彼女は亡き父と同じ道、暗殺者としてこの地に降り立った。父の仇を打つため、影に生きた過去を隠し、光のもとに立ち上がった。父とは最低限の会話しかしなかったものの、臆病で完璧で正確な生き方は彼女に受け継がれている。
その父は彼女に暗殺の手段として酒になれされるようにしていたが、本人はどこ吹く風と言わんばかりにハマってしまったため、頭を抱えていたらしい。


それはあくまで今の父との話。故郷は疫病に侵され、彼女もまた病に襲われていた。両親も死に、次は自分が……。そう思った時に現れたのは、高レベルの魔術師だった。彼は次々と村人の病を治療していく。彼女もまた、病から救われた。そして、こう思った。「なぜ、両親が死ぬ前に来なかったのか。生きる力もない子供(じぶん)が生きねばならないのか」そう文句を言おうとした瞬間、軽い破裂音と共に魔術師は倒れた。頭から血を流し動かないそれを、亡骸を見て村は阿鼻叫喚だ。ただ、彼女だけは違うものを見据えていた。微かに光った反射光。そこに向かって一気に距離を詰めると、逃げ遅れたであろう惨劇を引き起こしたタビットの男を捕らえた。男のわずかな動揺と躊躇いに合わせて飛び込むと、彼女はとある交渉をした。「私を育てて欲しい。そうしてくれたら、あなたのことは誰にも言わない」恩人(かたき)を殺した仇(おんじん)である彼と共に彼女は姿を消した。
レザーコートは父親、ヌバックの靴は母親、愛銃は義父の形見

家族や恋人、故郷そのものを、“暗き底の主”と呼ばれるテラービーストによって失っています。以来、奴を討伐すべく探し続けています。
目的：“暗き底の主”を討ち滅ぼすこと。
特別ルール：テラービーストの特殊能力「おぞましい姿」に対する精神抵抗力判定に+2のボーナス修正を得ます。