ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

ケイシー・B・トゥエルヴ - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

猛進の愚者(とめられないバカ)ケイシー・B・トゥエルヴ

プレイヤー:浄化

種族
ルーンフォーク
年齢
3
性別
種族特徴
[暗視][HP変換]
生まれ
戦士
信仰
なし
ランク
グレートソード
穢れ
9
12
5
6
5
10
4
6
3
成長
4
成長
2
成長
3
成長
4
成長
2
成長
2
器用度
19
敏捷度
16
筋力
25
生命力
20
知力
13
精神力
10
増強
0
増強
2
増強
2
増強
0
増強
1
増強
0
器用度
3
敏捷度
3
筋力
4
生命力
3
知力
2
精神力
1
生命抵抗
10
精神抵抗
8
HP
41+15=56
MP
10
冒険者レベル
7

経験点

使用
27,500
残り
160
総計
27,660

技能

ファイター
7
レンジャー
6
エンハンサー
6

戦闘特技

  • 《かいくぐり》
  • 《必殺攻撃Ⅱ》
  • 《武器習熟A/メイス》
  • 《斬り返しⅠ》
  • 《タフネス》
  • 《サバイバビリティ》

練技

  • 【マッスルベアー】
  • 【ガゼルフット】
  • 【チックチック】
  • 【アンチボディ】
  • 【ジャイアントアーム】
  • 【リカバリィ】

判定パッケージ

レンジャー技能レベル6 技巧 9
運動 9
観察 8
魔物知識
0
先制力
0
制限移動
3 m
移動力
18 m
全力移動
54 m

言語

会話読文
交易共通語
魔動機文明語
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
ファイター技能レベル7 27 10 11
《武器習熟A/メイス》 1
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
重い〈オブスタクルバスター〉 1H両 22 +1=11 30 11 12 報酬で買った特注の武器。私の冒険は何にも妨げられないという決意で名付けた。かなり重いけど、それが最高。重ければ重いほど、私は無敵って気がしてくるから。
重い〈オブスタクルバスター〉 2H 22 +1=11 40 11 12 最近、よく武器を両手で持つようになった。硬い奴らが多いんだもん。片手で持つ方が慣れてる気がするけど。
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
ファイター技能レベル7 27 10
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
ハードレザー 13 4 動きやすくて好き。冒険者といえばレザーだよね。
カイトシールド 13 1 1 村長からの貰い物。細かい傷でいっぱい。
ブラックベルト 1 つけると体幹がよくなる気がする黒いベルト。
合計: すべて 11 6
装飾品 専用 効果
〈髪飾り(黄銅製)x2〉,〈髪紐x2〉 横髪をまとめるのに使ってる髪飾りと紐。これがないとボサボサ。
〈通辞のイヤリング〉 これを付けていると、「汎用蛮族語・魔神語・ドレイク語・魔法文明語・エルフ語」が分かるらしい。・・・・説明が長いよ!!!!
〈クマの爪〉 クマの爪をネックレスに加工したもの。練体術を使ったとき、より力が入る気がする。
背中 〈野伏のサーマルマント〉 つけているとどこでも快適に過ごせるマント。すごいおすすめ!
〈ウェポンホルダー〉 盾をしまうための装具。マントの下に隠してる。
右手 〈スマルティエの知性の指輪〉 これをつけると頭がよくなるらしい。私には必要ないから、一度マーメイドに渡したけど、一応買い戻した。一応ね!
左手 〈スマルティエの怪力の腕輪〉 村長に、腕相撲で負けたのが悔しくて買った。練体術も使えるし、次は負けないよ!
〈ブラックベルト〉 黒いベルト。フォーマルな場面でも使えそう。正装、持ってないけど。
〈いいブーツ〉 初めての冒険報酬で買ったいい靴。だいぶ履きなれてきて、少しくたくた。
〈疾風の腕輪〉 足が速くなるらしい腕輪。今度テンくんとでも競争してみるか!
所持金
13,691 G
預金/借金
0 G / 0 G

所持品

▼冒険道具

冒険者セット(背負い袋、水袋、毛布、たいまつ6本、火口箱、ロープ10m、小型ナイフ):冒険者7つ道具。かっこいい。
着替えセット:インナー7着。市場で叩き売られてた。
下着:同上。デザインについてはノーコメント。
食器セット::これがないと料理が食べられない。私は作らないけどね。
ベルトポーチ:近頃女性に人気のアイテム。ポーチの中にはビスケットが沢山。
すり鉢と鍋:救命草を塗り薬にするのに使う。味が最悪だから。でも、しばらく使う予定はない!
魔晶石(5点x4):使う用の魔晶石。ゴマさんから貰った。
消魔の守護石(3点):魔法の威力を少し弱めてくれる石。前ヨブっちが拾ってきたやつの方が綺麗だったな。
頑丈なランタン:頑丈で使いやすいらしい。まあ、既に1つ壊したんだけど。届け出なきゃ、バレないよね……?
月光の魔符1点x3:魔法から身を守ってくれるらしい札。本当に効果あるのかな?
月光の魔符2点:↑のやつより効果が2倍…らしい。値段は3倍。

▼薬類

薬膳クッキーx5:ティミールさんの食堂で売っていたクッキー。薬効もあって、味も悪くない。最高。(救命草と同等の効果)
デルヲンジュースx2:ちょっとクセのある甘いジュース。治癒を促進する効果があるらしい。ポーションに比べれば超美味い。(ヒーリングポーションと同等の効果)
魔香草x5:いい香りがする草。食べるとマナが云々するって聞いた。絶対苦いでしょ、これ!

▼命と同じくらい大事な食料品

保存食(10日分):今回は干し肉多めにした。あげないって。
シードルx4:最高の飲み物!でも冒険中に飲むのはやめておこう。
サンドキア特産チーズx2:濃厚さが特徴のチーズ。おいしい!!
干しイワシ:自家製のイワシの干物。脂がのっていたからか、テラテラしている。私でもこういうのなら作れるらしい。ふん。
星屑キャンディーx2:ティミールさんの所で大腹吉を引いて貰った瓶入りの飴。すごく綺麗。(一応、魔香草と同等の効果がある。冒険中に食べるつもりは無い)

▼だいじなもの

ヘビーメイス:最初に使っていた武器。思い入れがあって、捨てにくい……。
魔晶石(5点):モバルンとの思い出の石。見ていると、しなしなになったモバルンを思い出す。
貝殻のイヤリング:魔域列車でメアリさんからもらったイヤリング。今でもまだ新鮮にうれしい。
謎の手紙:遺跡で目覚めた直後に拾った、ボロッボロの手紙。すっかり存在を忘れてたけど、家を片付けたら出てきた。誰宛てなんだろう?

名誉点
229
ランク
グレートソード

名誉アイテム

点数
冒険者ランク200
頑丈なランタンx20
専用武器50
野伏のサーマルマント0

容姿・経歴・その他メモ

概要

・記憶喪失のルーンフォーク。遺跡の中の謎のカプセルで突然目が覚めた。
今は記憶を忘れたことを気にせず、冒険者として自由に活動している。
・自分の名前と"スワッター"という謎の単語以外の記憶を全て失っているが、大雑把なのか特に気にしていないようだ。

・基本的に自分の名前は「ケイシー」とだけ名乗り、あとの部分は人に言うことはない。これは単純に、続く「B・トゥエルヴ」が本当に名前かどうか確信がないからである。
・身長:173cm
・年齢:3歳(8話時点)。ただ、自覚している年齢はちょうど1歳くらい。

経歴

・目覚めた後、スピル村という小さい村を守ったことにより、村で農作業や自警団などの仕事を手伝いながら暮らす許可をもらう。
・それからは、温かい村の人々との、満ち足りた暮らしを2ヶ月ほど続けた。だが次第に少しずつ自分のことが気になり始め、それを察した村長からの後押しもあり、冒険者デビューを果たす。この時の村での生活で、薬草の扱いや交易共通語を学習した。

・村に居た頃は誰彼構わずスワッターについて聞き回っていたが、何一つ手がかりもない上に、村長からウザいのでやめろと言われ、けっこうヘコんだのでやめた。あまりにも誰も知らないので、正直意味のない単語なのかもと思い始めている。
・やっぱり手がかりはないのでもうスワッターについては忘れかけている。今は冒険とご飯のことで頭がいっぱいらしい。

・冒険者になって半年と少し経った。様々な冒険を通して、レイちゃんを始めとした同期のみんなと仲良くなったり、砂鷲団での依頼を通し陽に当たらない部分も少しずつ学び、冒険者として着実に成長しているようだ。ただ、今まで順調に成功を収めているため、慢心が課題として残る。

その他

性格

・性格は単純かつ活発で、素直。細かくないことも気にしないが、その実パーティの和を重視していて、雰囲気を良くするよう振る舞う。でも基本的に態度が少し上から。
・自分のことをかしこいと思っている。
・以前砂鷲団で一ヵ月過ごした後、砂鷲団の雰囲気が移って、かなり粗野な感じになってしまったことがあった。皆に引かれてしまったのを今でも気にしている。

・嘘はつかない、というよりつけないし、つく意味がないとも思っている。もしやらかしたり、都合の悪いことがあれば、何も言わないようにしているが、いつもすぐバレる。
・話は超盛る。

・基本的に誰とでも仲良くできるが、本人としては女子と仲良くしていると気楽なようだ。理由は本人にもよくわからないらしい。

・依頼等で助けた人に対してカッコつける癖がある。かなり気に入っているようだ。
・ボロボロになった時も虚勢を張る癖がある。そっちの方がかっこいいよね?ということらしい。

・悪人や蛮族に対してはかなり辛辣で強気。そのような手合いに対して、戦闘面で手心を加えることは無い。ただ、なるべく人族は殺さずに、鎮圧の範疇で留めるようにしている。……一応。

・人を妙な略称で呼ぶことが多い。しかも唐突なので大体伝わらない。

身体的特徴

・ボサボサの跳ね髪がチャーミングポイント(本人談)
・両前腕外側と首、左耳上部に硬質化した部位がある。

生活面

・生活力は壊滅的。料理はできない・したくない、掃除も月1するかしないか。村でも家事は誰にも依頼されなかった。

・好きな保存食は干し魚とハードチーズ。料理を含めると肉料理が大好き。
・かなり食い意地が張っている。酒場等で盛り上がっているところに強引に同席して、食事やお酒を貰うのがマイブーム。
・シードル(りんごのスパークリングワイン。度数は2~8%)が大好物。でも1杯で泥酔する。その上酔うと翌朝まで記憶が飛ぶ。迷惑。



・300年と少しの間、冷凍睡眠されていたようだ。

《プロローグ》

詳細

・……ずいぶん永く眠っていた気がする。ここは……随分ほこりっぽい。少しカビ臭いし。それに何故か身体がとても冷えてる。寒い。どうやらこの変なカプセルの中で寝てたみたいだ。なんで……?
・なにも思い出せない。思い出せるのはケイシー・B・トゥエルヴという名前と、“スワッター”という言葉だけ。
・出てすぐに、謎の手紙を見つけた。「許してくれとは言わない。でも、世界を楽しんで欲しい。それだけを私は望んでいる」……なんだこれ?
・その下に、白骨化した遺骸があった。この人の遺言かな。まあ、なんにもわかんないし、気にしても仕方ないか。
・インナーだけしか着てなかったので装備を拝借し、外に出た(メイスとボロいケープ、ベルト、ボロ靴)。借りといてなんだけど、この装備、カビくさいよ。

・しばらく歩くと街道に出た。ある程度歩くと小さい村が見えたので訪ねてみる。おじさんが居たので話を聞いてみた。このおじさん、足が悪そうだけど……
・どうやらこの村はスピル村という小規模な村だということだ。若者が足りてないらしく、子供はいるけど働き手はみんな近くの大きい街に行ってしまうらしい。苦労しているんだね~。
・ただ、一つ気になったのは。すごく変な話し方だった。なんか単語は理解できるけど文法が違うんだよね。まあいいか。
・とりあえず、少し離れた遺跡で目覚めたこと、記憶が無いこと。行く当てがないことを頑張って伝えた。なんか信じて貰えてない気がする。
・一応伝わったようで、それならと村で畑仕事を手伝うことになった。思ったより楽な仕事だ。力持ちだと驚かれた。でしょ???
・作業終了直前になり、獣が二匹村に現れた。間の悪いことに、自警団は殆ど街に訓練に行っているらしい。残った団員は以前の獣の襲撃により負傷しているようだ。とりあえず武器はあるし、私が守るしかなさそうだ。それに何故か、こういうのは初めてじゃない気がするし。
・結果としては、なんとか追い返せた。腕をガッツリ噛まれたけど、硬い部分だったからそこまで痛くはなかったし。ただ、やっぱ私って強いかも。ふん。

・この防衛のおかげである程度村の人々に信用されたみたいだ。空き家を貸してくれるらしい。しかも、対価はお手伝いでいいって。やったあ。とりあえず生きてはいけそうで安心した。
・その後、村長にご馳走してもらえることになった。村長の家にお邪魔すると、さっきのおじさんが居た。びっくり。さっきよりは態度も軟化していて、表情もいくらか柔和だ。
・村長は名を「ウィルフレッド・バース」と言うそうで、ウィル、とか村長とかおじさんとか呼ばれているそうだ。……「バーさん」。そんな呼び名が思いついたけど、これは心の内にしまっておこう。

・そうしておもてなしは始まった。華美な感じは無いけど、気持ちのこもった無骨な料理。ただ、ごはんももちろん美味しかったけど、一緒に出てきたお酒がすごい。シードル?って言うみたいだ。ほんのり甘くてしゅわしゅわ。最高~~~~~~…………
・その後は記憶が無い。朝気付いたら干し草の上。もしかしてこんな感じであのカプセルに入っちゃったのかな?記憶が無い以上、違うと断言できないのがつらいところだ。

・その後は農作業を手伝ったり、自警団の助っ人をやったり、子供と遊んだり。そんな生活を2ヶ月ほど続けた。お金も少し貯まったし(シードルを沢山買わなければもう少し貯まってたんだけど)、楽しいんだけど、そろそろ私の事が知りたくなってきたかも。“スワッター”のことも皆何も知らないみたいだし。
・ただ正直、このことは気にしてても仕方ないかもしれない。直感だけど、本当に誰一人知らない気がするから。
・そんなことを考えていたある朝、村長に呼び出される。前酔って壊した椅子は直したのにな……
・言われたのはそんなことじゃなく、「そろそろ村を出たくなったんじゃないか?」ということだった。出たくなったわけじゃないけど、間違ってもいない。ここはすごくいい人たちばかりだし。自分の役割もちゃんとある。だけど、なんか足りない気もしているのは事実だ。
・そう思った理由を聞くと、自分が何者なのか気になるんだろ?と言われた。なんでもお見通しだ、すごい。俺だったら気になるから、ということだった。それもそうか。
・でも何も手がかりがない。当てもないし。と言うと、冒険者って知ってるか、と言われた。冒険者か……。たまに村で見かけたけど、みんな傷だらけだったな。でも、全員楽しくてたまらないって顔をしてたのが印象に残ってる。とても。
・冒険者の仕事は、大陸を巡りながら様々な依頼を請けたり、蛮族や獣の討伐。そして、手付かずの遺跡の探索。遺跡から目覚めたんなら、その辺りに手がかりもあんだろと村長は言う。…ただ。そういう仕事には危険が付き物だ。切り傷、打撲に挫傷なんかの生傷は絶えないし、骨折や内臓破裂、足や目なんかの欠損、そして死亡。よしんば死ななくても、心が壊れて二度と立ち上がれなくなるかもしれない。そうも忠告される。
・……痛みや欠損が怖くない訳じゃない。この村に来た時だって、噛まれて結構出血したし、肉だって少し抉られた。痛みも無かったわけじゃない。……でも、それ以上に。
・楽しそう。素直にそう思った。自分だってやってみたい。人のために行動するのは嫌いじゃないし。
・そう思ってたのが顔に出てたのか、村長が少し笑った。少し待ってろ、と言い奥に下がる。なんだろう?
・村長が戻ってきた。手になんか持ってる。あれは……盾だ。曰く、腕を盾代わりにすんのはやめろ、危なっかしい。だって。硬いとこで防げるからいいでしょ!まあ貰えるものは貰うけど。でもなんで盾なんか持ってたんだろう……?しかもこの盾、かなり傷だらけだ。
・まあ今生の別れでもないし、また戻ってくると思うから、また今度聞けばいいか。
・皆に挨拶をして、村を出る。皆に応援されて、少し目頭が熱くなった。でも、家にあるシードル勝手に飲まないでね!!

