容姿・経歴・その他メモ

リデルは本来、闘争を好む一匹の戦士であった。
頭蓋を砕き、肉体を裂く為に依頼を受け、報酬など二の次、飢え死にしなければ良い位の認識でしかなかった。
だから、財布をスられても気づくことなく、店に入ってしまった。
酒場に入って席に付く、給仕係のコボルトに食事と酒を直ぐに持ってくる様に言った。
食事が運ばれて来る。肉やら芋、野菜が入ったスープに香辛料をたっぷり擦り込んだ肉、そして大量の酒、ここで食事をするする時は決まってこれを頼む。

何時と変わらず、テーブルに並んだ食事を大きな音を立て、喰らい、酒を飲んでは大声を出す。
勿論、そんなことを続けていては周囲から幾らかの不満が出る。
だが、酒場では金に糸目をつけないお陰で少々の荒事に関しては目を瞑って貰っていた。
だが、今やその金がない。
今までのツケを払わされるかの様に客や給仕係、酒場のマスターから捲し立てられる。
「食事代を早く払え」「いつも通り迷惑料を払え」「お前の分を周りより早く運んで来たのだからチップを寄越せ」

「なに、髪無き者を助けるのは私の使命だからな」
それが後にリデルの師となる男。
神官パ、ゲーとの出会いだった。
パ、ゲーは髪と神を信仰する神官であった。髪を失うことがどれ程苦痛か、髪を持つ事がどれ程幸福なのかを自身が信仰する神について、共に説いているのだと言う。

パ、ゲーの教えによってリデルは弱き者を守る尊さ、毛髪の素晴らしさを教わった。
もう彼は己の為に戦う戦士では無い、弱き者を助ける為に、髪無き者を救う為に戦う神官戦士となったのだ。

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