ウィラード・ジャスパー。ドーデン地方の小国にて、野伏の一団の一員として生を受けた。
その後は各地を転々としつつ、戦いの指南やレンジャーとしての指導を厳しくも優しく受けながら、少年時代を過ごした。
戦いにおいては、武器で相手を傷つけることをどこか厭う彼であったが、盾での戦い方を教わってからは、めきめきと上達していった。
同時期に生まれた団員とは幼い頃より仲が良く、その中でも「ロミナ」という少女とはとても親しく、本人らも、そして周囲らもいずれ彼らが成年した暁には、結ばれるに違いないと思っていた。

……ロミナは病弱だった。そして彼らがある冬に訪れた村では、病が流行していた。
ロミナはその病に罹ってしまった。ようやく訪れた神官が、彼女に治療を施した。だが、既に彼女の体力は限界だった。
彼女の手をそっと取り、ただ神に祈る。陽が落ち、夜が更け、そして再び陽が昇った時。……彼女は最早、そこにはいなかった。

その日より、彼は医学を学ぶようになった。神の声が聞こえないのであれば、人の手で人を救う術を求めた。
そんな彼の様子を見ていた友人らは、この団に彼を留めていてはきっと彼の目指す道の妨げになると、そう考えていた。
そして成年を迎えた彼に、彼らは告げる。「君は冒険者として、行きたい道を行けばいい」と。
彼は、一日悩んだ。一日考えた。……そして三日目に、彼らの勧めを受け入れた。四日目には、団総出での送別会。

冒険者になってからの彼は、団での戦いの心得、レンジャーとしての心得を胸に、各所のギルドで仕事をこなしていた。
ある時は洞穴にて蛮族と戦い。ある時は森の奥に迷い込んだ少年を助け。またある時は、飛空船にて要人の護衛を務めた。
並行して彼は医学を学び、今や病理や医薬品に精通している。最近は外科医の訓練を行っているが、縫合がおぼつかない模様。
医師としての活動は時折奇異の目を向けられるも、治療の甲斐あって快復した患者の笑顔に、いつも彼は救われている。

初対面の相手は、まず「何か患っていないだろうか」と観察する。
二回目からは観察もそこそこに、「以前から体調にお変わりないか」と切り出す。
穢れは当然ながら死に近いものとして遠ざけるが、患者であれば穢れを持つ者であろうと平等に扱う。
信仰については、神が応えてくれなかった日と失った彼女を思うことはあれど、「知恵を貸してくださる」存在としてそこそこに留めている。

一時期は健康グッズにハマっていたようで、会う人会う人に勧めてはげんなりされていたようで、ようやっと「これは間違っているのではないか」と気付いたときには8年は経っていた、というのは本人の言。

彼がランクスに訪れた時、表面上は平然としていたが、内心『この国にも長居できないな』と思っていた。
彼が各地を転々としているのは、彼が理想とするロミナとの住み家を探すためでもあった。
穢れを厭うランクスに居を構えられるはずがなかった。だから彼は、依頼が終わればまた次の場所を目指すつもりだった。
しかし、カイルスの使徒との戦いを通じ、別の場所を探すのでなく、この場所を住みよい場所にする、という方法を知る。
きっと彼も今では、すべてが終わってロミナと再会したら、ここに彼女と住むのも悪くない、と思っているかもしれない。

ランクスでの一連の騒動の中で、彼は戦士としてのみならず、医師としても成長した。
キーシャル領における戦線においては、人々を救う順番、いわゆるトリアージを主導することとなった。
……それは彼の矜持と信条に反するものではあった。けれど、飲み込んで、乗り越えて。二度と繰り返さないために、と強く奥歯を噛み締めた。
一万の屍を乗り越えた先に、誰も傷つかない、誰も苦しまない世界を作り上げて見せる。だから今日も彼は振り返り、乗り越えた彼らの躯に、頭を下げる。

食に対して貪欲な一面が垣間見えるのは、幼少期の訓練に際して目標を達成できず、頻繁に食事を抜きにされていたからであろうか。
あるいは、ロミナの悪食気質に影響された可能性も考えられる。もしくは、ただ単に、美味しいものが好きなだけかもしれない。
いずれにしても、ロミナの一件がなければ、きっと彼は医師など目指さず、料理人の道を窮めようとしていたかもしれない。