・ある程度歩くと、大きい街が見えた。向かいから歩いてくる商人に聞くと、あの街はハーヴェス王国という名前で、人間の若い王が治めている。冒険者ギルドもあって活気のある国らしい。立派な城壁が近づくにつれ、胸の高鳴りが強まるのを感じる。少しだけ緊張してるけど、何とかなる。少なくとも、私の2ヶ月間の人生ではそうだった。
・城壁を抜けて街に入ると、人の多さに驚いた。こんなに沢山の人見たことない。市場には色とりどりの露店がひしめき合っていて、とても賑わってる。その道沿いには透き通る水が流れる綺麗な水路があり、その上に浮かぶ渡し舟の傍らで、元気に魚が跳ねている。
・……世界って、こんなに鮮やかなんだ。この先にあるはずの、未知なる冒険、知らない世界を空想して心躍った。
・その後、その辺の人を捕まえて冒険者ギルドの場所を聞き出した。何故かみんなそそくさとどっか行っちゃうけど。まあいいか。そんなこんなで、何とか辿り着いた。……人が多くてどっと疲れる。
・登録は意外とすんなり終わった。提携している宿まで教えてくれたし。今日はもうそこで休もう。
・通された宿は、木の枠に干し草が敷かれただけのベッドに、ボロい机があるだけの質素な宿だった。まあ、こういうのは慣れてるから、なんともないけど。
・明日から冒険者としての仕事が始まる。どんなことが待ってるのかな。まあ、何とかなるよ。そう考えてるうちに、眠りに落ちていた。

第1話《欠片喰らい》の冒険

詳細

・ギルドでノリで集めた5人で、初めての冒険に挑んだ。《欠片喰らい》という遺跡で、様々な敵を打ち倒し、5つの依頼を完遂することに成功する。けど、漠然と力不足を感じた。なんとかしなきゃ。そんなことや、ルイーズちゃんとした約束なんかを考えながら一度、スピル村へ帰ることにした。土産話だって沢山あるしね。いろいろ話した後、村長から練体術を伝授してもらうことになった。……一か月かかるみたいだけど。しかも私の性質的に単純な強化系の練体術しか教えてもらえないみたい。なんかバカにされてる気がする。

第2話《昇る凶星、堕ちる新星》

詳細

・細々した依頼をこなすために私、レイちゃん、テンくんの3人で訪れた、空の上にある大都市サンドキア。この街で、逆彗星に衝突してしまった飛行船の乗組員の捜索依頼が舞い込む。道中は新鮮な景色にピクニック気分だったけど、雲に隠れた浮遊岩に到着して状況は一変した。
・蛮族だらけのその島で、息を潜めていた捜索対象のアドちゃんを発見する。彼女曰く、大きい鳥頭の蛮族が、失われた秘宝「マグネタイトアンカー」を使って、今私たちが居る浮遊岩をサンドキアに衝突させようとしているらしい。実際、ゆっくりだけど確かにこの島、動いてる……!
・足を骨折しているアドちゃんを一旦残し、水たまりのある島に行き、干からびていたモバルンの力を借りて、全員で再度上陸することにした。その後はかなり激しい戦闘になったけど、3人で協力して殲滅することに成功する。サンドキア、救っちゃった。秘宝も奪還したし、やっぱスゴイかも。私。
・モバルンに乗りサンドキアへ凱旋し、報告を行う。皆から感謝され、この街ではかなり認められたと思う。嬉しい、負った傷の痛みも忘れるくらい。モバルンとお別れして、そろそろハーヴェスに帰ることにする。また来るから!
・この後、サンドキアとハーヴェスのギルド支部が協議して、私の冒険者としてのランクが決まることを聞いた。ウキウキで待ってたけど、ハーヴェスには認められなかったらしく、レイピア級になった。なんで???
・理由としては、ランタンのことと、ハーヴェスでの私の様子からは想像できない活躍だから、らしい。ただの怪力下戸バカだと思われているぞ、とギルドの人に面と向かって言われた。泣きそう。バカじゃないし……!
・なにかもう1個事件か依頼を解決したら認められるかも、とのことだった。早く次の冒険したい!

第3話《大樹が穢されゆく前に》

詳細

・ハーヴェスのギルド支部に蔓延る悪評を消し去るために、傷が治って早々に次の依頼を探していると、一人の少年が受付にいるのが見えた。何かの依頼を受けるようなので、とりあえず話に混ざる。
・彼はクィル・アゴラス…………なんとか、って名前の冒険者で、以前は護衛をメインにしていたけど、今は蛮族の討伐等といった依頼を主に受けているとのこと。今はまさにアザレアちゃんという女の子の護衛を受けるところだったみたい。ルート的にも襲われる心配もあまりない、比較的安全な仕事だから1人で受けるつもりだと教えてくれた。1人で受けるのは危ないと思う、どんな事態になるか分からないから。村長にも依頼は一人では受けるなとしつこく言われてたっけ。
・おもむろに私も行くと言うと、何度かの問答の末に了承を得ることが出来た。かなり渋々な感じがしたけど。なんでだろう?
・護衛対象のアザレアちゃんは誠実そうなエルフの神官で、グラージュ村というところまで護衛して欲しいとのことだった。グラージュ村は森深くにあり、巨大な樹を村として利用しているらしい。村の中で生活が完結している、ひっそりとした、だが豊かな村だとアザレアちゃんは言う。早く私も見てみたいかも。
・私の心配とは裏腹に、数日の旅路を経て護衛はつつがなく終了した。今日はそのまま村の神殿の一室に泊めてくれるらしい。アザレアちゃんに通された部屋のベッドはふかふかで、最高そのものだった。道中でクィルンもだいぶ打ち解けてくれた感じがするし、いい依頼だったな。そんなことを考えていると、いつの間にか眠りに落ちていた。

・そんな夜中、にわかに外が騒がしくなり始めて目が覚める。人の叫び声なんかも聞こえるし。何か大変なことが起きている気がする!急いで部屋の外に出ると、そこには深刻そうな顔をしたアザレアちゃんと、同じく飛び出してきたクィルンがいた。二人によると、村が蛮族たちの襲撃を受けているとのことだった。震える声でアザレアちゃんが助けを求めてくる。言われなくたって。助けないでって言われても助けるよ!!クィルンも彼の馬も、かなりやる気みたいだ。やっぱり一人で受けなくてよかったね。
・外に出ようとしたところで、神殿の扉が破壊され、蛮族たちがぞろぞろと侵入してきた。大体は弱そうなやつらだけど、一際大きな蛮族がいる。こいつがリーダーだろう。戦闘態勢を取ると、そいつが拙い交易共通語で話し始める。この神殿をダルクレムのものにし、私たちや村の皆を生贄に捧げるつもりらしい。ふざけてるな、こいつ等。
・一度村の皆を助けるために、この場は逃げることになった。アザレアちゃんに続いて、窓を飛び降りる。結構な高さだったけど、全員無傷だった。広場に出た辺りで、アザレアちゃんが私たちと戦う決意を固めてくれた。回復の術が使えるようで、殴るしかできない私たちにはかなり嬉しい。アザレアちゃん、さっきまで震えてたのに。冒険者向いてると思うんだけどなぁ。
・その後ザコ蛮族を殲滅しながら、村の皆を助けに回る。怪我している人たちも沢山いたけど、凄腕の酒場店主バリーさんや、ヌルヌルの猟師、見張りのケインさんに、アザレアちゃんの師匠兼村長のラディスさんといった、村の人々が殲滅に協力してくれた。あとは神殿のバカ蛮族を倒すだけだ!
・皆で神殿に足を踏み入れると、ダリオンの祭壇が気持ち悪く改造されている最中だった。ダルクレムがどうのと言ってたけど、そんなことはどうでもいい。今すぐに死んでもらうから。
・そうして始まった戦闘はとても苛烈なものだった。トロールというらしいあの蛮族は、巨体に見合った馬鹿力に、巨体にとても見合わぬ身のこなしを持ってて、苦戦を強いられる。アザレアちゃんたちが居なかったら負けていたかもしれない。途中なんかキレすぎて記憶がないし。最後はスタミナが持たなかったのか、私とクィルンの強烈な攻撃でついに奴を倒すことに成功した。こんなに攻撃が当たらなかったのは初めて……

・その後、残党のザコを処理して、改めて皆に感謝された。やっぱり、この瞬間は何回経験しても新鮮に嬉しい。次の日に、バリーさんの店で宴を開いてくれることになった。やっぱり、一仕事した後のシードルは最高なんだよね!一口飲んでみると、市場に売ってるのより爽やかな、かつ甘い口当たりがたまらない。いいシードルだと私でも理解できた。絶対にまた来よう。
・もう何口か飲むと、頭がふわふわしてきて、上手く歩けなくなってくる。正直、この辺りから記憶が少し怪しいけど。一緒に戦ってくれた皆に改めて感謝を伝えて回っていると、少し離れた席でクィルンがビールをちびちび飲んでるのが見えた。私たち一応主役だよ!!!もっと目立てよお!!!!!
・クィルンの隣によろめきながら座り、スピル村の皆の話や、村長との修行の日々を適当に話した。練体術にはクィルンも少し興味があるみたいで、特に野生の肉食動物のような動体視力を得られる「キャッツアイ」が気になるようだった。村長に「お前は野生そのものだから必要ない」って言われて教えてくれなかった奴だ。ひどいよね。泣きそう。今度村長にクィルンを紹介して、練体術を教えてもらうよう話を通しておくことを約束した。
・その後、クィルンが口を開き始める。クィルンがゆっくりと、自分の生い立ちや今の目的を話してくれた。話の内容もそうだけど、クィルンが自分のことを話してくれるほど信用してくれたのが嬉しくて、少し目が潤む。私はルーンフォークだし、記憶もないから、肉親の話を心から理解するのは難しいかもしれない。けど、村の皆は家族みたいなものだから、もしスピル村がそうなっていたとして、私は同じことを目的にするだろう。それもあって、やっぱりクィルンは信用できると思った。
・落ちそうな涙を誤魔化そうとして、残りのシードルを一気に煽った。そこでその日の記憶は途絶えている。

・次の日目が覚めたのは、明らかに荒れた酒場の、テーブルの上だった。軽い頭痛に苛まれながら外に出ると、少しやつれたクィルンがうなだれているのが目に入る。はしゃぎすぎたのかな。声をかけると、少し体が跳ねた気がした。その後軽い挨拶だけすると、足早にどこかへ行ってしまう。なんだろう?
・村を出る前に神殿に向かい、アザレアちゃんに最後の挨拶をする。まだそれほど時間は経ってないけど、神殿は概ね元通りになっていた。そういえば昨日は途中からアザレアちゃんの姿が見えなかったっけ。ここで作業してたのかな。すごい真面目だ。
・改めて感謝をしたりされたりした後、昨日の宴について「おめでたい場ですから止めはしませんが……お酒はほどほどになさった方がいいですよ」と軽く苦言を呈された。またなんか壊しちゃったかな?椅子は壊してないと思うんだけどな……
・皆に見送られながらグラージュ村を後にする。なんかクィルンの距離が遠い気がするけど、まあいいか。お酒は飲めないって言ってたから、慣れないお酒沢山飲んで二日酔いでもしちゃったんだろうし。しょうがないから、そっとしといてあげようっと。

第4話《くじ、食事、悪事に勇気を添えて》

詳細

・グラージュ村を救った後、ハーヴェスのギルド支部から遂に認められ、ブロードソード級に昇格することができた!それと同時に、ハーヴェスと、ランドール地方にあるブランブルグという町で冒険者を交換留学する話があることを聞いた。最近勢いのある冒険者を派遣して交流を図っているらしい。もう少し先の話みたいだけど。行ってみたい、と伝えると、功績があるから認めるが、ちゃんと色々気を遣えよ、と釘を刺される。遣ってないように見える?
・留学の詳細が決まるまでスピル村に戻り、皆と話をする。皆はランドール地方について何も知らないみたいだったけど、村長だけは知ってたみたいで、あそこはヤバいぞと教えてくれた。戦争が絶えず行われている地方で、地図が日毎に書き換わるような場所らしい。私たち、留学ってノリでそんな死地に送り込まれちゃうの??
・留学の詳細な日時が決まったことが手紙で知らされる。指定された日時にハーヴェスに向かうと、見知った顔も2人程居るのが見えた。あれは……クィルンとヨブっちだ!二人は知り合い同士なのか、話しているのが見える。二人に駆け寄り、挨拶を交わす。私を見たクィルンの顔が引きつったような気がしたけど。二人は以前依頼を共にしたことがあり、年も近く種族も同じ二人はすぐに打ち解けたらしい。いいなあ。まだルーンフォークの友達いないよ、私。
・馬車に揺られながら、ブランブルグへ向かう。結構狭いし揺れるから、自分の馬を持ってるクィルンが羨ましくなった。意外と道中は平和なもので、特にトラブルもなくブランブルグに到着した。よかった~。

・今回、留学の面倒を見てくれる「炭焼きひよこ亭」へと到着し、荷物を降ろす。ブランブルグの南、「畜生区」と呼ばれる家畜の多い地区にそこはあり、鶏肉の串焼きが名物なのだと店主のふくよかなおばちゃんが教えてくれた。早速、朝から盛り上がっている集団に混じり串焼きを何本か頂いた。肉厚でおいしい!私がおいしそうに食べてるのを見て羨ましくなったのか、クィルンたちが少し注文しているのが見えた。タダでもらえるのになあ。
・そんな中、おばちゃんとこれまたふくよかなエルフが私たちの前に現れる。どうやら依頼があるらしい。待ってました!依頼人は、港の方で「ティミールの食卓布」という食堂を営んでいるエルフのティミールさんで、3日間内にくじの謎を解き明かしてほしいとのことだった。くじの謎??
・ティミールの食卓布にはくじ付きの定食が名物メニューになっていて、くじの中身に応じて様々な特典があるそうだが、何故か一枚しか存在しないはずの大当たり(10000G相当の服と交換してくれるらしい)が二枚発見されたらしい。引き当てたのは常連客のフレオというおっさんと、食材配達員のディガンってリカントの若者の二人が引き当てたそうだ。ティミールさん的には怒っているとか嘘をつかれたとか考えているんじゃなく、理由が知りたいだけで、もし本当に二枚あったのなら景品は双方にあげるつもりらしい。寝ぼけて二枚作っちゃったんじゃないのかなあ。ティミールさん、少しふわふわしてる感じがするし。
・通常の報酬に加え、依頼期間内はティミールの食卓布食べ放題の特典を提示された。やります!!!!私とヨブっちが即答する。ヨブっち、そんながっつく感じだったっけ?まあ、自分に素直になるのはいいことだよね。この街はグルメが豊富みたいだし、いろいろ食べながら調査しよう。超楽しみ!

