【流派の概要】

　かつてアルフレイム大陸北部に存在したナルザラント公国で発祥した戦闘術。
　盾を扱うことを前提に考えられており、相手の攻撃を盾に柔軟に受け流しながら、体勢の崩れたところで強烈な一撃を叩き込む戦術を得意とする。

【フレックスグリップ強化が必要】

　流派《ストップ＆スタッガー》を使用するには、流派独自の強化「フレックスグリップ強化」が施された盾が必要だ。この強化は、流派の柔軟な盾応用法を行うために盾に加工を施すものだ。
　この強化が施された盾は、必要筋力が「＋１」点される。

△《ストップ＆スタッガー》

　独自宣言型。
　宣言すると続く１ラウンドの間に、習得者への近接攻撃が命中した時、その適用ダメージが習得者の生命抵抗力未満ならば、攻撃者に回避判定ー１のペナルティ修正を与える。適用ダメージが「０」ならば、攻撃者の回避判定へのペナルティ修正を「ー２」する。
　この秘伝は習得者に近接攻撃を命中させた対象の、最初の攻撃時のみ発揮される。

《プランドリポスト》

　常時型。
　《ストップ＆スタッガー》によって回避判定にペナルティ修正を受けた相手に、習得者の近接攻撃が命中した場合、その適用ダメージを自動的に「＋４」する。この効果は、習得者の最初の１回のみ適用される。

［蛮族の身体］

　能力値の知力が「＋３」点される。
　「弱点:水・氷属性ダメージ」が追加される。敵が「知力:人間並み」以上ならば、戦闘準備段階で自身の「冒険者レベル＋知力ボーナス」と、敵１体の「魔力、もしくはセージ技能レベル＋知力ボーナス」を基準値に「弱点隠蔽判定」を行い、失敗で弱点が適用される。

［石化の視線］

　１ラウンドに１回、補助動作で「射程／形状:２（３０ｍ）／起点指定」の対象１体を睨みつけ、使用者の「冒険者レベル＋知力ボーナス」と対象の「精神抵抗力」で達成値を比べ合い、石化進行（器用度or敏捷度ー６）の効果を与える。
　この効果は呪い属性で「抵抗:消滅」として扱う。
　また、使用にＭＰを５点消費する。

［毒の血液］

　近接攻撃によって物理ダメージを与えられると、攻撃者に「１ｄ＋２」の毒属性の魔法ダメージを与える。
　この効果は、ダメージが適用された直後に発揮する。

【容姿】

　身長:175cm、体重:68kg。
　大体は人間に似た容姿だが、片目は石化の視線により輝いている。
　一見すると冒険者のような風貌で、革鎧を纏わせ片手に剣を持ちながら、さらに背中には大盾を装備している。一般人から見てれば、その武装は威圧的に見えるだろうが、仕事道具なのだから仕方ない。

【性格】

　蛮族であるか、弱者であるかという価値観で他者を見る。蛮族であるなら討伐するか、もしくは支配下に置こうとする。弱者であるなら救おうとする。
　できるだけ不愛想に接して会話する。どうにも気持ちが落ち着かない時は、会話が少なくなる。

【信条：反逆（肯定）／支配（否定）】

　劣等種としての定めに反逆し、劣勢から脱する者達を肯定する。
　優良種からの支配を否定する。

【矜持／執着：弱者を見捨てない／敵に背を向けない】

　決してかつての自分の行いへの罪を忘れず、そのために圧倒的な支配に怯えている者はできるだけ多く助け出したい。
　もし敵であるならば容赦は要らない。出来る限りの暴虐と屈辱を以てして復讐を果たす。

　生まれた環境：加虐の対象
　幼少期の経験：訓練の標的だった
　少年期の経験：街では暮らせなかった
　ハプニング：ある事件の原因／首謀者
　冒険に出た理由：家族・仲間の仇を討つため

