0年○○月○○日
魔王が討伐されたようだ。ったく、ユージスの老人どもが...私をこんなところに閉じ込めるなんて魔動機だけを作成させるなんて愚行をよくもしてくれたな...モルモットが蛮族だけでは検証が十分ではない。囚人を配給するとは聞いているが...それではまだ足りない。幸いにもこの場所には研究員が大勢いる。私なら簡単にやつらを洗脳をできる。そいつらを使って被験者を秘密裏に確保しよう...

---年○○月○○日
持病の病気の進行が始まりだした。この世界に来てから結核が治っていたと思っていたのだが、進行が止まっていただけなのか。私はまだ、死を解明できていない。ここで死ぬわけにはいかないのだ。何か打開策を考えなくてはな...

---年○○月○○日
職員をひとり完全に懐柔することに成功した。彼を使って被験者を確保するように指示するとしよう。

---年○○月○○日
私は世紀の大発見を達成したぞ！数々のモルモットを魔法を駆使して解剖して分かったぞ！『根源』...！生命体の命にはこの『根源』がベースとなっている！この『根源』の上に魂が載っているのだ！この生物の『ルール』を利用してやれば...作れるかもしれない...！

---年○○月○○日
結核の症状が悪化してきている。最近咳をしたときに吐血する頻度がひどくなっている。魔王が誕生したと噂は聞いているが...どうやら病気の進行は止まってくれないようだな。この世界の魔法は元の世界の病気は直せないことはわかっている。あまり悠長に実験している暇はないかもしれんな。助手となった彼も特効薬を見つけようとしてくれているが...あまり期待できないだろうな。自分で作る手もあるが...

---年○○月○○日
新たに実験して分かった。『根源』は非常に傷付きやすく、少しでも手元が狂ってしまえば『根源』ごと消滅してしまうらしい。そしてまだ『根源』の摘出手術の成功回数が少ないためエビデンスは確かではないが、どうやら他者の根源に魂を転送することはほぼ不可能に近い。とある親子のモルモットで研究してみたが、例え『根源』が近いものであっても魂の転送は困難を極める。決して成功する確率が「0」ではないが...「0」に限りなく難しいのは確かだ。なるほど...まさしく神の領域であり、生物が踏み入れてはならない禁忌の領域である。そこまで行くのがとても楽しみだ

---年○○月○○日
（ところどころに血がついている）そろそろ限界が近づいてきている...結核の治療は最早叶わない。プランBの実行はできなかった。私は化学者であって科学者ではないからな。特効薬の作成はできなかったのは仕方なかった。私には立派な後継者が居るが、やはり知りたいのだ。私の目で、解明したいのだ。【死】を...

---年○○月○○日
このページを見ている最初の人物が助手君...君であるのなら、あの場所に向かってくれ。私たちの秘密の実験島に...そして今までの実験レポートを保管してくれ。君は本当に優秀で忠実であった。だから、君に『私』を託す。そして『私』の意思を...君に...それでは私は最初で最期の実験を開始する。あとのことは...『君(わたし)』に...任せたぞ。



（最期のページにエルフ語で一文のメッセージが残されている。）
あなたに...この------ルド、文字通り『あなた』に身を捧げましょう。...ノックス先生
何処に逝っても、私はあなたをお慕いしています。