・一日目の朝、まずは畜生区内にあるパン屋、「ブレッドファスト」へ向かう。何だこの店名。少し入りたくなくなったけど、店外からでも繁盛してるのがわかるし、焼き立てのパンや溶けたバターの美味しそうな匂いには抗えない。クィルンは情報収集すると息巻いてたけど。そんなのパンのついででいいのになあ。
・店に入ると、またまたふくよかな女店主から元気よく挨拶を受ける。早速パンを選んでいると、クィルンからパンを代わりに買っておいてと頼まれた。了解!!ボリュームのある肉入りのパンを探してたけど見当たらなかったから、大きめのバゲットに決めた。クィルンのもこれにしよう。バゲットと一緒にバターとミルクがついてきた。ひだまりみたいに暖かい焼き立てのパンにバターをとろけさせ、一口さくっといただく。……最高に沁みる。その後に飲むミルクもたまらない。手間賃代わりにクィルンの分のバターをこっそり拝借する。バターなしでも十分おいしいだろうし、まあいいでしょ。クィルンにバゲットを渡すと、私が持ってるのと自分のを何度か見比べていた。多分バレたけど、あえての無言で貫き通す。気付いてないふり、気付いてないふり。
・得られた情報としては、明け方にディガンくんがこのパン屋に食材を配達しに来ていたらしいことだけだった。ただ、おばちゃんの話が長くて、とりとめのない話を延々と繰り返していたので、少し時間を取られる。前はよく村のおばちゃんたちの長話に付き合ってたっけ。私はそんなに嫌いじゃない、こういうの。ヨブっちは明らかに聞いてなかったし、クィルンはうつらうつらしてたけど。ちゃんと聞こうよ。ねえってば。
・店を出てすぐに、店の裏側から変な音が聞こえる。皆で裏手を確認すると、裏口に対しなんかしてる怪しい男がいた。クィルンがダッシュで近づき、男の肩を全力で掴む。骨が軋む音が聞こえるみたいで、かなり痛そうだ。怪しい男はなんでディガンの肩を持つ、とかなんとか言ってたけど、肩を持たれてるのはあんただよ。あと、この店に何かしてたから声かけただけなのに。こいつは何か知ってそう。男はキレた末に懐からナイフを取り出す。ふうん、そういうことするんだ。なら、こっちも平和的に行く必要はないね!
・男が動き出す前にクィルンの愛馬、ワルツンが男の鳩尾を蹴り抜き、男を吹っ飛ばした。急所をぶち抜かれた男は激痛にのたうち回る。そこにすかさず、私がメイスで頭部に追撃を加えた。男は一時痙攣したあと、動かなくなる。殺しはしてない……と思うけど。クィルンが男へ応急処置を施す間に、冒険者七つ道具が一つ、ロープ(10m)を使って男を簀巻きにしておいた。起きたらゆっくり話を聞かせてもらおう。
・男が目を覚ました。男は、西側にある貧民窟に店を構える、バドリーという金貸しの部下らしく、起きて早々、ただで済むと思ってるのか、とかなんとか色々とわめき散らしていた。確かに。よそから来た馬と女に10秒もかからずボコられた挙句、ボスの情報を漏らしました、なんて上にバレたらただで済む訳ないよね。メンツも保てないし。そのことを教えてあげると、男はしゅんとしてしまった。なんかかわいそうかも。クィルンたちが縛ったまま牛小屋にぶちこもうとしだしたので、パン屋のおばちゃんに突き出そうと提案した。こんなのと一緒に過ごす牛たちがかわいそうだよ。おばちゃんは、こいつをタダ働きさせることで丸く収めるつもりみたい。命拾いしたね。

・事の始終を見届けた後、畜生区内のディガンくんの家へ向かう。到着したが、そこに人の気配はなく、管理人も留守らしい。借金の話も気になるから、早めに調査してしまいたいんだけどな。そう考えていると、ヨブっちが試したい方法があるという。魔動機術を使い、魔法の爆弾で鍵を破壊したいらしい。こんなにぶっ飛んでたのか、こいつは。でも、見てみたいかも。クィルンは自分の良心が許さなかったのか、管理人室の前で待つらしい。二人で、ディガンくん宅の鍵が爆ぜるのを見守る。けたたましい音と青い爆発が起こり、扉の鍵があった部分は粉々になっていた。あ~あ。修理代はちゃんと出しなよ。
・家の中へ入ると、一枚の借用書が目に入った。件のバドリーからの借金のようで、よくわからないけど、とんでもない額借りてしまったらしい。きんり?がどうとかヨブっちが言ってたけど、なんのことだろう?まあいいか。
・クィルンの元へ戻ると、軽く頭を抱えていた。人の家の鍵を勝手に壊すなんて、とんでもないよね、ホント。

・その後は、東にある港湾区へ向かう。もう日は落ち始めていたから、夕食をとるためにひとまずティミールの食卓布を訪れることにした。港湾労働者で賑わう店内は活気に満ちていて、忙しそうなティミールさんが挨拶をしてくれる。席を探し、3人でくじつきの大盛定食を頼むことにした。しばし待った後、運ばれてきた料理はいかにも港湾地域らしい大きな魚と、香草がふんだんに使われた定食で、特にクィルンが目を輝かせていた。定食のメインたる魚は脂がのっていてジューシーだったが、香草のおかげで全然くどくなく、爽やかにすべて平らげることができた。これが3日間食べ放題か。最高じゃんね。お待ちかねのくじの結果は、私とヨブっちが薬膳クッキーをもらい、クィルンだけがデザートを貰ってた。羨ましいなあ、薬膳クッキーなんて苦いに決まってるよ!!!
・クッキーを食べたヨブっちが驚く。超食べやすいらしい。噓でしょ?一枚食べてみると、本当に食べやすく驚いた。甘さは控えめだが、苦くはなく、噛んでいると優しい甘さが迎えてくれる。ティミールさん曰く、これをある程度食べれば救命草を飲んだのと同じ効果を得られるらしい。……購入確定だ。9袋購入した。二度と救命草なんか飲むもんか。羨ましくなったのか、クィルンも3袋ほど購入していた。来てよかった!!!!!!!!!!
・私はすっかり本題を忘れていたのだけど、クィルンが漁師のフレオを見つけたようだ。おもむろに隣に座り、話を聞くことにする。フレオっさん曰く、その日食堂の外で、ディガンくんと一緒にいる笑顔の神官を見たらしい。ふーん、そんなことが。フレオっさん、料理ちょっと貰っていい?と聞くと、快く分けてくれた。うん、こっちの味付けも中々いける。いいおっさんだ。おっさんもくじの謎について気になっているようだった。早く解決しないとね。
・食堂でお腹を満たした後は、市場の方へ向かうことにした。もう外は真っ暗で、もうすぐ酒場からも人がはけるような時間になるだろう。人がいるうちに話を聞いておかないと。3人で分担して、聞き込みを行う。私は路上の酒場に向かい、話を聞くことにした。酒場には漁帰りであろう漁師たちが盛り上がっていた。すっかり出来上がってるな。
・おっさんたちに混じり、話を聞くことにした。が、話の内容はほとんど漁の話か、奥さんの愚痴で構成されていた。まあ面白かったけど。気を良くしたのか、おつまみとお酒を私の分まで注文してもらった。運ばれてきたのはバターの匂い香る、魚?の焼き身と、いかにもおっさんが好きそうなビールだった。あんまりビール好きじゃないんだよな~。
・5分の1だけ飲んだ後、焼き身に手を付ける。ウマっ!今まで食べたことがない気がする。すこし身は固いけど、その分噛むとバターの香りがのったうまみ汁が次々と溢れてくる。これ何?漁師のおっさんは、これがエイ、という平べったい魚であると教えてくれた。初めて聞いたな。それもそのはず、市場にはあまり流通しておらず、水揚げされた分は漁師たちで消費しているとのことだった。独り占めってワケか。ずるいよ~~~~!!
・アルコールのせいか、顔を少し熱くしながら皆に合流する。私の顔を見たクィルンが、何かヨブっちに耳打ちしていた。何話してんだよお!!追求しようとしたけど、情報共有を先にしたいとのことだった。まあいいけどさぁ。市場にいた古物商が、例の神官に絵を売り、金額を受け取ったが、後から数えると何故か金額が少し足りなかったことを教えてくれたらしい。うっかりミスでしょ。ほんとしょうがないな。ていうかもう眠いよ、どっか泊まろう!
・もう外はすっかり真夜中で、猫や虫の鳴き声くらいしか聞こえなくなっていた。北の貴宿街へ向かい、「糸織神の揺りかご」というアーデニ神殿併設の宿泊施設へ泊ることにする。朝食も出してくれるらしいし。静かで閑静な街並みを眺めながら、清潔な寝床でぐっすりと眠った。

・次の日、二人が部屋を訪ねてきて目覚める。起きるの早くないか?急いで身支度を済ませ、朝食を頂きに行く。いろいろと提供されたが、特に目を引いたのは、大きくしっかりとした作りのアップルパイだった。甘い!朝にはちょうどいい、頭が冴えるような味だ。食べ終え、宿を後にする。いい宿だった~!
・宿を出て、ガメル神殿へ向かう。この神殿は銀行というものを兼ねているらしく、お金を預かってくれるらしい。なんで知らない人にお金を預けようと思えるんだろう?自分で持ってた方が安全だと思うんだけどな。
・神殿内部では、銀行窓口ともうひとつ、くじができる窓口があり、皆で2回ずつやってみることにした。結果は、私が小当たり2回、ヨブっちが大当たり1回だった。ヨブっちのそれはなんか違和感があったけど。なんか使った?
・小当たりではおまじないが込められたコインを、大当たりでは消魔の守護石が貰えた。見た感じ、私の持ってるやつの方が綺麗だった。ふん。
・例の神官について話をくじ係の人に聞くと、今銀行窓口にいる人がそいつで、名をワルーサというらしい。……悪そうな名前だ。早速古物商の金額をちょろまかしたことを追求すると、そんな事あるはずないですみたいな態度だった。ミスは誰にでもあるから、とりあえず謝って来いって。
・クィルンがカマをかけたりしたけど、のらりくらりと躱されてしまった。時間をかけてしまい、お引き取り願われたので、今回は大人しく引き下がる。また来るからね!!
・次に向かったのは、キルヒア神殿。図書館が併設されたカフェがあり、軽食が楽しめるそう。まだお昼食べてないから、食べておきたいね。入って早々、普通の声で挨拶したら、窘められてしまった。図書館では大きな声を出さないでほしい、とのことらしい。そんな~。
・気を取り直し、本日のおすすめセットを頼んだ。日替わりのお菓子とフレーバーティーが人気らしい。出てきたのは、茶色の何かが混じった四角いビスケットと、ほのかにりんごの匂いのするお茶だ。ビスケットには茶葉を少し混ぜ込んでいるらしく、甘さの中にほんのり苦味を楽しめた。アップルティーとも良く合い、カフェの静かな雰囲気もあってか、思考が冴えるような落ち着く味だった。このまま、情報収集をすることにする。
・代金を渡すと、店員さんが、金額を何度も改めていたのが気になった。どうやらここでも、金額違いが何度も起きているらしい。ちなみに、ワルーサもよく来ているとのことだった。どこでもやってんだな、アイツは。
・クィルンが文献をあたっていたところ、ガメルのパチもんみたいな異端の神、メイガル神についての情報を手に入れたようだ。メイガルの神官は会計を少しちょろまかす、みたいなしょうもない魔法が使えるみたい。今この街で起きてることと同じだ。

・日が落ちかけているのも構わず、西の貧民窟へ向かう。バドリーから色々聞き出さないと。薄暗い路地に差し掛かったところで、傷だらけのリカントが道端にいるのが見えた。話を聞こうとすると逃げようとするので、捕まえて話を聞いた。
・彼がディガンくんその人で、病気の治療費として、バドリーからした借金の金利で頭が回らなくなってしまい、返済に充てるためワルーサと共に不正をしてしまったらしい。私たちもバドリーに用があるんだよね。奴をボコボコにして借金チャラにしてもらおう!
・チンピラに絡まれたりといったトラブルもありつつ、バドリーの店に乗り込む。奴はディガンを見るや否や、高い推測力で私たちの目的を見抜いてきた。頭もキレるのか、厄介だ。早速部下たちに私たちを襲わせてきたが、特に手傷を負うことなくボコボコにした。その隙にバドリーは逃亡していた。
・面倒だ、部下たちから逃げた先を力ずくで聞き出した方が早いだろう。呻いていた部下のうち一体にインタビューをする。片手で首根っこを持ち上げ、壁へと力を込め押し付けていると、枯れ井戸の中に逃げたとあっさりと吐いた。ありがと。用済みになったチンピラを壁に叩きつけ、3人で井戸の中へ突入する。

・井戸の先には広い部屋があり、バドリーと数人の部下が待ち構えていた。それとほぼ同時に、私たちの反対側の通路から誰かがやってくるのが見えた。バドリーが先生と呼ぶそいつは……ワルーサの野郎だ。奴らは集まると、全員で襲い掛かってくる!
・部下たちの捨て身の攻撃や、ワルーサが使う怪しげな魔法にかなり苦しめられる。けど、少しずつ敵の数を減らし、バドリーを壁に叩きつけ、気絶させたことでワルーサへの道が開いた。好き放題やってくれちゃってさ。覚悟してね。
・奴にはかなりムカついてたから、ぶちのめそうと考えてたけど、クィルンも同じ考えみたいだった。じゃあさ、じゃんけんで決めようか。恐怖に笑顔すら剥がれ落ちたワルーサの目の前で、二人でじゃんけんする。負けちゃった……。てか槍でぶっ刺したらさ、死んじゃうでしょ!って思ったけど、ブカブカの神官の服だけを貫いた。優しいのか、うっかりミスなのか。じゃあ、次は私の番だね!
・〈オブスタクル・バスター〉を両手で持ち直してから、大きく振りかぶり、振り抜く!ワルーサの顔面に私の得物が思いっきりめり込み、きりもみ回転しながら後方へ吹っ飛んだ。ピクピクと痙攣している奴の顔面は大きくへこみ、前歯が数本なくなっているようだ。……はぁ、すっきりした!!

・その後、ワルーサが来た通路から、ガメルの神官たちがやってくる。この通路はワルーサの部屋と繋がっていて、戦闘音を聞きつけやってきたようだ。神官たちにワルーサが持っているメイガルの聖印を見せると、話を理解してくれたようだ。後の処理は任せて、いったん休もう。暗殺者に刺されたお腹が痛むし。貧民窟の中にある宿、「最後の寝床」へ泊ることにした。一晩ぐっすりと眠った。少し背中が痛むけど、意外と悪くなかった。クィルンに大丈夫だったかと言われたけど、なんのことかわからない。寝てる間、クィルンは何度かお金を盗まれかけたとのことだった。災難だったね。
・宿を出て少し歩くと、炊き出しをしているのが目に入る。一つ貰うと、木のお椀に金色のスープがなみなみ入ったものを渡される。中には皮付きの魚の切り身と、薄切りの玉ねぎが入っている。魚介のうまみが溶け出した出汁が、疲れた体に沁みわたるような気がした。腹を軽く満たし、ティミールさんに顛末を報告しに向かう。報告の結果、ティミールさんから感謝の弁を述べられ、フレオっさんには定食食べ放題1年分が贈呈された。いいな~~~。それを見届けたあと、私たちも定食をサービスしてもらい、くじを引く。瓶に入った、きらきらと輝く虹色の飴をもらった。すごく綺麗、食べるのがもったいないかも。大事に懐にしまって、ブルライトへと戻る支度をする。
・今回は食べ歩きがメインになってたような気もしたけど、本当に楽しかった。食べるもの全部おいしかったし。最近よそへ行く度に言ってる気もするけど、また来たい。心からそう思ってる。

第5話《砂鷲団潜入調査》

詳細

・砂鷲団の潜入調査のため、私、レイちゃん、ヨブっちの3人は、ブルライト地方北西にある砂漠の国、ラージャハ帝国を訪れていた。依頼者はフワイダさんという人で、砂鷲団の中にスパイがいるという噂があり、本当であれば由々しき事態であるから、砂鷲団内部へ潜り込んでほしいという内容だった。本当ならば砂鷲団を解体したいという。ただ、ラージャハって初めて来たし、よくわかんないんだよね。砂鷲団?
・砂鷲団というのは、ラージャハ皇帝ドノンⅣ世の直接の私兵で、心に闇や傷を抱えたものが多く取り立てられているらしい。入団資格はなく、実力のあるものなら誰でもウェルカムだそうだ。そのため、構成員の中には、ナイトメアや蛮族が普通にいるとの話も聞けた。すごい組織だ。闇なんてないけど、私。
・早速入団してみることにする。ただ、冒険者だとバレるのはマズいから、変装をした方がいいだろうという話になった。レイちゃんは化粧が得意なので、任せよう!
・ここで早速つまづく。化粧だけでは限界があったらしい。私のチャーミングヘアーが特徴的過ぎて誤魔化しきれない感じがする。自分の姿を確認してみると、正直違いが判らなかった。私を判別するのに髪以外の要素は必要ないのかも……
・市場で頑丈な髪紐や小道具を買ってきて、なんとか髪型を変えることに成功した。レイちゃんにおさげ髪にしてもらったけど、見ててすごく大変そうだった。私の髪、暴れん坊すぎるかも。

・変装も済んだところで、砂鷲団の詰所へと向かう。入団の意思を伝えると、眉一つ動かさずに、なんかウィードがどうとか言いながら、奥にある宿舎まで通された。これから一緒に過ごす仲間たちが集まっているのが見える。ハゲてるコボルトや、頭に蛇が生えている女の人なんかもいて、前評判で聞いた通りいろんな人がいるみたい。でも、なんか目が合わないんだよね~。みんなシャイなのかな。
・大声で挨拶してみたけど、返事がない。やっぱり、みんなシャイみたい。もう一度叫ぼうとしたところで、誰かがこちらへ向かってくるのが見えた。
・その子は、ナイトメアの女の子で、口元を布で隠している。ただ、背中の大きな武器を見れば、彼女がただのかわいい女の子じゃないことが嫌でも理解できた。「入団希望者ね?」という彼女は、新人教育係かなんかだろうか。彼女曰く、砂鷲団の入団を認めるのは皇帝ドノンさんであり、皇帝から資格の見極めを任されているとのことだった。ついてきて、と言われたので素直についていく。二人はなんか警戒しているみたいだったけど。ビビってるな、ありゃ。

・そうして通された先には、誰かが横たわっていた。……棺の中に。彼はドノヴァンというらしい。これから街の外にある、砂鷲団の共同墓地に彼を埋葬しにいくようだ。砂鷲団は壁の中で死ぬことを許されない。戦いの中で死ぬの。そう語る彼女は、少し悲しそうに見えた。思っていたより優しい組織なのかな。もっとドライな感じかと思ってた。

・そうして、埋葬に同行していると、途中でバカでかい虫が2匹、何かを転がしながら砂漠を爆走しているのが目に付いた。なにアレ????
・私たちは誰も奴らについて知らなかったけど、ナイトメアの子曰く「常連客」で、手始めに奴らを倒すことで私たちのお手並み拝見といきたいようだ。言われなくても、ちゃんともてなしてあげるからね!