【経歴】

　蛮族のバジリスクの群れの元に産まれたが、蛮族が生来持つはずの穢れが普通と比べて少なかったため、能力の劣った劣等種として育てられた。自我が形成される前から加虐の対象として扱われ、優良種の機嫌や匙加減で簡単に傷つけられる環境にあったため、劣等種が生き残るには優良種の命令に従い、自身が傷付くことすら厭わない隷従の意志が必要だった。特にその隷従の意志が、価値として認められたのは群れで人族の村を襲う時に、穢れの少なさを利用して密偵として人の中に紛れ込めることだった。密偵として様々な市町村への襲撃を内側から手引きして、群れへ貢献し続けた。

　ある襲撃の前夜、いつも通り密偵の役割を果たすべく街の構造や、神殿の有無、冒険者ギルドの位置を確認して地図に起こしていた時のこと。街の遺跡ギルドにその所業が明るみになってしまい、結果として牢獄に投じられてしまった。そして蛮族の襲撃を失敗させてしまったことで、人族と蛮族の両陣から嫌われるようになる。

　牢獄で心の助けとなったのは、同じ牢屋に封じられていた異種の親から生まれたウィークリングだった。彼女はタンノズから生まれたが、体が脆弱だったため蛮族に虐待されていた。結局は人族に助けられたが、身寄りのない不自由な生活から窃盗や犯罪を行うようになり、そしてこの牢屋に捕まってしまった。二人は似たような境遇の出自であったために直ぐに意気投合し、一生の親友となった。いつしか彼女は家族とも言えるような仲でなり、互いに語らうひと時の時間が、互いの唯一の気休めになっていた。

　しかし、劣等種が生き残るには優良種を上回り、勝ち続けなければならない。彼女は牢獄の中で優秀だったが、軽い泥棒のような罪でも保護者が現れなかったため、処刑することに決まってしまった。その処刑は、自分が行った。劣等種は優良種に勝ち続け、その価値を示さねばならない。だから彼女を殺し、蛮族に与する存在を殺せる力を人族に証明する必要があったため、彼女の処刑を成し、自分の能力を知らしめたのだ。

　人族は彼女への処刑を見て、この自分の存在に価値を見出した。牢獄での処刑を無期懲役とする代わりに、冒険者として仕事をこなす契約を自分と人族は交わした。仕事を行い成果を出せば、劣等種はまだ生きることができる。必死に冒険者として働くうちにいつしか自分は、蛮族を殺す蛮族、禁忌を侵す者として“同種殺し”と呼ばれ、蛮族から恐れられるようになっていた。蛮族を殲滅するのに耐え抜く能力や、生き抜く能力は悪くなかった。牢屋で囚人から学んだ魔神を利用する術も蛮族には有効だ。このまま更に蛮族や自分を害する存在を淘汰し、劣等種としてではなく、牢屋で出会った彼女の家族として生きられる日々を目指している。

【名前の決定】

本名:ゴ
　バジリスクによって名付けられた。
「エサ」という意味であり、それ以上の価値を見出されなかった。

偽名:ライン・イーヴストン
　自分で名付けた。
　できるだけ人間らしく自分の穢れを隠せるように、“始祖神”ライフォスの御名を借りて「ライン」
　人々を魔神から守る“奈落の盾神”イーヴから頂いて「イーヴストン」
　それぞれに意味は特にないが、人族の信仰を真似て神を信じてみることにした。

【二つ名の由来】

二つ名:同種殺し
　この二つ名は、人族ではなく蛮族から呼ばれている呼び名だ。
　人族の間では、自分は特に知られている存在ではないが、一部の者達はラインが蛮族であるということを知っているだろう。

　召異魔法にて魔神の召喚を行うためには、小魔を介して魔神と契約を成さなければならない。その小魔は、常に魔神側の味方であり、召異魔術者、自分の身を媒介に魔神の召喚を果たすべく考えている。そのため、小魔はある程度の会話能力と、人を騙すための無害だと示す外見を有する。

【会話と性格】

　常に微かに笑いながら会話する。
　自分と小魔は対等の存在であり、古くからの友人であったと主張するが、誑かすための嘘である。

【外見の特徴】

　小さな人間の子供が、角と翼を持ち飛行するような外見。
　一見して魔神だと分かるような黒色の肌をしている。