（録音開始）
『活動費が潤沢に得られたこともあり、本年度もゴゲルブルグの冒険者たちにインタビューを多く行うことができました。
今年度最後の取材は、ゴゲルブルグを訪れていたレンジャーギルドの一団【堅き貴石】に属する冒険者のうち、数名に実施いたします。
ギルドの規模は現在二百八十人ほどで、ほぼ全員がリルドラケン。主に育成を重きに置いており、別の著名なギルドに所属したり、独立してギルドを立ち上げる元団員もいるとのことです。
それでは皆様、よろしくお願いいたします。どんなことでも話していただいて構いませんので。まずは貴方から。お名前と年齢をどうぞ』

「ハミルトン・ハイアシンス、87歳だ。そうだな、それじゃあ、昔語りを。私は昔から若い子の育成を専らやっているけれど、その中でも特別だったのは、『ウィル』と『ロミナ』だったな。どちらも二回り下の子だった。
ロミナは戦いに関してはとてもセンスが優れていたが、ウィルは戦いを嫌がって、一人で傷つくことが多かった。その度にロミナはウィルの尻を蹴とばしていたものだよ。
それからしばらくして、私が気まぐれに盾による戦闘術をウィルに教え込んだところ、どうも彼にしっくり来たみたいで、めきめき上達していったよ。
ロミナはと言えば、あの子は魔法の使い方が巧いんだ。それに、成熟も早かった。同い年のはずの二人なのに、ロミナの方が大人びて見えたものだよ……ま、もう50年以上前のことだがね」

『ウィルとロミナ、ですか。このお二人について何かご存じのことはございますか？』

「カルヴィン・イルメナイト、70歳。ウィルとロミナ？　ああ、二人とは年が近かったからね。まずロミナは病気には弱かったが怪我には強かったな。しかも若くしてすぐに団員の中で目覚ましい活躍を見せてた。
ウィルは……いつも本をかじっては、薬草やら薬品やらをいじくりまわしていたものだよ。ああでも、それはあの一件の後からか。よほどショックだったんだろうなぁ。
ああ、あの一件ってのは、ロミナがはやり病で倒れたって話で、その時にロミナが……ああ、これ言っちゃいけない話かもだ。聞かなかったことにしてくれよ」

『ウィルとロミナ、このお二人の関係性については、いかがでしょうか？』

「え？　ウィルとロミナ？　うん、すごくお似合いだと思う！　昔ね、ウィルが訓練で泣いてるときに、ロミナが『強くなって、ずっとすごい冒険者になったらロミナと結婚ね』って言ったの。
そしたらその次の日からウィル、メチャクチャ本気出しちゃってさ。ロミナそれ見てメチャメチャ笑ってたのよ。でもまあロミナも嘘はつきたくなかったから、そのつもりだったけど。
ロミナは昔から変わり者って言われたせいか、周りから浮いちゃってたんだけど。でもウィルはいつも普段通りに接してさ。ホントそういうところあったよね、ウィルって。だからロミナも惚れたのかな？
でもロミナはさ、病気に弱くてはやり病で倒れちゃってさ。ウィルったら、死んじゃうんじゃないかってくらい泣いてさ。……ホント、あの顔はもう二度と見たくないよね。
あれからだよ、ウィルが変わったの。とても大人になって、そのままどこかへ飛んで行っちゃった。ずるいよね、ロミナがどう思ってたかとか、考えてないんだろうな。
今、どこで何してるのかな、ウィル？　ロミナとの約束、覚えているといいけど。……ほかに好きな人と出会ったりしたら、ロミナ、悲しむかな……」

『あの、すみませんがお名前と年齢を、』
（10分経過。録音終了）

議事堂での一件を終え、名声を得たウィラード。しかし彼はあの一戦において、窮地に立たされたことを悔やんでいた。
より堅牢であらねばならない。より強固であらねばならない。より頑丈であらねばらない。
――でなければ、この先訪れるであろう窮地においては、二度と命を繋ぐことは叶わないだろう。
かくして彼は、一つの鎧を所望した。それは何よりも堅く、何よりも頑なな、『至上権』の名を冠する鎧。
自らの一部足らんと欲する彼は、鎧を紺碧に染め上げるよう依頼する。国民は、一層喜んだことだろう。
この国の一部足らんと、彼らは欲した。――その誉れもまた、血煙に燻ることを、知らないかのように。