・そうして始まった戦闘は、正直思い出したくないものだった。奴が転がしていたのは、巨大な糞で、攻撃にも使ってくるから、かなり最悪。すっごいくさいし。大きさの割に、異常にすばしっこく、頑張って攻撃を当てても固い甲殻が攻撃を防ぐ。私はまだ鈍器だから良かったけど、剣だと攻撃が通りにくくて大変そうだった。挙句の果てには、傷ついたからポーションを飲んだら、変な味がして噴き出してしまった。ダメになってたみたい。うぅ…
・結果的にはなんとか勝ったけど、どろどろになってしまう。くさい!!!!!!!><戦闘が終わった後、ナイトメアの子が消臭効果のあるいろいろを渡してくれた。優しい……。
・ドノヴァンの弔いもつつがなく終わった。その間は正直、お風呂のことしか考えられなかった。ごめん。この後は、皇帝へ謁見してもらうことになっているらしい。ならなおさら、身体を綺麗にしないと。
・街に戻り、早速浴場に行くことにする。レイちゃんを誘おうと思ったけど、気付いたらいなくなってた。さみしい~!!
・身体を綺麗にした後、皆で皇帝の元へ向かう。その道中、ナイトメアの子が名前を教えてくれた。彼女は「セメト」というらしい。メトちゃん、これからよろしくね!!レイちゃんは気付いたら合流していた。いつの間に?

・そんなこんなで城の上階、玉座の間へと通された。かなりちゃんとした場で、背筋が伸びる感じがする。玉座に座っていたのは、険しい顔つきに、右目の義眼が特徴的なドワーフの男性。彼が皇帝・ドノンⅣ世だろう。……すごい覇気だ。明らかに踏んだ場数が違うのが空気で伝わってくる。
・ドノンさんからは、ただ一言。「励め」という言葉を賜った。これで砂鷲団に入団できたんだ。ドノンさんからはすごい覇気も感じるんだけど、なんというか。「期待」とか、そういう器の大きさと、何故か一抹の懐かしさを肌で感じた。砂鷲団という組織が、皇帝に命を尽くしている理由が分かった気がする。砂鷲団として生きていくのも悪くないのかも、とちょっぴり思った。

・無事に砂鷲団に入団出来た後は、ささやかながら歓迎会を開いてくれることになった。やっぱ優しいじゃん!!!団長の男性からお酒を受け取った。ちょっと匂いが苦手だから、手は付けないでおこうっと。料理は全部食べたい!
・少しみんなのお酒が回ってきたのか、メトちゃんが自分の身の上を話してくれた。彼女は16歳で、もともとは砂漠の民族の生まれだったけど、ある時両親をアンドロスコーピオンという蛮族に惨殺され、砂鷲団に入団したらしい。サソリども、許せないな。見つけたら私も滅ぼしておこう。
・次は私たちに振られたけど、3人とも記憶喪失みたいなものなんだよね。かといって、この後にスピル村での幸せな日々を話すのも違うだろう。正直に記憶がないというと、察してくれたようだ。まあ、記憶を無くして砂鷲団に入ってきたルーンフォークの人生なんて話すまでもないだろう。どっかで死んで、見捨てられた以外ありえないから。
・さらに酔いが回り、腕相撲をしようと誰かが言い出した。ここらで最強が誰かはっきりさせとかないと。大声でやる!!!というと、相手に現れたのはミノタウロスの男性だった。流石に強そうだけど、まあ相手が悪かったんじゃない?
・両者が見合い、腕相撲の態勢になる。このタイミングで私は、思いっきり息を吸い込み、息を吐かずに全身へと行き渡らせる。そうして体中に巡ったマナは、私の強い力を強い馬鹿力へと変えてくれる。これが練体術の奥義「マッスルベアー」だッ!!
・一瞬でカタはついた。私が、砂鷲団最強ってワケ。こんなもんか、と机の上で叫ぶと、皆がムッとした気がした。夜はまだ長い。ちゃんと、誰が強いか皆にわかってもらうまで付き合ってあげる!

・次の日から早速砂鷲団としての活動が始まった。新入りの私たちは、訓練から始まったんだけど、その訓練内容がマジでひどかった。手足縛られて水中に放り込まれた時は本当に死ぬかと思った!
・でも、出てくるご飯は美味しかったんだよね。ただ、ヨブっちの口には合わなかったみたいで苦しんでた。そんな不味かったかなあ?
・一方、レイちゃんは涼しい顔で訓練をこなしていた。水中平気なのずるいよ~!
・訓練が終わった後、レイちゃんに練体術を教えてくれないか頼んでみると、承諾してくれた。ちょっと断られると思ってたよ。あの足さばき、憧れてたんだよね。
・レイちゃんの指導はだいぶ感覚的で、「こう」とか、「ちがう」とか最小限の言葉で指導してくれる。最初の数日は上手くできなかったけど、だんだんレイちゃんの「こう」が何を指してるのかわかってきた。一ヵ月もあれば習得できそう。

・そうして訓練期間も終わった頃、私たち3人にある任務が舞い込む。砂鷲団内部にスパイがいるという噂が流れているから、噂の出処であるスラム街で情報収集をしてほしいという。スパイの噂は私たちが入る前から流れており、私たちはまだ砂鷲団として顔が割れていないから、この件には適任だと判断されたらしい。かなり重要な仕事だ。砂鷲団にとっても、私たちにとっても。

・早速スラム街の入口へ向かう。ラージャハのスラム街は、人でごった返してた。前に見たブランブルグの貧民窟は、全体的に寂しい感じだったから、同じような目的の土地でも場所が変わるとガラッと雰囲気が変わるものだなあと思う。
・入口で立っていた私たちの元へ、フードの男がやってきて取引を持ちかけてくる。300G払えば、スラム街のアレコレを教えてくれるようだ。ふっかけられてるな。舐められてる?もしかして。
・前に団員がやってたみたいに、強い言葉を使って奴を追い返す。その団員は、「ドノン様の威容を保つために、皇帝の私兵たる俺達が舐められてはいけないんだ」って言ってたっけ。今は砂鷲団であることは隠さなきゃだけど、このやり方は活用させてもらおう。舐められたら碌に情報収集出来ないだろうし。

・入口から右へ進むと、特に治安の悪そうな地区へ出た。私たちを値踏みするような、ごろつき共の下卑た視線が嫌でも目に入る。まあ私たちはスラムには似合わないだろう。お金も持ってるし。ただ、ヨブっちは一切気付いてないみたいだった。向いてないだろ、こういうところ。
・少し歩いたところで、こいつらにコソコソ見られるのもいい加減にうんざりしてくる。誰が上かわからせてやった方がいいかも。人気のない路地に差し掛かったところで、そのうちの一人が襲い掛かってきた。……遅。奴の拳をかいくぐり、裏拳でカウンターを入れる。こんなんで勝てると思われてたのか、やっぱ舐められてたね。コソコソしてたやつらもこれでいなくなったみたいだし。
・ちょうどいいし、奴にインタビューしてみることにする。スラム街の観光スポットは教えてくれなかったけど、ここの反対側、廃駅には人が集まるから情報も集まるんじゃないか、と教えてくれた。最初から素直にしてれば痛い目には遭わなかったのに。解放してやると、這う這うの体で逃げ出していった。ふん。

・来た道を戻り、廃駅へ向かう。確かに人が多いけど、さっきと違っていろんな人がいる。いかにも弱弱しい老人や、さっき見たようなごろつきまで、人が集まっているのは嘘じゃないみたい。みんなよそ者の私たちを警戒してるみたいだ。まあ、無理もないか。
・適当なごろつきに声をかけると、早とちりして殴りかかってきた。こんな奴しかいないのか?まあ、こうでもないと生き残れない場所なのかも。でも、私たちには関係ない。拳を片手で受け止め、ひねって関節を極める。痛みで大人しくなったごろつき2に話を聞くことにしよう。
・聞けた話は、噂の出どころについてだった。宿場の黒い壁の建物に旅商人が住み着いていて、そいつが噂を流しているらしい。よくわかんないな、色々。もうすこし揺さぶってみたけど、本当に他は知らないみたい。仕方ないから、解放して次に向かおう。

・向かう途中で、魔動機で厳重に警備されている商会の倉庫が目に入る。そのまま通り過ぎようとすると、ヨブっちが無理矢理入らないのかと聞いてきた。何言ってんだろう?どっかの怪奇ノッカーボム男と一緒にしないでほしいな。私は相手がごろつきだからこうしてるだけだから!

・倉庫はスルーして、神殿に向かう。この神殿はフルシルのもののようだが、活気はなく、神官が一人いるだけだった。声も小さく、全然元気がない。元気よくいっても返事が要領を得ないし。どうしたものか、と悩んでいると、神聖魔法を使えるレイちゃんが話を合わせてくれた。といっても、ほとんど向こうが食いついて一方的にまくし立ててただけだけど。村ではあんまり居なかったタイプだし、なんか雰囲気も相まって眠くなってきた……。
・気づいたら話は終わっていた。寝てないし!聞けた有益な話としては、昔に犯罪者が建てた家があり、その家には隠し通路があるという話があったようだ。犯罪者だらけでしょ、この辺。何の参考にもならないかも。

・次に向かったのは、スラム街の中でも、いい意味で活気のある市場。売られていたものは意外と安く、物がよさそうなものばかり。もっとぼったくりだらけかと思ってた。まあ、かなり奥の方にあるから、旅行客とかが来るような場所じゃないんだろうな。そんな市場を歩いていると、商人に呼び止められる。いいジュースあるよ、とのことだった。治癒能力が高まる効果もあるから、ヒーリングポーションなんて飲むべきじゃない、と言っていた。それは完全に同意。二度と飲むか!
・意気投合して、件のジュースを購入してみる。果実にストローを刺しただけの無骨なもので、デルヲンジュースというらしい。1本サービスしてくれたので飲んでみると、少しクセはあるものの、甘くておいしいさわやかな味がした。最高、やっぱ二度とポーションなんか飲まないから!

・ジュースを片手に、現状の目的地である宿場へと向かう。例の旅商人に会わないと。
・宿場に着くと、噂の黒い壁の家はすぐに見つかった。その家は落書きで溢れており、黒い壁というのも焦げた跡であり、放火されたのだろうとわかる。……やっぱ碌でもない場所かも。
・ドア越しに呼び掛けても返事がないし、聞き耳を立ててみても何の音もしない。いないのかな?仕方ないから、レイちゃんに解錠してもらうことにする。すぐに鍵は開き、中に入ることができた。
・中には、誰もおらず、机の上には魔動機文明語で書かれた指令書が置いてあった。内容は「この国で強い兵士についての名簿を作れ」というものだった。何で魔動機文明語……?何か、良くない予感がする。
・そして床にはもう一つ、隠し通路が存在した。狭い通路の先へ抜けるとそこには、どこまでも広がる砂漠と、一つの死体があった。例の旅商人のものだろう。刺殺されたとみられる男の死体はまだ少し暖かく、さっきまで生きていたことがわかる。生きていれば色々聞けたかもしれないのに……

・事の次第を報告すると、メトちゃんから労われ、とりあえずこの任務は完了だと伝えられる。あの旅商人が間者と通じていたのは間違いないが、口封じで殺されてしまった以上この件は一旦保留することになった。砂鷲団の中のスパイについても疑いが晴れたわけではないし、なんか煮え切らない感じがするけど。まあ、仕方ないか。

・それから一週間ほど経ち、私たちは、警備とか護衛みたいな細々とした任務をこなしながら砂鷲団としての日々を過ごしていた。そんなある日。皇帝から直々に任務が舞い込む。皇帝は以前会ったときよりはいくらか柔らかい面持ちで「よく励んでいるようだな」と言葉をかけてくれる。…何故だろう。すっっっごく、嬉しい。
・内容はある砂上船の警護だ。その船は一週間おきに物資を輸送していて、先々週から襲われ続けているらしい。そんなことあるんだ。襲撃は決まって、砂鷲団の集団墓地方向から行われるそうだ。それに、まだスパイ問題も片付いてないから、少人数で任務を遂行してほしいそう。頑張るぞ!

・集団墓地に到着し、辺りを見張っていると、墓地の奥の方からフードを被った人影が数人現れた。犯人は奴らか。でも、なんか違和感がある。砂をまとっているし、目に光がない、というか目がない?もしかして、スケルトンか。戦闘態勢をとると、近くを例の砂上船が通りかかる。船上には一人、フードを被った男が何かをこちらに向けている。あれは……銃……?
・…ッ、マズい!罠だ!間一髪、銃弾を避けると、船が止まりフードの男がこちらに近づいてくる。奴の顔は、トカゲのそれだった。キモいな。それと時を同じくして、地面から骸骨が大量に湧き出てくる。砂鷲団の遺体をアンデッドにしたのか?メトちゃんの顔が険しくなるのが見えた。もしそうなら、絶対に許さない。
・その答えは、奴自身で勝手に話しだした。魔動機文明語で。内容を要約すると、強い人間をアンデッドの兵隊にするために砂鷲団に目を付け、少数で行動させるようスパイの噂を流した、とのことだった。ふーん、そうか。喧嘩売る相手を間違えたな、バカトカゲが。
・メトちゃんから奴をボコボコにする、という大役を任された。周りのスケルトンは任せたから!

・だけど奴をボコボコにするのはかなり骨が折れた。スケルトンはすぐ蹴散らせたんだけど、バカトカゲが攻撃を回避しまくるもんだから、私とヨブっちがかなり銃弾を受けてしまった。ヨブっちに至っては銃弾を受けすぎて倒れちゃったし。銃撃って超痛いし、かなり血が出るから嫌いだ。あいつ、口はすごい弱かったのに。でも、なんとか叩き潰すことに成功した。メトちゃんもスケルトンを片付け終わったようだ。よかった~。
・急いでヨブっちに治療を施そうとしたけど、失血しすぎでフラフラしちゃったのか全然できなかった。レイちゃん、後はよろしく~~……

・これで、砂鷲団内部にスパイがいないのが明らかになった。正直、少し過ごした感じ、皆の中にスパイがいないのはわかってたけど。みんな温かいし、結束と皇帝への忠誠心がすごいから。
・スパイがいないことが分かった…ってことは。もうこの依頼は終わって、私たちは砂鷲団を離れないといけない。……寂しいな。夜中にこっそり荷物をまとめて、砂鷲団を後にしようとすると、背後から聞きなれた声が呼び掛けてくる。メトちゃんだ。
・振り返り、おさげの髪紐をほどく。また来るからね!と言うと、メトちゃんは詮索することなく、私たちを送り出してくれ、お前たちは確かに砂鷲団だったよ、と背中を押してくれた。そんなの、当たり前じゃん!

・ギルドへ戻り、依頼の報告をする。スパイがいないことを伝えると、すこし落胆しているように見えた。なんだよ。
・最後に、砂鷲団はどういう場所だったか聞かれた。そんなの決まってる。

――最高に温かい場所だったよ!

