スカジは傭兵となるべくして育てられた。とにかく生存することを教えられ、感情という感情を捨て去っていたといってもいい。ただ目の前のことをこなす｜ルーンフォーク《人形》といっても違和感がなかった。そんなある日だった、あの人と出会うのは。その人は偶然行き先が同じであり道中はは危険を伴うという場所だった。傭兵とはいえ一人で行くのは無謀と思い不本意ではあったが彼女とともに目的地に向かうことになった。最初は相手のことがわからず困惑していたものの危険を乗り越えていく過程で次第に打ち解けてきた。周りにこういう人がいなかったというのもあり、彼女いると楽しいという言葉が自然に出てくるほどその日々は明るく、スカジにはかなり新鮮な体験になっただろう。ある日、二人で焚火を挟んで温もりを感じていた時、彼女にこう言われた。

「スカジは一度が笑うとこ、一度も見たことないなぁ...。
スカジは絶対笑った方がいいよ！」

そう言われて改めて自身の胸に問いかけた。確かに自分は楽しいとは思っても顔には出ない。なぜだろうとは思ってもうまくは言い表せなかった。どうしたら自然に笑みが出てくるんだろう。そう考えていた時ふと、思いついたのである。
（この人といれば分かるかもしれない）と。かくしてスカジは冒険者となりこの人と同じ道を選んだ。
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今日は冒険者での初めての依頼だったわ。あの子はいなかったけど...でもなかなか新鮮な感じがしてよかったわ。まだあのことはよく分らないけれどこの調子でいけばあるいは....