ロミナ・ジャスパー。野伏の一団において、ウィラードと時を同じくして、卵の殻を破り生を受けた。
彼女は同世代の中でも、『変わり者』とされた。容姿や性格、才覚はさておくとして、一番の違いは持って生まれた穢れ。
病による死は、彼女に更なる穢れを与えた。神官の到着が遅れたのは、彼女が穢れ持ちだったため、後回しにされたから。
彼女の処遇に怒りを燃やした構成員が神官を脅し、蘇生後の彼女から穢れを払わせ、ついでに賠償金を請求したとのこと（そのためこの件については、原則口外禁止とされている）。
彼女自身はその件について、別に元通りになったから問題ないわ、とあっけらかんとしていた。他の構成員も、彼女を少々気の毒には思ったものの、気にしていないなら、と見做した。

――ただ一人、「これ以上彼女を死なせてたまるものか」と、情熱を燃す者を除いて。

「どんな人、ですか。そうですね……ヴィクターのように夢見がちで、オズウェルのように合理的で、ルーのように煌びやかで、マリーのように愛にあふれ、ヴォイドのように信念の強い、そんな人です。……私には、似ている所なんて何ひとつありませんよ。ええ、何一つ、さえ」
彼女に『ウィル』と呼ばれた者はそう口にする。けれど、きっと諦めの悪さについては人一倍、彼女に似ているのかもしれない。

〈聖別者の遺灰〉所持品
とある実験体の残骸。黄金に煌めく灰は、ともすれば貴金属の輝きにも勝る。
PCが判定の出目で6.6を出した最初の一回、自動的に経験点を50点得る。

〈カルメンタの手記〉PTの所持品
とある実験体が遺した手記。
〈キーシャル語〉の会話もしくは読文が必要な時、「冒険者+知力>=キャップ数+11」の判定に成功すれば会話や読解が可能になる（一部制限有）

大久野しぐれ - 今日 1:19
x3 1d+2d+2d+2d+1d+2d #1
(1D6+2D6+2D6+2D6+1D6+2D6) ＞ 6[6]+9[3,6]+6[3,3]+3[1,2]+3[3]+8[3,5] ＞ 35

#2
(1D6+2D6+2D6+2D6+1D6+2D6) ＞ 4[4]+11[5,6]+7[5,2]+7[6,1]+2[2]+3[1,2] ＞ 34

#3
(1D6+2D6+2D6+2D6+1D6+2D6) ＞ 4[4]+11[6,5]+6[2,4]+7[2,5]+5[5]+5[2,3] ＞ 38

→すべて不採用、ポイント割り振りルール使用

大久野しぐれ - 今日 21:00
x3 3d6 #1
(3D6) ＞ 9[1,3,5] ＞ 9

#2
(3D6) ＞ 14[6,6,2] ＞ 14

#3
(3D6) ＞ 17[6,6,5] ＞ 17

→許嫁がいる（いた）、一所に5日以上滞在したことがない、飛空船に乗ったことがある

大久野しぐれ - 今日 21:00
2d6 (2D6) ＞ 9[4,5] ＞ 9

→友達に勧められて

大久野しぐれ - 今日 9:33
ABT 残30 アビスカース表(42) ＞ 「定まらない」　携行時　戦闘中の手番開始時に1dし、出目が「1」なら《ターゲッティング》とそれを前提とした戦闘特技を習得していないものとして扱う。

大久野しぐれ - 今日 2:33
ABT 残45 アビスカース表(21) ＞ 「重い」　装備時　強化した武具の必要筋力が+2される。威力、防護点などは変化なし。

概要：ダメージを与えた場合、1ラウンドの間、防護点+「与えたダメージ/10（端数切り上げ）」
効果：自身の手番中にこの強化を行った武具による攻撃でダメージを与えた場合、10秒（1ラウンド）の間、自身の防護点が+「与えたダメージ/10（端数切り上げ）」（※最大5点まで）されます。この効果は重複せず、ダメージを与えるたびに、そのダメージを基準として効果を受けるかどうかを選択します。