第6話《Good luck "blue Monday"》

詳細

・私、レイちゃん、ヨブっち、テンくんといういつものメンツで、私たちは「ほつれたセーター亭」という個人経営のギルドへやってきていた。前にクィルンにおすすめされたギルドだ。街を探したらみんないたから、連れてきちゃった。レイちゃん以外はみんなここのこと知ってたみたいだけど。ほかのギルドに比べるとかなり静かだ。こういうのもたまにはいいかもね。ただ、他の人からご飯もらえないのはかなり残念。

・そこでのんびりしていると、店主のおばちゃんが依頼を持ってきた。とある商隊の護衛で、依頼人は商人のコレゥ・レルーヨ。………な、なんて?全然聞き取れなかった。
・これう……なんとかさんは、普段ラージャハ~ハーヴェス間を往復しながら二都市で商売をしているそうだ。今回、グランゼールにも販路を広げたいということで、グランゼール到着までの三日間、護衛を頼みたいらしい。ただ、ハーヴェス~グランゼール間には不穏な噂もあるようで、その情報収集も頼みたい、と言われた。
・話を受けようとしていたところで、視界の外から面白そうな話してるね、と声が聞こえてきた。声の先に居たのは、ちっちゃいちっちゃい男の子。名前をチャストというようで、面白そうだから一枚噛みたいようだ。こらこら、だめだよ。まだ小さいのに大人の話に入ってきちゃ。と言うと、少し鼻で笑われた気がした。可愛げないなぁ。
・私は完全に子供として接してたんだけど、あの子はグラスランナーだとテンくんが教えてくれた。グラスランナーは皆あんな体格らしい……やっぱ子供にしか見えないけどな。しつこく年齢を聞き続けると、30歳だと教えてくれた。ふーん。
・…………30歳!?!?おっさんもおっさん、大おっさんじゃん!!ならいいか。よろしくね、トっさん。トっさんは足で情報(主に遺跡に関するもの)を集め、それを求める人に売って生活しているようだ。頼りになりそう。

・出発は明日だから、それまでに情報を集めておこう。まずは市場で聞き込みをしたんだけど、なんかうまくいかない。お前こんなんだったか?って皆に言われるし。なんかちょっと引かれてる気もする。砂鷲団の感じが抜けないんだよね~…。
・肝心の情報は、上手くトっさんが聞き出してくれた。すごい。やっぱ頼りになるなあ。情報としては、一週間ほど前からグランゼールへの街道で、少数で行動する商人が襲われる事案が発生しているということだ。そして実際に襲われた商人「ニモ・トゥーハコーヴ」が、倉庫街にいることを教えてくれた。…この街って、こんな変な名前ばっかだったっけ?

・早速倉庫街へ向かい、適当な人を捕まえて話を聞くと、ニモがいる倉庫の場所と、商品を奪われてしまったことによる借金を背負っており、今は返済のため頑張って働いていることも教えてくれた。あと、ヘビースモーカーらしい。まあ、別にそれはどうでもいいんだけど。
・教えてくれた倉庫に着くと、彼の姿は外には見えない。一応逃げられないために、私が裏口で待機しておくことにする。みんなにはお前がいるとややこしくなるから、って言われたけど。ナイトメアとか銃持ってるやつは大丈夫なの??
・案の定ダメだったらしい。ドタバタという音を立てて裏口のドアが開かれる。その隙間から顔を出し、ドアを固定した。逃げちゃダメじゃんねえ。借金取りじゃないのに、私たち。
・いったん話をして、落ち着いてくれた。そして当時の状況を少しずつ話し始めてくれた。ハーヴェス~グランゼール間、ディガット山脈の麓に最近できた大きなくぼみの近くを通った時に数匹の蛮族から夜襲を受けたこと。用心棒として雇った「ジンボ・ウヨー」という男が不可解な行動をしていたように見えたことなどがわかった。運んでいた商品は、グランゼールで仕入れた冒険者向けの装備品で、その損失で借金をしてしまったようだ。かわいそうに。残りの借金が50Gって聞いたから、迷惑料代わりに払おうとしたけど断られた。根性あるな。
・そのくぼみは逆彗星によりできたもののようで、逆彗星については郊外にある観測所が詳しいようだ。行ってみるか~。

・観測所に到着したけど、人影はない。すいませーん!!!と呼びかけてみると、少しして女の人が出てきた。逆彗星について教えてください!!!!!!!!!
・そしたら、資料室に通してくれた。ちゃんと順番通りにファイリングしてあるので、順番を変えないようにして下さいねと釘を刺される。まかせてください!!
・その後、みんなで資料を探す。……あれ、これどこにしまうんだっけ。まあいいか。正直見ててもよくわかんないし。適当にしまっていると、視界の端でテンくんが頭を抱えているのが見えた。また私何かやっちゃいました?タイミング良く戻ってきた女の人も、あ~~~~!!!!って言いながらこっちにやってくる。あ、バレた。
・結構ちゃんと怒られた。ごめん。こういうのは他の人に任せた方がいいかも。あんまり面白い作業でもないし……。
・……正直、適当に片付けてる時が一番楽しかったのは内緒。

・得られた情報としては、ホルデス村の逆彗星についての資料があった。ニモの話にあった例のくぼみは、元々ホルデス村があった場所で、逆彗星に伴いくぼんだようだ。そういうくぼみには蛮族が住み着くことが多々あり、王国にとっては空の彼方のホルデス村より、その跡地の様子の方が重要らしい。
―――ホルデス村。クィルンが生まれた村で、今は目指している場所。生い立ちはグラージュ村で教えてくれたっけ。すごく痛ましい話だった。自分がそうだったらと思うと、耐え難いと思ったのをしっかりと覚えている。街で姿が見えなかったけど、クィルンはどうしてるんだろう?

・その後は街に戻り、図書館へ行ってみることにした。けど、私は外で待ってた。図書館行くと大体怒られるし……………。
・少しして、皆が戻ってくる。ホルデス村坑道の概略図を書き写してきたようだ。まあ、情報を集めた感じかなりきな臭いもんね、ホルデス村跡地。
・その後は、酒場で普通に美味しいフィッシュアンドチップスを食べて、その日は切り上げることにした。明日の依頼本番に備えることにしよう。

・次の日、集合場所へ行くと、コレゥさん達商人に加えて、筋骨隆々かつ髪がボサボサの男がいた。彼は荷運び等に同行するようで、名前は「ジンボ・ウヨー」と言うようだ。……ふうん。ニモからは姿晦ましてるのに、似たような商隊には同行するんだ。あんまり信用できないな。

・一日目は特に問題なく終了し、皆で野営の準備をする。レイちゃんの料理もそうだけど、トっさんも料理が得意と言っていたから、どんな美味しいものが出てくるか今日一日、ずっと楽しみにしてた、んだけど……
・陽が落ちる直前、辺りが暗んでくる頃。コレゥさんが焦って私たちの方にやってくる。彼女によると、ジンボ・ウヨーが荷を積んだ馬と共に消えたようだ。…やりやがったな。これからご飯だったのにさ。
・それと同時に、トっさんとヨブっちが異変に気付く。森の暗がりの中に、なにか居ると言っていた。かわいい動物……じゃないだろうね。戦闘態勢をとって待ち構えていると、数体の蛮族が飛び出してきた。奴らは……レッサーオーガだ。人を喰うと人の姿を模倣できるんだっけ。今まで対峙したことはないのに、私は奴らのことを知ってる。正直、今の私たちの敵じゃないことも。
・奴らとの戦闘は容易くカタが付いたけど、トっさんの戦いぶりはすごかった。体格差をものともせず、涼しい顔してレッサーオーガたちを投げ飛ばす姿といったら。ちょっと、見る目変わるかも。

・倒した後辺りを調べると、無数の足跡の中にひとつ、逆行する足跡を見つけた。これが奴の足跡かもしれない。その足跡はバックトラックなどを駆使して攪乱しようとしていたが、私には通じない。バカの考えなんてお見通しだから。その隣で、トっさんはでっかい足跡?に興味を取られていた。やっぱ子供じゃん!

・足跡の向かった先へ向かうと、洞窟が見えてくる。よく見てみると、洞窟というよりは坑道というべきか、壁や入口は梁で補強されており、人の営為があったことが分かる。ここに蛮族どもが詰めているのかな。壁になにか地図?見たいのが描かれていたのを誰かが見つけ、トっさんが持ってきた地図と見比べていた。何してるんだろう。
・地図を見比べた感じ、ここは旧ホルデス村の坑道で間違いなく、広い道と細い道があるらしい。どっちに行くかという話になったけど、広い方がいいに決まってるでしょ!
・旧ホルデス村の真下より先に、謎の空間があるのがさっきの地図でわかったから、そっちから行くことにした。

・その空間には山積みにされた冒険者向けの物資がたくさんと、荷馬が1匹、それに筋骨隆々の男が1人。あれは間違いなくジンボ・ウヨーだ。……やっと見つけた。
・レイちゃんが奴に音もなく、瞬時に忍び寄り首元にナイフを突きつけ拘束する。………怖。奴は悪びれた様子もなく、拘束から逃れ戦闘態勢をとろうとする。食ったんだな、人を。すぐに潰すから。
・トっさんが軽々と奴を投げ飛ばす。そこに一撃叩き込んだけど、あまりダメージを与えた感じはしない。ヨブっちは腰を落とし、じっくりと狙いを付けていた。初めて見る構えだ、かっこいい。
・奴は体勢を立て直しながら、オーガの姿に変化した。そしてそのまま、魔法を行使した!
・眩い雷が轟音と共に、私たち目掛けて駆け抜ける!少し目を閉じてしまった間に、テンくんの叫び声が辺りに響いた!後ろを振り向くと、煙を発しながら、全身が所々焦げたテンくんが膝をついている。大丈夫!?と呼びかけたけど、返事がない。ただ息はあるようだ。……やっぱ魔法って怖い。
・トっさんがもう一度やつを投げ飛ばし、地面に叩きつけられる。その瞬間を狙っていたのだろう、ヨブっちが正確無比な銃撃を放つ!放たれた弾丸は奴の首を撃ち抜き、おびただしい出血と共に首を押さえ、もがき苦しんでいる。間違いなく致命傷だけど、念には念を入れよう。
・トっさんに奴をもう一度投げ飛ばしてもらう。両手で武器を構えた私の元へと。山なりの軌道を描き飛来するオーガの鳩尾へ、全力で武器を振り抜く!奴は血混じりの泡を撒き散らしながら吹き飛び、動かなくなった。私たちの勝ち!!!

・その後は遅れて来た雑魚を蹴散らし、数多くの商人から奪ったであろう冒険者用物資を運び出し、グランゼール行きの街道を再び進む。その後は特に何事もなく護衛は終了した……。レイちゃんとトっさんの料理以外は。
・正直料理の名前とかは分かんなかったけど、すごく美味しかった!やっぱ手料理はいい。1人で野宿してると保存食しか食べられないもんね。保存食だって大好きなんだけど、料理はもっと好き!!!

第7話《改宗された村を救出せよ》

詳細

・………………そろそろ冒険がしたい。超、したい!前回の冒険ではそんなに傷つかなかったから、休息の時間もそんな必要なかったし。
・そんな思いでハーヴェスを訪れて、ギルドをいくつか回ってみると、皆が既に集まっていたのを見つける。レイちゃんとクィルンは初対面みたいで、自己紹介してた。前にレイちゃんについて話しておいたから、知らない訳じゃないと思うんだけど、なんだかぎこちない感じがする。まあ、レイちゃんだもん、そうなるよね。それにしてもつれないなあ、何で誘ってくれなかったのさ!
・そんな感じで私が抗議してると、綺麗な格好した少年が私たちの元へやってきた。姿勢もいいし、なんかこっちまで背筋伸びちゃうな。その子は丁寧な口調で私たちに挨拶してくれた。名前は聞いても教えてくれなかったけど。知りたいのに~~~!!
・その子の用件としては、私たちに依頼をしに来たようだ。さるお方たちが、最近勢いのある冒険者の私たちに頼みたいことがあるという。え~、照れちゃうな。ほぼファンレターじゃん!有名になったんだ、私たち。なんだか感激。でも一体、どんな人たちからのどんな依頼なんだろう?
・その疑問の答えや、依頼の内容は書面にまとめてあるようだ。早速読ませてもらうことにしよう。

・依頼人は…………対奈落教会議一同さん?というらしい。名前長っ。全く聞いたことない人たちだし。どんな人たちなのか皆に聞こうと思って、後ろを振り返ると、テンくんの様子が少しおかしい気がする。他のみんなはピンと来てないみたいだ。私とおんなじだね。
・わかんないから一応皆に聞いてみると、やはりテンくんが普段に比べると大きな声で答えてくれた。やっぱりおかしい気がする。もしかして、この人たちのファン?
対奈落教(たいならくきょう)会議(カンファレンス)は文字通り、邪教である奈落教に対抗する者たちが国家の枠を超え集まった組織である。この組織の幹部たちは社会的な地位のある方が多く、メンバーも公にしていない。ただ、こうして時折実力のある冒険者や組織に支援を行い、奈落教信者の反社会的行動に対抗している。…………と教えてくれた。詳しいな、テンくん。まあこの子の身なりを見る限り、依頼者が地位の高い人なのは間違いないと思う。
・依頼内容は、村を侵食した奈落の魔域を破壊してくれ、というものだった。詳細としては、ハーヴェス北にあるストレー村という開拓村にて、奈落の魔域が発生したそうで、これを放置してしまうと魔神がそこから現れ、甚大な被害をもたらしてしまう。それを未然に防ぐため、魔域内部にある「奈落の核」を破壊し魔域を消滅させてほしい。というものだった。
・それは大変なことだ……よね?正直魔神とかは馴染みが薄くて、想像が難しい所ではあるけど。まあ、いつもとやることは一緒だ。困ってる人がいたら、助ける!それが私たち冒険者の仕事で、使命で、存在意義だから!
・そうして意気込んでいると、以前魔域へ行ったことがあるクィルンが知っていることを話してくれる。一度魔域内部へ入ると、核を破壊するまで出られないこと。その核は蛮族や魔神が守っていて、そいつらを倒さないと出るのは難しいこと。そして魔域内部は全部がめちゃくちゃで、時間の流れ方もおかしいし、人の思いが具現化することだってあるようだ。
・よくわかんないけど、すごい場所なのは分かった。みんながそう思ってるかはわからないけど、楽しみ!なんにせよ、皆受ける気は満々みたい。やろう!!

・受注の意思を伝えると、少年は深々と頭を下げる。やっぱり礼儀正しいな~。子どもはもっと生意気なくらいが丁度いいと思うんだけど。村ではみんなそんな感じだったけど、まあ人それぞれだよね。
・その後前金として、銀貨袋を渡してくれた。……サラッと渡されたけど、かなりの額だよ、これ。旅路は数日かかるから、その間かかる費用にして欲しいと伝えられた。ありがと~~!

