・国王にあったことがある
・高レベルの魔法をかけられたことがある

本名はミスティ=ベル=サラスラン
彼女はドーデン地方にあるサラスラン家に生まれた。サラスラン家は剣術で名を馳せている家系である。武術大会で結果を残し、王室に謁見を許されるために幼少期から剣術の指南がある。レベルの高い合格点を超える家系、オールウェイズ輩出してくれる。
アルフレイム大陸のはるか南西にあるとされているテラスティア大陸から伝わる剣術「ファイラステン古流ヴィンド派(双剣の型)」を継いできている。
両手に武器を持ち防御を切り捨て、さまざまな剣技を適切に使うことで最大限の力を発揮すると言われている剣技であり、先手後手ともにとにかく敵を制圧することを第一義に考えられている流派である。

そんな剣の名家に生まれ落ちた彼女だが、その扱いはぞんざいなものであった。というのも、サラスラン家では女は忌み子と考えられており、女であるミスティはその家の子供としては扱ってはもらえなかった。メイド見習いとして家事や雑用を押し付けられ、何か間違いや失敗をすればすぐに先輩メイド達に軽い魔法をかけられるといった幼少期を過ごす。それだけにとどまらす、「稽古」と称し模擬刀を渡され上兄弟にボコボコにされることもよくあった。彼女はそれらに抵抗してはならなかった。出来ることはできるだけ傷を減らすために相手をよく見て、致命傷をかわす事。それが彼女にできる精一杯の自衛であった。

そんな彼女にも気をかけてくれる人間がいた。ミスティの教育係として役付けされたメイドである。名前はリコ=ベル=サラスラン。彼女の姉に当たる人物であった。彼女と同じ境遇を味わった者として、彼女はミスティにとても気をかけてくれた。そんな彼女にミスティも信頼を寄せていた。

ミスティが13になった時、リコは彼女に妖精使いの宝石を与えた。それは彼女が大切にしていたものであったが、それゆえにミスティの方が適性が高いことも分かっていた。(それは彼女の新しい道を示したかったが故の、愚かな選択でもあったといえるが。)
その日から彼女たちは隠れて魔法の練習に明け暮れた。サラスランの家系であること、幼少期から(意地汚い形ではあるが)剣術の模倣をしてきたことも相まって、その腕は見事に開花を果たす。噂は王室にまで及び、国王の謁見までも果たし、王室の護衛などの仕事が与えられるとのことが言い渡された。もうメイドとして働く必要はなく、周りのメイドたちもちょっかいをかけてくる事は無くなる事を大いに喜んだ。

しかしそれで困るのはサラスラン本家である。今までの不当な扱いを耳にされれば懲戒を言い渡され、家系で築いてきた地位が崩れかねない。目の上のタンコブとなってしまったミスティの存在をどうにかするべく、彼女に3年間の留学を申請する事にした。場所はドーデンから南に位置するベルライト地方、ユーシズ魔導公国「七色のマナ」。
表向きには王室で働くために知識をつけ、素質を伸ばす。しかし、裏では3年間の間に今までの彼女への仕打ちを全て揉み消し、悟られないようにすること。
そして彼らの魔の手は、ミスティ本人ではなく、彼女の唯一のそば付きに伸ばされる事になるのはまた別の話。

かくして、3年間の留学を経ていざ故郷に帰ろうとした道すがら、何やら道端に人が倒れているではないか。ツンツンしても目を覚さない。何やら細い声で「魔力をぉ…」と言ってくる。少し不気味に思いながらも、その口元に手を伸ばすとｶﾌﾟと噛まれ(比喩表現)、魔力を吸われていく。魔力を吸って元気になったのか、徐に立ち上がるとお礼を言ってくる。いろんな種族もいるもんだなとその場をさろうとすると後ろから等間隔で足音が聞こえてくる。少し早歩きをしても、急にペースを落としても先ほどの男性がピッタリをついてくるではないか。定期的に魔力を他人からもらわないと死んでしまうらしい。代わりに一緒に冒険を手伝ってくれるという。困ったものだがほっといて死なれては目覚めが悪いので、彼との同行を許可した。どうやら大変な野良吸血鬼を拾ってしまったらしい。

また別の日、ガイストと一緒に街を歩いていると、緑の長髪の男に言い寄られた。面倒臭かったので無視して歩き続けたが、ずっと後ろをついてくる。ついてくるだけでなく、一回でいいから。デートだけだからとずっと言い寄ってくる。あまりにもしつこいので、姉を紹介するから勘弁してくれと言ったら、結局ついてくる事になった。また、面倒な人を連れてしまったらしい。
その後石の女を発掘したり、狼の女に50000G騙されて今に至る。