容姿・経歴・その他メモ

桜→精神美、優美な女性、純血
庭桜の花言葉→高尚、秘密の恋、移ろいやすい愛

4,3　街で一人きり
5,3　故郷の場所を知らない
5,4　役に立たない得意技がある
3,1　大きなうそをついている（いた）
4,3　病の家族・恋人を救うため

　気付いた時には町の路地に一人で立っていた。まだ子供の自分一人を残して、知らない町で自分という個人は始まった。もしかしたらこの路地こそが自分が芽吹いた場所で、種だけがどこかから運ばれてきてここに落ちたのかもしれないし、どこかに変えるべき場所があるのかもしれない。
　メリアという自然に深く関わりのある種族ゆえか周りには見えていない精霊のようなものを見ることができ、それを使った占いの真似事や小魔術のトーテムダンスを使って旅芸人の真似事もして日銭を稼いでいた。

　そうしてしばらくなんとか生活をしていたが、幼くして自身で身を立て糊口をしのぐ生活をしているのを見かねてか、その町の慈愛と復讐の女神ミリッツァの教会のシスターに腕を掴まれ、そこの孤児院が自身を迎え入れてくれた。
そこで真似事ではない本物の祭事を学んだ。真似事とは言え素養があっただけに随分と覚えは早かった。たくさんの人、種族に触れて人族として生きることのすべてをこの教会で学んだ。
　成人し、そこで一聖職者として席を並べるほどにもなった。だがしかし誰にも言えない秘密が自分にはあった。大恩人の拾ってくれたシスターにも言えないような大きな秘密が。

　実は自分は女性ではないのだ。

　厳密に言うとそれは正確ではない。女性の身でありながら、拾ってくれた大恩人のシスターに恋慕してしまったのだ。そのためそういう風に自らを嫌悪している。
女性にしか聞こえないとされるミリッツァ様の声を聞き、復讐神官として教育を受ける自分はどうあっても女性なのだから、憧れの、かけがえのない、親愛なるシスターの傍にいられることを何より素敵なことだと信じていた。

　しかしなぞの流行病が孤児院を襲った。所属している神官、シスターも例外ではなく種族的に強く肉体が成長しきったエルフ、メリア以外はほとんどその病魔によって倒れてしまった。
自分がもっとも愛しているシスターもその例にもれず倒れており、その場にいるものではそれらの病魔の進行を遅らせることはできても根治させることはできなかった。

　今こそすべての恩を返すとき。身を立て名を挙げ、冒険者として大成することで、この病魔すら吹き飛ばすような神官を連れてくるだけの財を成すか、はたまた自身がそれほどの聖職者として完成するか。
どうあれその病魔にけりをつけると告げて、次に来るときは治す手立てを持ってからだと教会を後にした。

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