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　アンドロスコーピオン族の棲まう集落、その戦士の家系に生まれた。
　幼少期から、彼の父親は彼に武器の手入れの大切さを教え込んでおり、彼の日課には家族の武器を磨くことが含まれていたほどだという。
　この習慣は、彼の手先の器用さと集中力を養うことにも繋がった。若干5歳で彼はすでに自身の鋏を自分で手入れできるほどになり、部族の祭りでは、彼の鋏の輝きが称賛されることもしばしばだったという。
　魔動機との関りが蛮族には珍しく比較的ある種族ではある者の、やはり彼は『シザースコーピオン』ともいわれる戦士種である為、この鋏にはかなりの誇りを持っている。

　思春期頃の彼は、自らの戦闘技術に非常に自信を持っていた。
　魔動機文明時代の象徴とも言われるガンには様々な対抗手段があるがゆえ、道具を使いこなすことは当然であるとはしつつ、彼自身は自身の肉体こそが最終的に最強の『道具』となるという教えの元、拳闘士かつ、自身の巨体を上手く使った体術を会得し、磨き続けていたのだ。

　彼は部族の若者たちの間で頻繁に行われる模擬戦で、その自信の裏付けとして、数々の勝利を収めていた。
　しかし14歳の時に予想外の敗北を喫してしまう───　この時の相手は、彼が技術的にはるかに劣ると見なしていた同年代の男だった。敗北の原因は、彼の過信と相手を侮ったことにあった……　この事件は彼にとって大きな打撃となり、彼は自分を見つめ直す契機となったという。
　何せそうして強くなり、見返さなければ、『役立たず』として捨てられてしまうのだ。

　青年期になると、強く、かつ口も上手かった彼は長老から信頼を得るようになり、部族の重要な秘密を共有されるようになるほどの立場となった。
　曰く、魔動機文明時代の遺物の存在とその隠し場所に関する情報である。
　それは『レーヴァテイン』と呼ばれる人型の魔動機。魔動機文明の絶頂期に人族の手によって作られたらしく、遺失技術が詰め込まれているのだそうな。しかしそれの動かし方は未だ改名されていない、とか。
　部族内では、この遺物が不正な手に渡ることで部族や周囲の環境に災いが及ぶと信じられており、その場所と存在自体が厳重に秘匿されていたのだ……　ゆえに、一部の限られた者のみが研究を

　しかし、彼の秘密を守る能力には欠けており、20歳の時、重要な秘密を酒の席で口にしてしまった。
　この秘密の漏洩は部族内で大きな騒動を引き起こし、グリムは部族からの信頼を一気に失ってしまった───
　これが彼の孤立を深めることになり、部族内での彼の立場は悪化していくこととなる。

　その後情状酌量とは名ばかりの『役立たず』として、殺すことにも値しないと部族を追放されてしまった彼。
　しかし、それに腹立たしさを覚えた彼は、『レーヴァテイン』を盗み出し、高価で売却しようと計画する。
　────なんと、この計画は一時的に成功し、とある上位蛮族に取り立てられた彼は、一定の富(ガメル)と名誉を築くのだが……彼の犯罪はやがて露見し、故郷の集落からの追っ手に、33歳のある日に捕らえられてしまう。

　即時死刑となるはずだったが、とある上位蛮族の目もあったために、中立(を気取っている)集落の立場としては、即時に手を下すことは出来なかった。種族柄短慮ではなく、秩序と大勢の利益を優先する姿勢がそうさせたのだろうが…　とにかく命拾いをした。
　捕らえられた彼は、中立派たる集落と、上位蛮族との交渉材料に使われることとなる。レーヴァテインの変換の代わりに、彼を上位蛮族に引き渡すことを取引として飲ませたのだ。その交渉には、彼自身も立ち会った。
　彼の雄弁家、作家、歌手としての才能は自身を美化し、大きく見せることに長けていた為…　上位蛮族が彼を『部下にしたい』と思ったならば、それは思惑通りなのである。
　とはいえ、それで釈放では集落側の溜飲も下がらない。ゆえに、上位蛮族が正式に属する『ヴェレスタン公国』…その「イルリア収監所」に移送されることと相成ったのだ。

　彼は獄中での雄弁家としての能力で情報を操作しようとする。知能の足りぬ者なら、これで騙せるからだ。
　また、それから何よりも「武」を以てして、囚人たちを操る手段として使用していただろう。
　更に、作家や歌手としての才能も、自らの物語を美化・誇大化し、他の囚人たちに自分の側につくよう仕向けるための道具として利用を続ける。

【判定一覧】
（共通）魔物知識判定(植物限定)[知力]、薬品学判定(植物限定)[知力]
（独自）農作業判定[知力]

【　成長　】＋0pt（初期Lv）　
【カテゴリ】「郊外(田園と山野と街道)」
【ボーナス】農作業判定に+1(未適用)

【判定一覧】''
（共通）なし
（独自）演説判定[知力]、討論判定[知力]

【　成長　】＋0pt（初期Lv）　
【カテゴリ】「城や神殿、宮廷や軍事」
【ボーナス】演説判定に+1(未適用)

【判定一覧】''
（共通）見識判定[知力]、文献判定[知力]
（独自）執筆判定[知力]、創作判定[知力]

【　成長　】＋0pt（初期Lv）　
【カテゴリ】「知識と研究と芸術」
【ボーナス】真偽判定に+1(未適用)

【判定一覧】''
（共通）聞き耳判定[知力]
（独自）音感記憶判定[知力]、歌唱判定[知力]

【　成長　】＋0pt（初期Lv）　
【カテゴリ】「知識と研究と芸術」
【ボーナス】歌唱判定に+1(未適用)