・ストレー村への道中は、問題なく進めた。…………テンくんが謎の猫を連れてきてたのが気になったけど。テンくんに聞いてみると、これは使い魔で、連れているとマナを肩代わりしてくれたり、夜目が利くようになったりするようだ。テンくんは猫派か。
・まだ名前が決まっていないのか、この子のことを猫としか呼ばないのが気になる。ニコラの猫なんだから、ニャコラでいいのにな。宜しく、ニャコラ!そう言うと、今まで見た事ないくらい嫌そうな顔をしていた。めっちゃいいと思うんだけどな、ニャコラ。後で皆にニャコラ呼びを定着させておこうっと。
・その後は野犬とかが来ることはあったけど、簡単に追い払える程度の奴で、怪我したりすることはなかった。疲れることはあっても、レイちゃんの料理ですぐ元気になれるし。食材も結構豪勢に揃えたから、スープも具たくさんでおいしい!!!味は濃くなくて、食材の旨みを最大限に引き出していて疲れた身体に染み渡る味だ。ずっと私のためにスープ作ってくれないかな~……。

・数日して、村だったであろう場所が見えてきた。……今は、どす黒いドームになってるけど。あれが魔域だよね。いかにも、って感じするな。より近くになると、その大きさがはっきりわかる。
・ストレー村まるごとに加えて、その近くの川まで取り込んでいるみたいだ。規模はかなり大きい感じがする。他を知らないから断言はできないけど。
・じゃあ、早速魔域に入ってみよう。中で何が行われてるかわかんないけど、いい事が行われてるわけないから。助けないと!そう思いながら、どす黒いドームに飛び込んだ。
・一時、私を黒すぎる闇が包み、世界を真黒に変色させる。次に光が見えた時。辺りの景色は一変していた。

・魔域内部は薄暗く、外の光は届いていないようだ。それでも眩しく感じたくらい、外と魔域を隔てている壁の中は暗かったけど。目が慣れてくるにつれ、魔域内が外と別世界であることを嫌でも認識させられることになった。村の端を流れる川は紫色に変色し、近くの耕作地ではどす黒い穂をした稲が無数に植えられている。辺りからはミィルズ様を賛美する声が無数に響いている。……うへえ、とんでもないとこ来ちゃったな。
・少し遅れて、皆が入ってきた。誰にとってもやはりこの光景は異様なようで、皆も辺りを見渡していた。――――早く何とかしなきゃ。

・初めに訪れたのは、入ってきた場所からすぐ近くの耕作地。例のヤバ稲穂が沢山植えられていて、奥の方にはその稲を生で次々に貪り食っている男がいた。それなのに痩せ細ってるし、明らかにヤバいな、これ。
・その男に話を聞こうとしたんだけど、意思疎通はかなり難しそうだった。味を聞いても、食べろとしか言わないし。無理やり食べさせようとしてきたけど、とりあえず押さえて稲だけ受け取ることにした。
・……後で、罰ゲームに使おう。そういう軽い気持ちで受け取ったんだけど、正直冗談で使えないくらいヤバい物なのが手に取ってわかった。
・魔神への供物かなんかだろうか、食べるとこの男の人みたいになっちゃうんだろう。常にこれを食べていても、こんなにガリガリになっちゃうんだし、栄養だって何も無いはずだ。それに、根拠は無いけど、これを食べると魂や精神に作用する気がする。

・このことを伝えると、それならと言いテンくんが男を正気に戻す魔法を使った。なんでも出来るんだなあ。
・たちまち男は正気に戻り、口の中に残っていたぐちゃぐちゃの稲をえずきながら吐き出した。うんうん、全部出した方がいいよ。落ち着いた後、味を改めて聞くと、味はないと教えてくれた。ただ、食べなきゃいけないという衝動に突き動かされ、食べずにはいられない状態になってしまうようだ。食べても空腹は満たされないのに、それしか食べるものがないから、あんな有様になっちゃったみたい。
・……こんな形で食事を歪めるなんて、許せないかも。食べるのってあんなに楽しいのに。
・いつからこうなったか聞いてみると、詳しくは覚えてないが、ミィルズの神官を名乗るファットという人物が村に来てからかもしれない、と教えてくれた。それまでは日照りによる水不足が原因で、村に食料がほとんど無い状態だったそうだ。……だが少なくとも、ミィルズ様はこんな惨状を作り出したりしないはずだ。その神官に話を聞かせてもらわないとね。
・となると、男が身につけているミィルズの聖印も怪しいだろう、とテンくんが言い出した。確かに!!!!
・テンくんが魔法を使うと、その聖印の本来の姿が明らかになる。ミィルズのかわいいシンボルは、たちまち牛の頭部みたいなシンボルに変化する。やっぱり偽物だったんだ。これもその神官から受け取ったみたいだし、神官はほぼクロだよね。
・テンくん曰く、このシンボルは第二の剣の神格、狂神ラーリスのものらしい。主に魔神達に信仰されており、教義としては、完全なる自由を最重要視しており、やりたいことをやるという内容だと教えてくれた。
・……正直、教義自体は悪くないかもと思った。私は自由にやるのが大好きだし。今だってやりたいようにやってるだけだから。その雰囲気を察したのか、ラーリスが異端扱いされるのは、その自由のためにアンデッドの使役や死者の蘇生、さらには魔神の召喚すら許容している点にあるんだと釘を刺してきた。流石に信仰はしないもん!
・……皆が自由にやりたいことやってたら、その「やりたいこと」は絶対に衝突してしまうことくらいわかってるし。今までの戦いだってそうだったから。それに私には、今まで戦ってきた奴らの「やりたかったこと」を尊重することは絶対にできない。そう考えると、真の意味で私がラーリスを信仰するのは無理そう。
・ただ、聖印は私が身につけておくことにした。みんな嫌がったし。仕方なく、ね。
・最後にもうひとつ、男が心配事を話してくれた。今までこの村にはティダン神の神殿があり、そこに気立てのいい神官のサニーという女の子がいたそうだ。だが、日照りによる飢饉の影響で、ティダン様を村人が恨むようになっていったと。その子の安否が気になると教えてくれた。もちろん、全員助けるから。大船に乗った気持ちでいてね!腹ぺこの男に(クィルンが)保存食を渡して、先を急いだ。

・広場に出ると、おばちゃん達が井戸端会議をしていた。こんな状況でもおばちゃんたちは井戸端に集まるんだなあ。ただ、話している内容はミィルズ様についてばかりで、正直面白い内容じゃない。
・聖印もあるし、ミィルズ信者のフリして挨拶だけしといた。ラーリスの聖印でもここの人たちに違いはわからないみたいだね。

・家屋が集まった区画に向かうと、辺りにカチャカチャという食事の音だけが全ての家から響いていた。かなり不気味だ。食事ってもっと楽しくやるものなのに。
・周囲を少し見回ると、他の家に比べて少しだけ大きな家を見つけた。村長の家のようだ。表札にもそう書いてあるし。ノックしてみたけど、返事がない上、鍵もかかっていなかった。完全に生気を失ってるのかな?
・中へ入ると、痩せ細った老夫婦が皿の上の料理っぽいものを口に運び続けていた。他の家もこんな感じだろうな。話しかけてもやはり返事は無い。うーん、どうしよう。
・クィルンとレイちゃんが家の中を軽く探索すると、醜く肥え太ったミィルズの神像を見つけた。もっと美少年だって聞いてたんだけどなあ。少なくとも、ガメルスマイルにある神像は可愛かったのに。
・なにかその像に良くないものを感じたのか、レイちゃんが武器を突き立てようとした。その瞬間、像がちっちゃい魔神?に変化し宙を舞い出す。なんだコイツ、監視でもしてたのか?
・すかさずクィルンが正確な一撃でその魔神?を串刺しにする。魔神?は断末魔をあげ、瞬時に霧散した。辺りに残ったのは奴の血溜まりだけ。なんだったんだ?
・クィルンとテンくんが教えてくれたけど、奴はインプという魔神の中の下っ端らしい。他の魔神にこき使われているようだ。……魔神の世界も楽じゃないんだね。
・一通り探索が終わった。けどこの人たちを元に戻すより先に、諸悪の根源を打ち倒すことにした。心苦しいけど、すぐに解放するから、少しだけ待っててね!

・次に向かったのは元ティダン神殿。……今はどうなってるかわかんないけど。
・中に入ると、まず目に付くのは正面にあるデブの神像。これも魔神が化けてるんじゃない?後でぶっ壊しておこう。
・その神像の周りにはおっきめの岩の破片が散らばっていた。よく見ると……これはティダン様の神像の破片みたい。ティダン様ぶっ壊して、代わりにこんなデブ置くなんて。何考えてるの?
・皆が探索している間、デブの像を徹底的に破壊しておいた。気分爽快!

・みんなが探索から戻ってくる。手がかりは特になかったようで、謎の疲労感に襲われる。……なんかここおかしいかも。あんまり長居しない方がよさそうだ。
・もう一度探索してみると、新しく隠し通路を見つけることが出来た。中はかなり狭く暗闇で、クィルンには辛そうな道だ。他は皆夜目が利くし。
・エルフ2人(内ナイトメア1人)、クィルン、私の並びで進むことになる。私を最後尾にして良かったのかな……?意味もなく大声出しちゃおうっと!
・実際にやってみると、クィルンがすっごく驚いてくれた。面白。皆には普通に呆れられたけど、いいもん。やりたいことはできたし。

・真っ暗な通路を抜けると、その先は村はずれの墓場近くに通じていた。この通路から、村の家屋に伸びる足跡が続いているのがわかる。わかるんだけど…………見失っちゃった。クィルンは追跡できたみたいで、皆でクィルンの元へ集まると、そこには倉庫みたいなちっちゃい建物があった。他の家と違って、食事の音が聞こえてこないのが気になるな。
・ノックしてみると、バタバタという物音が聞こえ、少しして食事の音が聞こえ出す。なんか慌ててるみたい。少なくとも、この人たちは正気なのかも。

・中に入ると、明らかに憔悴した様子の女性が渋々といった感じに、パッサパサの古そうなパンを口に運んでいる。ほかの人たちに比べるとまともなものを食べてるけど、それでもかなりの粗食であることには変わりない。この村がどれほどの食糧難だったのか、伺い知れる気がする。
・その女の人は私たちを見るとビクッと体が跳ねたけど、すぐに食事を再開した。多分私たちが村の人々と同じだと思ってるんだろうな。まあ、無理もないよね。その誤解を解きたかったのと、ちょっと驚かせたくて、「ラーリス様万歳!!!!!!」と叫んでみた。その子は目を丸くしてたけど、皆にはスルーされちゃった。こいつちょっとバカなんです、なんて言ってくれちゃってさ。ひどいよ!!!
・結局誤解は解けて、奥の物置に隠れていたもう一人の女の人が出てくる。彼女がティダンの神官、サニーちゃんだ。例によってやつれちゃってるけど、オレンジ色の明るい髪と綺麗な朱色の瞳に宿った光に、意思の強さが感じられる。彼女曰く、やはりファットが今回の件の首謀者で、いつも酒場にいること。そして、ファットが二人いたのを見たことを教えてくれた。理由やタネはわからないけど、早く奴を止めないといけない。やつれていた二人に保存食を渡して、先を急ぐ。人目を避けたいから、川沿いに酒場に行くことにしよう。

・川に行く途中で厩舎の近くを通った。そこで見た光景は、ひどく冒涜的でおぞましいものだった。厩舎にいるはずの馬はいなくて、代わりになんかよくわからない獣がいて。その獣は生きながらに村人たちに肉を削がれ、食べられ続けている。獣は倒れる様子もなく、すぐに肉が再生されまた削がれる、それがただひたすらに繰り返されていた。……思わず顔が引きつる。あれはアザービーストの一種らしいが、稲ならともかく肉を削ぎ取りそのまま食べるのは、ちょっと。生々しすぎるかな。それに、あの肉を食べるのも絶対に良くないはずだ。そもそも生だし。
・そう考えて獣にオブスタクルバスターを振り下ろす。村人も特に動じることなく、獣にトドメを刺すことに成功した。魔神の仲間とはいえ、ちょっと可哀想だもんね。楽にできてよかった。ただ、村人たちはまだ正気に戻せてないから、彼らは獣の亡骸に群がって肉を切り分けている。……早く何とかしなきゃ。

・川の近くに差しかかると、なんかエビみたいなのがいっぱいいるのが見えた。ただ、エビにしては大きすぎる。子供くらいのサイズはあるし。
・あれが何か聞いてみると、テンくんとクィルンは知っていたみたいで、あれがエルビレア、という魔神の一種だと教えてくれた。個は大したことないけど、大量に現れることがしばしばあり、その場合脅威になりうるといった感じのヤツらしい。今回も割と数がいるみたいだけど、私たちの敵じゃないでしょ!
・そうして奴らの駆除が始まった。
ひたすら斬って、殴って、魔法で吹っ飛ばす!!!特に問題なく駆除は終わった。やっぱり、私たちの敵じゃなかったね。その後、一応素材を採取したけど、採れた甲殻を見てクィルンが驚いていた。これはアビスシャードといい、武器の特殊な強化に使うようだ。そういえば、私も一つ似たようなのを持ってたっけ。……村に置きっぱなしだけど。今回材料が集まったらやってみようかな。

・こうしてエビも駆除できたし、残るは酒場にいるデブだけだ。皆で酒場に乗り込もう。早くぶっ飛ばしたくてたまらないしね。
・私とクィルンで酒場のドアを勢いよく開けると、やせ細った人々の真ん中で、一際肥え太った男が食事を楽しんでいるのが見える。奴が例の神官、ファットだろう。自分だけいいもの食べやがって、クソデブが。この村でどうやったらそんな太れるんだろう?
・私が奴に向かって大声で名前を呼ぶと、奴は気味の悪い笑顔を浮かべながらこちらに話しかけてくる。
・「おやおや、騒がしい方々だ、私に何の用ですか?」と、奴は言う。お前のせいだからな、私たちが騒がしいのは。いいから、とりあえず表に出ろ。そう言い返す。
・すると奴は「私はミィルズ様の命に従っているだけですよ。まあ、落ち着いて下さい。これでもいかがですか?」と言い、色のおかしなパンを差し出してきた。……ムカつくな、下手な芝居打たれると。この期に及んでまだ逃げられるつもりでいるのかな?こいつは。
・これ以上、こいつの芝居に付き合うのもうんざりだし、ここらで私たちのスタンスを分からせた方がいいと思うんだ。
・横にいるクィルンと顔を見合わせ、頷く。私と考えは一緒らしかった。奴がなにか言いかけたのを遮り、2人で前へ駆け出す!そのまま、正面にあるテーブルを2人で蹴飛ばし奴に激突させた!奴は呻き声をあげて後方に吹き飛び、地面に倒れ伏す。
・どう?わかったかな?――――私たちが何しに来たか。

・奴が起き上がった時、さっきまであった余裕のにやけ面は無く、見るからに敵意剥き出しの顔がそこにあった。周りの村人も、今にも私たちへ襲いかかろうとしている。さあ、ここからだ。村人を傷つけずに、奴を表へ引きずり出そう!
・多数の村人が私たちに襲いかかる。かなり人数は多いけど、栄養失調なのか動きは鈍い。人々の攻撃をかいくぐりながら、奥にいるデブの襟元に手を伸ばした。奴は私の手を払い除けようとしたけど、それにはちょっと力が足りないかな。
・………………はい掴まえた。大変お待たせ致しました。デブ一人、テイクアウトのお客様。
――――はーい!!!!
・掴んだ片腕で奴をぶん投げ、窓をぶち破り表に出す。私たちも窓から外へ出ると、ガラスが節々に突き刺さったファットが地面で呻いているのが見えた。いい気味。……でも、こんなもんじゃ済まさないから。
・奴の胸元に跨り、顔面に狙いを澄ます。そのまま、オブスタクル・バスターを全力で振り下ろした!肉と骨が潰れる音がして、奴の顔面に重い球がめり込む。武器を上げると奴は、ぐちゃぐちゃになった顔面で笑みを浮かべていた。この状況で笑えるなんて、どんな趣味してるの?ちょっと怖いんだけど。
・すると、ファットの身体がどんどん膨張していく。……超キモい!膨張は止まらず、今にもはちきれんばかりだ。なんか、爆発しそうな気がする!!明らかにヤバい気がして、奴の近くから飛び退いた。盾を構え、衝撃に備える。それから数刻して、奴が弾け飛んだ!!
・………………けど実際に起きたそれは、爆発というより破裂の方が近かったかな。でっかい風船が割れた感じ。音は大きかったけど、私たちに危害を加えるようなものではなかった。ビックリさせないでよね、もう!
・爆ぜる前、奴がいた場所には血がびっしりとこびり付いていた。……悪魔の血?膨らんだのもそうだけど、やつは魔神だったのかな。そうこぼすと、クィルンが何か思い当たることがあるような素振りを見せる。アレはダブラブルグじゃないか?と。人に擬態できる魔神らしい。守りの剣でも防げないことから、かなり危険度が高いとされているようだ。怖。
・酒場の村人は特に怪我もなく、無事なようだ。ただ、皆突っ伏してしまっている。そんな栄養状態であんなに動いたらそうなるよ!!ごめんけど、もう少し待っててほしい。本物のファットをぶん殴らないと。
・そう考えながら酒場を出たところで、神殿の方角からただならぬ雰囲気を感じた。みんなも同じように感じたようで、顔を見合わせ、神殿へと急ぐ。

・神殿に近づくと、禍々しい感じが強まっていく。中に入ると、デブが像のあった位置に立っているのが見えた。私たちを見つけると、なんか支離滅裂なことを喚き散らす。うんざりして、みんなが武器を抜いた所、奴は泡を吹いて倒れた。弱っ。
・……でもその背後から何か門の様なものが開き、そこから異形が何体も湧き出てくる。巨大な獣頭の男に、いかにも硬そうなやつ。それにエビ。魔神って変なのしかいないな。クィルン曰く、あのゼヌンというらしい獣頭男の魔法、それにアルガギスという硬そうなやつの突進には気をつけた方がいいようだ。確かに、モロに食らったらかなりヤバそうな感じはする。てか、魔神についてすっごく詳しくない?クィルン。勉強したのかな……。

・かなり緊張感のある感じで戦闘は始まったけど、戦況は意外と楽に進んだ。ただ、私がエビにぶん殴られたのと、クィルンがアルガギスの突進をモロに食らったのが痛かった。アルガギスの攻撃は、アレを食らったらタダじゃ済まないってくらいの突進だったけど、クィルンは耐えていた。……丈夫すぎない?
・その後はやはり、硬いアルガギスを倒すのに手こずったけど、テンくんの魔法が空間ごと奴を切り裂き、戦闘は終了した。味方の魔法は本当に頼もしいね。

・戦闘が終わった後は、白目剥いて倒れているデブを簀巻きにして拘束しておく。これは完全な偏見だけど、なんかこいつ逃げ足早そうだし。
・拘束も終わったから、正直早く魔域から出たい。村を解放しないといけないし。どうやって出るんだっけ?なんか核を壊せばいいって言ってたような。紫色に妖しく輝くこれかな?クィルンに聞いてみたけど、これで合ってるみたい。デブの隣にあるそれを、ぶん殴って破壊した。これでいいのかな?
・ぶっ壊して少しすると、魔域内が揺れ始める。なんか、ヤバそうなんだけど。クィルンに聞くと、魔域は核を壊すと数時間で崩壊してしまうようで、そこに取り残されると、どうなるかわからないと教えてくれた。…………あれ?これヤバくない?
――――村のみんなを急いで外に出さないと!

