容姿・経歴・その他メモ

本名　ナックル・ナイサー　Knuckle Neisser

好き：酒、煙草、賭博、格闘
苦手：甘いもの、貧困、蛮族、魔物

─経歴─

蛮族の手にかけられ、両親を早くから亡くしたナックルは幼い頃からよく盗みを働いていた。
彼には弟のウィズダムがおり、また互いが信頼しあう兄弟であった。
ナックルは腕が立ち、ウィズダムは頭が切れた。貧しくも力強く生きる日々が続いた。

ある夜、ウィズダムが言った。
「盗みをやめて冒険者になろう。僕たちも真っ当に生きよう」

ナックルは頷かなかった。
目の前で両親が殺される様を見た彼は、広い世界で化け物達と対峙する勇気が持てなかったからだ。

次の日、その日分の食糧を盗りに街に出掛けたナックルは、初めてウィズダムを連れて行かなかった。
「アイツの頭なら学者にでもなんでもなれる、真っ当な仕事に就ける」

自分の手だけ汚れればいい。自分一人で生きれば、アイツだけは幸せになれる。そういった思いだった。

食糧を持って帰路に就いたナックルの目に映ったのは、血塗れになったウィズダムの姿だった。
散々盗みを働いてきた報復だ。腕の立つナックルがいない時をウィズダムは狙われた。

真っ当に生きよう。悪い行いを清算しよう。兄さんは強いんだから。それが虫の息となっていた最愛の弟の最期の言葉だった。

だがナックルはウィズダムを失い、更に荒れくれた。
酒をあおり、喧嘩に明け暮れ、無気力に生きていた。

そうして時が経ち、いつものように酒に溺れ酔い覚ましに街の外を歩いていると、蛮族に襲われた。
一体、二体と殴り倒すものの数も多く、既に多くの傷を負い絶体絶命の時、とある冒険者が通りがかりナックルを助けた。
彼は周りに転がる蛮族に目を見やると、ほう、と感嘆の息をつき言った。

「そんなに腕が立つなら、冒険者として生きてみたらどうだ」

生死の狭間に立つナックルの中で、あの時にウィズダムが遺した言葉が蘇り、胸を打った。
止まっていた時が動き出したような気がした。
それからの決心は早かった。

酒をやめ……てはいないが、冒険の支度を終えたナックルの顔はすっきりしていた。

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