由来・逸話

ハーヴェス地下、フルシルの隠し神殿内に秘されていた大海賊アイフリードの愛船“海賊船バルフート”をそのまま活用して作られた冒険者ギルドです。

数百名を収容可能な大きさに無数の船室、食堂や娯楽室、大浴場も完備しており長期間の旅にも耐えうる設備が完備されています。
基本の形としてはスカイホエールを模した巨大なガレオン船ですが、移動経路に合わせた変形機構を備えており海中、陸、空と如何なる場所も移動することが可能です。
最も特徴的なのは飛行機能であり、<風脈>と呼ばれラクシアの空を覆っているマナの網を伝うことで圧倒的な航行速度を実現しています。
ですが<大破局>の混乱の中で風脈を記した空図の一部が失われており、現在空の旅をすることが出来るのはアルフレイム大陸周辺に限られています。
また、巨大な船を動かすために大量の魔晶石が必要となるため、そう気軽に各地を飛び回ることは出来ないでしょう。
船を動かせるのは相応の稼ぎが期待できる冒険に限られます。

一応冒険者ギルドの体を為しているものの、移動する冒険者ギルドという特殊な存在である上にギルドマスターを務める「ブラム・スカーラット」がそもそも現役の冒険者であるために現状大手を振って活動できる状態にはありません。
その為ハーヴェスに存在する「青空の船出亭」「右肩の剣亭」「栄誉の旅」「暁の剣」といった各冒険者ギルドと業務提携を結び、それらの所属冒険者達が一同に会す集会所として場を提供しています。
これによりギルドの垣根を超えたパーティ構築がより容易になりました。
また、普段はハーヴェス外の平野部に停泊しているため、街やギルドに入り辛い事情を持つ者にも広く門戸が開かれています。

ちなみにギルド運営に関わる雑多な業務に関しては、提携ギルドから出向して来る受付嬢達が対応してくれているようです。

現状<巡る空鯨亭>専属で籍を置いている冒険者はおらず、全員が他ギルドとの掛け持ちという形を取っており、<巡る空鯨亭>としてもその形式を推奨しています。
通常であれば足を運びにくい遠方への旅の足掛かり、冒険者達のギルドを越えた交流の場、アイフリードの財宝の情報を得られる場、他にはない特色を持った世にも珍しいギルドです。