・皆で手分けして、村の人々を外に誘導する。幸い正気には戻っていたから、誘導はスムーズにいったみたい。ただ、私が担当した酒場の皆は動く元気がなさそうで、まだ床に突っ伏している。よし。覚悟を決めて、両腕に人を抱えて神殿へと走る。これをひたすら繰り返し、酒場の全員を運び終わった。誘導が早めに終わったクィルンやテンくんも手伝ってくれたから途中からはかなり楽だった。ありがとう!!!!
・魔域内に残るのが私たちだけになったところで、魔域内の揺れがいっそう強くなる。そろそろ出ないとマズそうだね。早足で魔域の出口へと歩みを進め、いっせいに中へ飛び込んだ!入る時に見た暗闇が明るみ、気づくと。村の真ん中に私たちは立っていた。一応辺りを見渡してみると村近くの川は透明で、稲の芽も緑色だ。外だからすごく明るいし。村を魔域から解放できたんだ。良かった……。

・それからすぐに、村の外から誰かがやってくる。荷車と共にやってきたその男の人は、ハーヴェスからやってきた商人で、日照りによる飢饉の報告を受けて、食糧を届けにやってきてくれたようだ。……なんか行きに会ったような気もするけど、気のせいかな?
・村の皆に大鍋で作った料理が振る舞われる。献立は量が作れて調理も容易なスープに、パンがついてくるようだ。パンまであるなんて……最高。
・村の人々はこんな料理を食べるのがすっごく久しぶりだったのか、みんなすっごくいい顔をしてた。それに、食べながら泣いてる人もいたし。やっぱ美味しいものを食べるのって幸せだよね~!私も貰って一口頂く。具材たっぷりで美味しい!それに身体が芯から熱くなるような感覚を覚えた。……疲れた身体へ熱と共に元気が満ちていくような感じだ。
・こういう感じは初めてだったから、商人のおっさんに聞いてみた。すると、ジンジャーという香辛料がたくさん入っているからな、と教えてくれた。それは香辛料ということで、かなり値は張るものだが、匿名の封書とお金を身なりのいい子どもから渡され、そのお金で買うことが出来たようだ。あれ?その子って……。

・もしかしたら、あの子も来てるかも。そう思って村を少し歩き回っていると、仲間たちとその子が一緒にいるのを見つけた。抜け駆けしちゃダメでしょ!!と抗議したけど、食事の匂いにつられてどっか行ったのはお前だろ、と言われてしまった。いやいや、食事の匂いにつられない方がおかしいよ!
・その子が改めて私に感謝を伝えてくれる。この感じだと、多分皆には伝え終わったあとなんだろうな。また機会があればお会いしましょうと言いながらこの場を去ろうとするから、その前にずっと気になっていたことを聞いてみた。……この子の名前を。前は答えてくれなかったけど、今なら答えてくれるかもしれないし。
・質問を聞いたその少年は、目を丸くして、ちょっと考えてから、こう答えた。


――――――バード、といいます。では、また。

第8話《青空を繋ぐレヱルロオド》

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・久々にハーヴェスへと戻ってきた!!2ヶ月くらいかな?その間は村でゆったり過ごしたり、村長に言われて各地を軽く旅してた。なんか会っといた方がいい奴がいるとかなんとか言われて。まあ、会えなかったんだけどさ。その「会った方がいい奴」カレンって冒険者は各地を転々としてるみたいだから、会うのは骨が折れそう。まあ、暇なときにゆっくり探そうかな。
・今はやっぱり、久々にみんなに会っておきたい。1人で旅してると、どうしてもやっぱ寂しいし。それに、みんなはこの2ヶ月間なにしてたんだろう?それも気になるからね。

・例によってハーヴェスを回ってると、みんなは〈青空の船出亭(ブルーノーズ)〉に集まっていた。みんな~!!!!!!
…………その「うげ」って感じの顔やめない?
・みんなは私がいない間、お化け屋敷に行っていたと教えてくれた。ついでに悪人をとっちめて、新聞にもちょろっと載ったらしい。楽しそうなことして、ずるいなあ!!

・話を詳しく聞き終わったところで、ギルド長の人がこちらにやってくる。この流れは……依頼だ!最近、なんかわかってきた。
・ギルド長さんの要件はやはり依頼のようで、応接室に通される。入ると、超デカい声の挨拶が飛んできた。負けてられない!私も大声で挨拶を返した。
・そこに居たのは、かなり声が大きく、身振りも大きい、暑苦しい男。ガイド・ガイと名乗るその男は、私たちにドーデン地方行きの魔動列車に同乗してもらい、非常時の対応をお願いしたいようだ。非常時の対応……皆まで言う必要もないよね。危険への対処だ。実際、その列車はランドール地方から移動してきていて、何度か軽い危険にも遭遇したのだとか。ランドール地方、危ないらしいもんね。……実感は無いけど。
・詳細を聞き終わり、ガイド…なんとかさんは再度デカい声とともに頭を下げて依頼してくる。かなり面白そうじゃない?ドーデン地方にも行ったことないし。皆も考えは同じのようで、受注を決めることにした。それを伝えると、またまたデカい声で感謝を伝えてくれる。どういたしまして!!!!!!!

・そうした後、列車が停留しているというハーヴェス外れの地点まで向かう。そこには昔に使われていた駅の跡があるらしく、ある程度補修してそのまま駅として利用しているらしい。……正直、ハーヴェスに来てしばらく経つけど、そんなの全く知らなかった。列車なんて見たこともなかったし。私たちのお膝元であるハーヴェスですらこれなら、世界はまだまだ知らないことだらけなんだろうな。
・駅に着くと、そこには依頼人のなんとかさんと、ルーンフォークの女性が3人、ティエンスの男の人が1人が私たちを待っていた。その人たちの横にある巨大なこれが魔動列車なんだろう。これが動くなんて、正直信じられない。高速で走るなんてなおさら。
・ガなんとかさんが、私たちに対し、魔動列車の紹介をしてくれた。「これが今回乗車して頂く魔動列車、〈ジオコントレイル号〉ですッ!!!」って感じに。ジオコントレイル号……最高じゃん!!
・ジオコントレイル号の中には、豪華な客室に始まり、売店、果てにはお風呂すらあるそうだ。まぎてっくのちからってすげー!

・早速皆で乗り込み、中を一通り見てみた。中は綺麗かつ絢爛、こんなので旅が出来たら最高すぎると思う。いい客室に、大きなお風呂まで完備されてる。浴室も男女分かれてるし。
・ただ、一つ問題があって、いい客室が4つしかない。私たち、5人なんだけど。仕方ないから、レイちゃんと同じ部屋にしようと提案したら、そそくさと部屋に入って、鍵までかけられてしまった。そんな嫌?泣きそう。まあ後で遊びに行くし、いいか。
・男性陣は特に異論なく、皆同じ部屋でいいかということになっていた。その方が遊びに行きやすいし、こっちとしても助かる~。

・暫し列車で時を過ごしたあと、昼食が出ますよ~とルーンフォークの女性達に呼ばれた。すぐに食堂車に向かう!席で待ってると、少しして男性陣が、それからまた少ししてレイちゃんが食堂車に現れる。みんなが揃うとすぐに、食事が運ばれてきた。
・献立は……濃厚な卵黄が、焦げ目のついたベーコンとアルデンテのパスタに美しく絡みつくゴールデンカルボナーラに、辛みのある匂いが食欲を刺激するレッドチリビーンズ(とパン)だ!匂いでもう美味しいのがわかる。こんな好待遇受けちゃっていいのかな?
・想像通り、いや想像以上に味は最高だった。特にカルボナーラは絶品そのものって感じ。毎日でも食べられるな、これは。チリビーンズも旨辛って感じでバクバク食べられる。クィルンはこっちの方が気に入ってるみたい。

・食事を終え、列車内を走り回っていると。急減速したのか、倒れて顔面を強かに打ち付けてしまった。いたい!!!!!!!
・打ち付けて赤くなったおでこをさすっていると、車内にガイなんとかさんの声が響き渡る。問題が発生したため、操縦室まで集まって欲しい、とのことだ。やっと私たちの出番だ。出番なんて無い方が本当はいいんだろうけど、それだと寂しいもんね。
・そうして集まった操縦室で、問題の説明をされた。線路上にでっかい虫が居座っており、このまま進むと事故になるから何とかしないといけないということらしい。実際、双眼鏡を借りて線路の先を見てみると、確かにでっかいムカデみたいのが線路を食べてる?のが見えた。……そんなに虫嫌いな方じゃないけど、アレはちょっとやかも。
・アレは「プレーンセンチピード」という生き物で、よく線路の魔晶石を食べに来るらしい。悪気はないんだろうけど、ちょっとどいてもらわないといけないね。奴らは火を怖がるみたいだから、油と松明を使って追い払うことにした。
・レイちゃんと私で静かにムカデの近くへ近付く。……スピードには雲泥の差があったけど。まあ、バレなかったからいいもん。問題なく、追い払うことには成功したし。ただ、ムカデ達のいたところに綺麗な外殻が落ちていたのを見つけた。とりあえず持って帰ったけど、これは魔法の威力を少し弱める効果があるらしい。……へえ。大事に持っとこっと。

・その日は、特に問題なく終了した。ただ、夕食も凄く豪華で。鯛を塩の山に埋めて焼いた、「塩釜シュブリーム」が出てきた。……おめでたい席?
・言うまでもなく、味は最高だ。塩がいいものなのか、塩辛さも単調じゃなくて、超おいしい。
・ご飯の後は、人の部屋に遊びに行ったり、お風呂に入ったりしてゆっくり過ごした。……レイちゃんは部屋開けてくれなかったけど。まあ明日会えるからいいか。

・次の日。ルーンフォークのお姉さんたちによる朝食のお知らせで飛び起きる。準備して部屋を出ると、男性陣は既に準備完了していたようで、部屋の前で雑談していた。ただ、レイちゃんが全然出てこない。ドアをノックして名前を呼んでも、唸るような返事しか聞こえてこない。みんな一緒に食べようよ!!!ねえってば~!!!!!
・そんな感じをしばらく続けていると、ようやく出てきた。なんというか。……「水が嫌いなのにずぶ濡れになっちゃった長毛犬」みたいなレイちゃんが。無理に起こすとこうなっちゃうのか。……また見たいな、これ。

・一足先に食卓につくと、すぐに料理が出てくる。朝食はパンとマーマレード、それにハムエッグまで着いてくるご機嫌な朝飯だった。昨日の食事に比べるといくらか素朴だけど、朝だからそれがいい。ペロリと平らげた。……レイちゃんはまだ時間がかかりそうだけど。
・それから少しして。思い思いの時間を過ごしていると(私は走り回ってた)。突然、列車が急減速する。またか!!!言うまでもなく、走り回っていた私は転んで肘を強かに打ち付ける。あのじーんって嫌な感覚が腕に広がった。いたい………><

・今度はなんだろう。そう考えると同時に、例のなんとかさんからアナウンスがあった。「皆さんッ!!近くの列車が襲われていますッ!蛮族列車強盗団(バルバロス・トレインレイダーズ)にッ!」……バルバロス、トレインレイダーズ?何それ!!ロクなものじゃないのは分かるのに、カッコいい名前しちゃってさ。ズルい!!
・私たちが車窓から様子を見ると。別の列車が蛮族たちに囲まれてるのが見える。といっても、大抵はフーグルとか、フッドみたいな、大したことない蛮族の集まりみたいだ。少しボルグとかも居るけど、私たちの敵じゃない。………普段なら。
・………数が多すぎる。50体くらいはいそう。こんなのは初めてだけど、尻込みしてる場合じゃない。早く、あの列車の乗客たちを助けるんだ。

・そうして、蛮族列車強盗団との乱闘が始まった。襲われている列車に乗り込み、蛮族共を一網打尽にする。みるみるうちに蛮族の数は減り、10秒もしない内にカタがついた。強いなー、私たち。
・ただ、これで終わりじゃない。襲われていた列車は損傷も激しく、怪我した人も沢山いる。早くなんとかしないと。一番動けるのは私たちだろうし、分担して作業にとりかかった。
・魔動機に詳しいヨブっちは列車の修理、私とクィルンで負傷者の状態を確認、神聖魔法が使えるテンくんとレイちゃんで治療にあたる、って感じで。
・この分担はかなり功を奏して、すぐに事後処理は終わった。毎回思うけど、私たちって超優秀なんじゃない?実際、かなり感謝されたし。
――――私たち。「蛮族討伐乗客団(バルバロス・バスターパッセンジャーズ)」を宜しくお願いしますッ!!
……なんでそんなに嫌そうな顔してるの?

・そんな騒動が一段落して。暫し、平和な時間を過ごす私たち。列車を襲うような輩が居なければ、もっと色んな地方に路線を引けるはずなのにな。ブルライト地方にももっと欲しいよね、こういうの。
・そんなことを考えたり、皆の部屋に乱入したり。美味しいご飯を食べたりして、時間は流れた。
・そして、列車に乗って5日目。私たちは、とんでもない脅威と対峙することになったんだ。

・5日目の昼前。今日の昼食を楽しみにしていた頃。ある列車が、ジオコン号の隣を並走し始める。よく見てなかったけど、あの列車。何だか妙にゴテゴテしてたような……?
・ぼんやりそう考えながら、その列車を眺めていると。窓の奥に、何かが煌めいたような気がした。なんだろう、細い筒……?
・その瞬間。猛烈に嫌な予感がして、皆の方を振り返った。……気付いてない。知らせないと。私の勘が正しいなら、アレは。

――――皆ッ!伏せてッ!!そう叫んで、皆が動くと同時に。甲高い銃声が鳴り響き、私達が居た場所を貫いた。その後も散発的に銃弾が撃ち込まれ続ける。……銃を使えるなんて。人か、それとも。――メトちゃんの仇敵か。どちらにしろ、私たちを殺す気なのは間違いなさそうだ。
・そんな中、例のアナウンスが車内に響く。何とかさん、無事でよかった。アナウンスされたのは、以下の3つの内容。
”あの列車は蛮族列車強盗団のもので、先頭車両には大量の爆弾が積まれていること”
”列車が向かう先には、とある村があること”
”奴らは恐らく減速せずに、村へ突っ込み大破壊を行うつもりであること”
・もし、本当にその通りになるなら。滅茶苦茶ヤバい状況じゃない?これ。どうにかして止めないと!ただ、もう奴らの列車はある程度先に進んでしまっている。とりあえず、皆で機関室へと向かうことにした。

・そうして向かった機関室で、ガイドガイ?さんからあの列車を止める算段について説明を受けた。
・彼の策としては。まず、この列車のリミッターを解除し、猛スピードで追いつく。その手伝いや、奴らの、妨害に対処するのを私たちにお願いしたい、とのことだった。その後無事に追いついたら、列車に乗り込み、親玉を叩く。……なーんだ、めちゃくちゃ単純じゃん。手伝いとかはよくわかんないから、妨害への対処を買って出る。とにかく、急ごう!
・対処組の仕事は。奴らが投げ込んでくる障害物をぶっ飛ばすこと。対処組は、私とクィルンのペガサス。……賢いな、本当に。
・初めて出た列車の屋上は、とんでもない向かい風が吹き荒んでいた。正直、目を開けてるとすぐカピカピになっちゃいそう。ラージャハでも少し同じこと思ったけど、ゴーグル欲しくなるな、こういう時。かっこいいしさ。ないものは仕方ないから、飛んでくるまで目を瞑っておくことにした。
・風を切る音の中に、ペガサスの鳴き声と、何かが砕けるような音がした。……来るッ!目を開き、飛来する岩に全力のフルスイングを決める!問題なく岩は弾け飛んだ。……上手くいった!今のすごく達人っぽくなかった!?まあ、誰も見ててはくれないんだけど。ペガサス、今の見てた?
・息つく暇もなく、「次が来ますッ!」との報告が機関室から響く。また同じように目を閉じ、ペガサスが列車の前方で岩を打ち落とすのを待つ。声に合わせ目を開くと。思ったより岩が右に飛んできていた。マズい!慌てて武器を構え直そうとした瞬間。列車が少し揺れ、転んだ。……あ、これ。やっちゃった。
――でも、岩がぶつかる音がしない。不思議に思いながら、恐る恐る顔を上げると、そこには。強風にたなびく長くて綺麗な銀髪に。二刀を携え、岩を斬り刻み終えたレイちゃんの姿があった。か、カッコいい~……!!!
・レイちゃんのかっこよさにシビれていると、機関室から再び声が響く。「皆さんッ!そろそろ奴らに追いつきます、乗り込む準備はよろしいですかッ!」
……もちろん。今回で大好きになっちゃったから、列車に乗るの。
・皆が続々と屋上に姿を現す。手伝いってなにしてたのか少し気になるけど、今はあの列車にただ乗りしないと。私やレイちゃん、ペガサスのいるクィルンは大丈夫だろうけど、後の二人が無事に飛び移れるか不安だ。特にテンくん。今度はチビるだけじゃ済まないからね!!飛び移る前に、再度アナウンスが響く。内容としては、ジオコン号から支援をする、ということだった。回復か、攻撃か。有難いけど、もしかしたら必要ないかもよ?

