容姿・経歴・その他メモ

1-1-2→命を救われたことがある
1-5-3→故郷を知らない
4-2-4→競い合う友人がいた

冒険に出た理由→1-5
破産した

　彼の一番古い記憶は逃亡生活でした。両親は破産し、借金取りからの逃れるためにあちこちを転々としている最中で生まれました。だから故郷というものはありません。当然、その土地に馴染む前に引っ越し。友達もできませんし、両親はいつもなにかと忙しくしています。なのでいつも一人、寂しい思いをしていました。
　そんな彼にも常に一緒にいてくれる存在がいたんです。それは彼の影です。影はいつでも、どんなことにでもいっしょに遊んでくれます。特に一番のお気に入りはかけっこでした。勝負はいつも彼が勝ちましたが、その差はわずか。気を抜けば負けてしまうと考えた彼は、影に負けないように特訓に励むのでした。
　そんな日常を送っていたある日、彼はとうとう借金取りに見つかってしまいました。借金取りは、借金の形として両親から居場所を聞いた、と言うのです。捕まるとヒドイことをされると考えた彼は一目散に逃げました。相手が大人だろうと普段から影とかけっこしてきる自分なら逃げ切れる、と彼は考えました。
　そんな考えとは裏腹に借金取りとの距離はどんどん縮まります。計算外のことに絶望し、足を止めようとしたその時でした。一人のリカントが颯爽と現れ、彼を救い出したのです。
　それ以来、彼はリカントのことを『アニキ』と呼んで一緒に過ごしていきました。ずっと側にいて離れない、そう、まるで影のように。

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