負った悲劇の人造人間。
そしてハイマンは種族の特徴として、時折前世の記憶をフラッシュバックする事があるらしい…

そんな話を、養父が話してくれたのを覚えている。態々本を取り寄せて、調べてくれたのだそうだ。
でも私はハイマンではあったが…前世の記憶なんて思い出した事も無かった。
父はまぁそう言う事もあるだろう、と笑っていた。だから私も、そういう物なんだろうとずっと思っていた

ある日、夢を見た。一人の誰かの夢を。
その誰かの視点で私は動いてて、でも私の意志はなくて、何かをなぞっている様な夢だった。
目が覚めて、感覚で理解した。あれは私の前世なのだと。
夢の頻度は増え続けた。ずっと“誰か”の人生を断片的になぞり続ける。
私は、私が分からなくなった。
私は俺の生まれ変わりなのか？俺が私なのか？私の主導権はどっちに…
『おい、返事しろよノロマ』

夢は見なくなった。代わりに私の中には、『俺』という私ではない誰かが住むようになった。
『俺』は名前を探している。ただ自分が何者であるのかを知りたいと語っていた。
私も、私が何であるのかを、知りたかった。お互いの利害は一致していた。

そうして私と『俺』は旅に出た。断片的な記憶を頼りに、残っているかも分からない記録を求め、生まれ故郷と違う大陸に渡り旅をしている。
私達の名前を、見つける為に。

魔法の申し子/魔力が常に+1されます。魔法行使判定のダイスで6ゾロが出た場合、その魔法に使用したMPが帰ってきます。
デジャブ/一日に一回だけ知力Bを使う判定(魔法行使を除く)の前に宣言し、達成値を+2する事が出来ます。