概要：精神抵抗時、精神力+2
効果：この強化を行った武具を装備している者は、精神抵抗力判定を行う際、自身の精神力を+2した値を用いて精神力ボーナスを算出することができます。

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【一般技能リビルド】
【PC名】ウィラード・ジャスパー
【PL名】大久野しぐれ

【リビルド前一般技能】
医者(7+1(報酬))
兵士(5)
外科医(1)
通訳(0+1(報酬))
　→計:13(+2)

【リビルド後一般技能】
医者(8+2(報酬))
料理人(6+1(報酬))
兵士(5)
外科医(1+2(報酬))
通訳(0)(破棄)
　→計:20(+5)

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医食同源。悪食気質だったこれまでを省みて、健康食を極めようと一念発起しました。
こうして、何となく『美味しそうだな』と見えていたものも、『こう調理すればヘルシーで美味しい』と思えるようになったとのこと。
調理技術を取得した関係で、ついでに外科技術も向上。患部を巧く切れるようになりました。……縫合は、料理に関係ないので……。

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第一章「青き神託」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【11回［総計28回］】
経験点【20000+(ピンゾロ*50)点［総計50000+α点］】
報酬【44000+6263G［下限80000G+報酬］】
名誉点【350点［総計700点］】
アビスシャード【5個［総計12個］】
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：9→解放】
　　【青き神託を授かり、青き御旗を掲げ、君たちは天秤の均衡を傾ける】

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第二章「不完全なる器」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【6回［総計34回］】
経験点【15000+(ピンゾロ*50)点［総計65000+α点］】
報酬【40000+11003G［下限120000G+報酬］】
名誉点200点［総計900点］】
アビスシャード【3個［総計15個］】
オリジナルアイテム①【聖別者の遺灰】所持品：とある実験体の残骸。黄金に煌めく灰は、ともすれば貴金属の輝きにも勝る。PCが出目で6.6を出した最初の一回、自動的に経験点を+50点得る。
オリジナルアイテム②【カルメンタの手記】所持不要：とある実験体が遺した手記。〈キーシャル語〉の会話もしくは読文が必要な時、「冒険者＋知力>キャップ数+10」の判定に成功すれば会話や読解が可能になる（一部制限有）
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：10→解放】
　　【灰は何も語らず───死者が遺した想いだけが、今を生きる者に受け継がれていく】

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第三章「崩れゆく均衡」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【10回［総計44回］】
経験点【20000+(ピンゾロ*50)点［総計85000+α点］】
報酬【40000+12822G［下限160000G+報酬］】
名誉点【400点［総計1300点］】
アビスシャード【6個［総計21個］】
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：11→解放】
　　【空の天秤は揺らぐ───過去の代償を物語る、雄弁なる沈黙で】

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第四章「視先」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【21回［総計65回］】
経験点【50000+(ピンゾロ*50)点［総計135000+α点］】
報酬【110000+21455G［下限270000G+報酬］】
名誉点【900点［総計2200点］】
アビスシャード【18個［総計39個］】
金鱗【3個】
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：13→解放】
　　【“真実”を手繰るための“秤”は、ここに】

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第五章「影の中で」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【12回［総計77回］】
経験点【30000+(ピンゾロ*50)点［総計165000+α点］】
報酬【80000+26335G［下限350000G+報酬］】
名誉600点［総計2800点］】
アビスシャード【9個［総計48個］】
金麟【2枚】
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：14→解放】
　　【影を抜けた先に待つのは──偽りの繁栄を浄化する、粛正の光】

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■【無天のアストレア】秤の国ランクス～第六章「誰が為の正義」リザルト

参加者【ウィラード・ジャスパー、ヴォイド・シーカー、オズウェル・バーレイ、マリー、ルー・ド・エルファレス、ヴィクター・ファルバウティ(GMPC)】
成長【13回［総計90回］】
経験点【35000+(ピンゾロ*50)点［総計200000+α点］】
報酬【100000+25366G［下限450000G+報酬］】
名誉【700点［総計3500点］】
アビスシャード【9個［総計57個］】
金鱗【2枚】
備考【※全額補填】【次章レベルキャップ：15A→解放】
　　【英雄は去り、新たな秤が目覚め、神は無天を抱いて眠る】

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