容姿・経歴・その他メモ

いかにも麗しの令嬢、といった風貌の少女。
穏やかで献身的な性格だが、どこか芯の通った強い心を感じさせる二面性を持つ。


彼女の家系はいわゆる没落貴族の一門だった。
かつてはそれなりに有力な家柄だったようだが、その末裔にあたる彼女の両親の代には見る影も無くなっていた。
その隙を突き、彼らの下にいた者たちの強襲ーーー権力や財を求める者の欲望、無意識に虐げていた者たちの復讐、貴族であるという立場を邪魔に思った者の嫉妬ーーーを受け、家族の平穏は一夜にして消え失せた。

家族を目の前で失くし、心身の自由を奪われ、当たり前だった“上級な”日常を虐げられた彼女がとった行動はなんだっただろうか。
怒りか？慟哭か？それとも絶望か？
否。彼女は確かに怒り、涙し、放心こそしたが、決して生来の優しさと穏やかさを忘れなかった。その高潔さが欠ける事はなかった。

彼女は研鑽と鍛錬を続けた。惨めな気持ちをかき消すためではなく、ひたすら前向きに、自らを成長させるために。
知恵を磨き、技術を学び、人の輪を広げ、彼女は人として成熟していった。
そして彼女は、復讐を果たした。
かつて革命と称し自らの存在を疎んだ者たちを退け、知略を以て無力化し、両親の家と地位を手中に収めた。
しかし、彼女は驕る事なく平穏を望んだ。彼女が自ら進んで復讐劇に身を投じたのは、かつての栄華を取り戻すためではなく、父母の無念を晴らすためだったのだから。

命を懸けた戦いは終わり、彼女は心身共に自由の身となった。
人々は彼女の孤独で壮絶な努力を知らない。ただ、一代で財を成した超新星、「流星の姫君」だと讃えたと言う。
今も彼女は貴族として暮らしながら、修練時代に親しんだ者たちとも交流を続けている。彼女の本質的な優しさの現れだろう。
どこまでも慈愛に満ちて献身的な彼女は、今でも困っている人を全力で助け出す気質を無くしてはいない。
平民から上流まで多くの人々に手を差し伸べる少女を見た人々は、年こそ若いが将来は名領主になるだろうと噂するのだ。

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