ヴァスモネ(竜焔形態)
- 知能
- 知覚
- 反応
- 穢れ
- 言語
- 生息地
- 知名度/弱点値
- /
- 弱点
- 先制値
- 移動速度
| 攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ― | ― | ― | ― | ― | ― |
特殊能力
なし
解説
ヴァスモーネが竜焔形態へと至るとき、それは「支配の女王」の崩壊ではなく、「契約の焼却処理」が開始されたという警告に他なりません。
彼女の身体は音もなく分解を始め、燃え尽きた契約書の灰が舞い散るなか、かつて契約を交わした者たちの“意志の残響”が、巨大な光の渦となって集束し、複数のエネルギー製ドラゴン──“失効体(デフォルト・ドラゴン)”へと具現化します。
それらはヴァスモーネという人格の分裂体ではなく、「かつて結ばれた契約そのもの」が制御不能のまま顕在化した魔力的災厄であり、もはや命令も制御も受けつけず、“契約に触れた痕跡のある者”を無差別に標的として選別し、焼き尽くすだけの存在と化します。
この状態は、ヴァスモーネ自身にとって「最大の契約違反」に等しく、かつて魔術文明が定めた**“炉核存在に分裂を禁ずる”という大原則──彼女の存在を許した最初の契約条文を、自ら破棄する行為にほかなりません。
そのため、ヴァスモーネがこの姿を取るたびに、彼女の魂の核は徐々に侵食され、「すべての契約が完了したとき、私は消えてよい」という唯一残された自己条文へと、終焉のカウントが刻まれていきます。
これはすなわち、彼女にとって“存在し続ける限り支配者であれ”という根源契約の自殺的履行”**に他ならず、誰よりも律儀に、誰よりも冷酷に、ヴァスモーネ自身が自らを罰する瞬間でもあるのです。
“失効体”たちは、言葉も知性も持たず、ただ契約の残滓をエネルギーに変換しながら、戦場を灼熱で蹂躙していきます。
かつて「信じて結んだ契約」が多ければ多いほど、それらは多彩に、巨大に、そして苛烈に暴れ回り、対象の魔法や武器すら「契約文に違反したか否か」という謎めいた条件で無効化してしまうことがあります。
これにより、戦闘の舞台はもはや力の応酬ではなく、「契約論理と条文構造の瓦解による精神戦」と化し、いかなる英雄も、いかなる信念も、“条項違反の証拠”として焼却される危険に晒されるのです。
竜焔形態とは、世界に契約の重さを問いかける“最終裁定の炎”であり、あらゆる信義なき者が、最後に受け取る「焼き尽くされた約定書」に他なりません。