・近接組が先に乗り込むと、そこには。銃を持った変なサソリ男が3人。それに加え、奴らの頭上に何か浮かんでいる。あれは……マジで何?馬車の車輪が高速回転しながら浮いてる、みたいな。とにかく、意味不明な感じのなにかがそこにはあった。二人が遅れてやってきたので、情報交換をする。テンくんとクィルン曰く、あのサソリ共は「アンドロスコーピオン」と「シザースコーピオン」。やっぱりあれが、メトちゃんの仇のバカ共だったか。……潰す。
・機械については、初めて見るものだが何をしてくるかは大体わかる、ということだった。あの機械は、並みの人族ならバラバラになるくらいの威力で突進してきて、それから何度も何度も爆発を起こすんじゃないかとのことらしい。へえ。
――それ、どうすればいいの???

・身構える間もなく、例の機械が火花を散らしながら、私たちの中へ猛然と突き進んでくる!――軌道が独特で、全く動きが読めない!辺りで痛々しい音と声が響く。……煙が晴れ、辺りを見渡すと。辺りは凄惨な有様だった。私とテンくん、それにシザークソ野郎以外、全員がズタボロの状態だった。特に、レイちゃんとヨブっちの状態がマズい。クソサソリ共はこちらに銃を向けながら、抑揚のない魔動機文明語で最新兵器の威力はどうだ、と問いかけてくる。ああ、大した最新兵器だよ、バカが。こんなにダサくなくて、お前達のものじゃなければな。
・すかさずサソリ共が私とレイちゃんに銃撃を放つ。これは簡単に避けられるけど、それから距離を詰めて、尻尾の針で私たちを突き刺そうとしてきた。これも、盾で打ち払う。レイちゃんは華麗に回避を決め、《ブレードスカート》で反撃まで決めていた。あんなにボロボロなのに。……カッコいい。
・なんて見惚れていると、視界の端のサソリ男が。私に銃口を向けているのが見えた。……ッ、マズい!!なんとか身をよじり避けることには成功したけど、そこから同じように尻尾が私の心臓めがけて突っ込んでくる。これは飛びのいて避けた。

・……なんだか、身体が軽い。思い通りに動くというか。ヤバい状況だからかな?レイちゃんに反撃を受けたハサミサソリ野郎がよろめいているのが見えた。今がチャンスだ。
・奴の元へ走り出しながら、思いっきり息を吸い込み、身体中に行き渡らせた。直前で私の存在に気付いたみたいだけど、もう遅い。思いっきり踏み込んでから、奴の顔面目掛けて。真横に武器を振り抜く!――喰らえッッ!!!!
・奴の頭部にめり込んだその一撃は、今までで一番の手応えだった。倒れた奴の頭が床を少し凹ませる。もう私の勝ちでよくない?これ。
・ただ、クソダサ最終兵器の方はそうはいかないようで。今にも爆発しそうだ。……テンくんたち後衛の傍で。
・早く助けに行かないとマズい、けど。サソリ共がすっごく邪魔だ。私がボコボコにした奴もまだ息があるし。ただ、幸い皆の攻撃でサソリ共を2匹沈めてくれた。これならすぐに助けに行けそう。
・そう考えた直後。背後で巨大な爆発音が響く。振り返ると、傷ついたテンくんとヨブっちに、まだ超元気そうな最終兵器が居た。……アレは、ヤバい。

・その後は、テンくんたちの元へすぐに助けに行った。ぶっ壊すつもりで。……でも。大きさの割にスピードが速すぎて、攻撃が当たらない!
・遠くじゃ分からなかったけど、兵器からピッ、ピッ、って感じの音が鳴り続けていた。そして、そのペースはどんどん早くなっている。絶対爆発するじゃん、これ。
・もちろん、私の予想通り兵器は爆発して。灼けるような熱と光、そして爆風で吹っ飛ばされ、背中を壁に打ち付けられた。
・……息ができない。背中は鈍く痛み、あちこちに突き刺さった破片で全身も鋭く痛む。ただ、火傷は思ったより酷くはない。あのムカデのおかげかな?ただ、もう一度爆発させるのは避けたい。これを2回も受けている2人が心配だし。
・もう一度爆発する前に、総攻撃を仕掛けて機械をボコボコにする。例の音が早くなり始めたくらいで、なんとか破壊することに成功した!

・でも、これで終わりじゃない。村に突っ込む前に、急いで列車を止めないと。ジオコン号から、ブレーキをかければ列車は止まるはずです、とアナウンスが響く。先頭車両の機関部に、これみよがしにレバーがあるのを見つけた。急いでレバーに手をかけ、思いっきり下げる。轟音を響かせながら、列車が急激に減速する。……また転びそうになったのは内緒。
・なんとか列車は停止した。遠くの地平線上に、霞がかった村の壁みたいなものが見える。――私たちの、勝ちだ!!!
・隣にジオコン号が停車し、乗り込めるようにしてくれる。……正直、今回はかなりヤバかったかも。サソリ共をすぐに沈められたから良かったけど、もう少してこずっていたら後衛の2人は無事じゃ済まなかったかもしれない。私の一撃がなければ、ね?
・どうしても気になって、レイちゃんに聞いてみた。「カッコ良かったでしょ?」って。そしたらレイちゃん、なんて言ったと思う!?!?!?!?
・「――うん!」だって!!!!しかも笑顔で!!!!……破壊力ありすぎなんだけど。あのレイちゃんが、だよ!?私、死んでもいいかも。ジオコン号の皆も労ってくれて、感謝してくれたし。ただ、それが霞むくらいあの言葉は最高だったな。客室に戻り、じんわりその言葉を噛みしめながら横になっていると、気付いたら眠りに落ちていた。

・次に目覚めたのは、その日の夜。乗務員さんの食事のお知らせで目覚めた。眠い目をこすりながら、食堂車に向かう。皆既に集まっていて、私が最後だったみたい。……なんか、悔しい。ずっと私が一番だったのに~~~!!!ただ、出てきた食事が最高すぎて、そんな感情はすぐに吹っ飛んでいった。
・出てきたのは、テラテラと光るでっかいハムステーキ。「炙りチーズ乗せハムステーキ」だ!!!!!!うおおおおお!!!!!!!!!絶対美味いッ!!!!一口、口に入れると。炙られてとろけたチーズに、肉汁たっぷりのぶあっついハムが絡む。やっぱり、美味いッ!!!!!!!上にまぶされたハーブもアクセントになっていて、ペロリと完食してしまった。

・しばし談笑したあと、入り忘れてたお風呂に入る。レイちゃんを軽く誘ったけど、部屋に入って行っちゃった。ダメか~~。1人で浴槽に入りながら、のんびりと物思いにふける。列車には初めて乗ったけど、本当に最高だ。今回は一等客室に泊まったけど、運賃はひと区間50Gくらいらしいし。旅する時は絶対にまた乗ろう。ご飯だってずっと美味しかった!明日には目的地、「キングスレイ鉄鋼共和国」に辿り着くみたいだ。……終わっちゃうのかあ、列車の旅。
・その後は、大人しく自分の部屋に戻った。みんなの部屋に遊びに行こうとも思ったけど、結構コテンパンにやられちゃったし。今日は休ませてあげた方がよさそうだ。正直、まだ私も身体中痛いしね。

・起きてすぐ、キングスレイ鉄鋼共和国の首都、「キングスフォール」に着きますよッ!という元気なアナウンスで起こされる。朝食はそこで食べることになりそうだ。だいぶ具合は良くなってきた。多分皆ももう元気だろう。なんだかんだタフだもんな、皆。
・初めて訪れたキングスフォールは、なんというか。全くの別世界だった。都市をぐるっと取り囲む石造りのおっきな橋。その上を、ちっちゃめの列車が走っているのが見える。街の西側には輝く海に、活気のある港。東側には、巨大で荘厳な城?みたいなのもあって。やっぱり、初めての場所は最高だなって、改めて思う。

・キングスフォールで、依頼のあれこれを行っていると。偉そうな人たちがやってきて、追加の報酬を出したい、という。道中で列車を蛮族どもから救ったこと。最新兵器をぶっ壊し、蛮族強盗列車団の企みを打ち砕いたこと。これらの功績を評価したもののようだ。表彰とかもされちゃったり、新聞からも取材が来たりして、ちょっと大変だった。でも、これが始まりだ。私たち、《蛮族討伐乗客団(バルバロスバスターパッセンジャーズ)》の!!!

第9話《闇を照らす太陽片》

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・前回、キングスフォールにやってきてから2週間ほど経った。帰りの列車の整備に時間がかかるとかなんとかで帰れないから、暫しゆったりとした時間をみんなで楽しんでいた。そんなある日。街の北にあるギルド《智恵の鍵》で、私たちはある依頼を受けることにした。
・依頼主は、療養士のヘリアさん。なんだか気取った依頼文で、"太陽光を生み続ける宝"の本来の力を取り戻してほしい、って内容だった。正直。全然よくわからないけど、人々を癒せなくなると皆困るだろうし。とりあえず受けることにして、指定された「ブラスコイン家」まで行ってみることにする。

・そうして訪れたブラスコイン家は、壮麗な御屋敷って感じだった。使用人とかいっぱい居そうで、うちの村には今後も建つことはなさそうな感じの。ただ、私たちが呼ばれたのは御屋敷の方じゃなくて離れだ。探してみると、林の中にこじんまりとした離れを見つける。"こじんまり"といっても、「屋敷と比べると」だけど。
・離れの中には、綺麗なひまわりが咲き誇っているメリアと、ベッドに横たわる少女がいた。そして、ベッドの傍らには淡く光る球。少女の肌は白く、元気が無さそうな印象を受ける。
・ひまわりメリアが依頼人のへリアさん、少女はサイラちゃんと言うようだ。サイラちゃんは現在闘病中で、へリアさんはそういった人々を、"太陽光を生み続ける宝"で癒して回っているらしい。ただ、その宝の光が弱くなりつつあり、私たちに修理して欲しいという依頼だった。
・なんでも、この宝は魔動機文明時代に多く作られたこと、光の妖精の力を借りて作られたことを教えてくれた。とりあえず情報を集めるしかなさそう。ヨブっちもこれについては知らなかったし。初めて会った時はなんでも知ってたのになあ。

第10話《Ordinary=pleasure》

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第11話《呪いひしめく魔迷宮》

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・グランゼールから帰ってきたあたりで、酒場とかでなんかひそひそ言われるようなことが増えた気がした。一人捕まえて聞いてみると、私の二つ名が決まったらしい。"猛進の愚者"。ふーん。愚者ってのはちょっと気になるけど、悪くないと思った。まあ普段バカバカ言われてるし。それよりはマシかな。でもなんでひそひそしてたんだろう?何かひっかかるけど、まあいいか。

第12話《魔域が暴走(はし)る環状線》

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第13話《黒き夢の末路》

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第14話《荒れ行く海上、放つは船上》

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(呼称リスト)

詳細

ニコラ・レステンクール→テンくん
マレブランケ→マレくん
ジョージ・ハボック→ハボっさん
ヨブ→ヨブっち
レイ→レイちゃん
アドネ→アドちゃん
クィル→クィルン
セメト→メトちゃん
チャスト→トっさん



カラーコード:F75F6F

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 5,500 2,500 30 敏捷×1
生命×1
能力値作成履歴#218367-1
1 11/02 《欠片喰らい》の冒険 前編 1,950 2,292 0 生命
クロノ マレくんテンくんレイちゃんヨブっち
ディノスをボコボコにして、ルイーズちゃんを助けた。いつかシードル代返してね!木人形は絶対に許さないから。
2 11/04 《欠片喰らい》の冒険 後編 1,550 3,470 35 敏捷
クロノ マレくんテンくんレイちゃんヨブっち
ファントムと死闘を繰り広げ、ホムンクルスを倒したことで依頼を完遂できた。すっごく疲れた……
3 11/21 《昇る凶星、堕ちる新星》 1,240 2,821 46 知力
クロノ テンくんレイちゃん
鳥頭どもをブチのめし、アドちゃんとサンドキアを救った!モバルン、またね。
4 11/23 《大樹が穢されゆく前に》 1,260 4,245 18 生命
クロノ クィルン
アザレアちゃんの村で、蛮族の急襲を撃退した。あの村のシードルは最高だったね。
5 11/26 《くじ、食事、悪事に勇気を添えて》 1,170 2,600 18 精神
クロノ クィルンヨブっち
くじの謎を追い求めた結果、悪人たちの悪事を暴くことを成功した。ご飯、美味しかった!!!
6 11/28 《砂鷲団潜入調査》 1,430 3,783 25 生命
クロノ レイちゃんヨブっち
砂鷲団に潜入し、バカトカゲのアンデッド軍団計画を阻止した。砂漠の日光に負けないくらい暖かい場所だったな。また会おうね。
7 12/02 《Good luck "blue Monday"》 1,230 3,380 25 器用
ふぁる レイちゃんヨブっちトっさんテンくん
商隊を襲う、人に化けたオーガを潰した。トっさんはすごい馴染みそう。
8 12/03 《改宗された村を救出せよ》 1,310 3,760 25 器用
クロノ レイちゃんテンくんクィルン
奈落の魔域に支配されたストレー村を解放するために、デブと奴の魔神を潰した。普通に食事が摂れるのはいいことだって改めて思った。
9 12/10 《青空繋ぐレヱルロオド》 1,740 4,766 30 筋力
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
蛮族列車強盗団の野望と、最新兵器を打ち砕いた。あの一撃は忘れられないね!蛮族討伐乗客団(バルバロスバスターパッセンジャーズ)よ永遠に。
10 12/13 《闇を照らす太陽片》 1,360 4,162 41 筋力
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
サイラちゃんを助けるために、街を駆けずり、魔動機文明の旧都へ向かった。ダサいセーター、大事にしてね。
11 12/18 《Ordinary=pleasure》 1,520 5,210 40 器用
ふぁる レイちゃんテンくんトっさんヨブっち
結婚指輪騒動に巻き込まれた結果、ティダン神嫌いの武装集団を壊滅させてた。かなり回りくどい連中だったね。
12 12/27 《呪いひしめく魔迷宮》 1,500 6,143 43 筋力
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
魔迷宮で石にされた人々を救い、ほねねこと番人を倒した。正直、今回すぐに石像を壊しちゃったのは反省しなきゃ……。
13 2/11 《魔域が暴走る環状線》 1,820 5,784 33 器用
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
環状線を暴走る魔域列車を止めるため奮闘した。メアリさんとこの療養院、過ごしやすかったな。
14 2/19 《黒き夢の末路》 1,580 4,680 35 精神
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
化物馬を何とかするため向かった村で、凄惨な事件の真相を知った。これでよかったんだ。・・・・私なら。絶対に、自分でやり遂げたいから。
15 3/18 《荒れ行く海上、放つは船上》 1,500 6,570 35 知力
クロノ レイちゃんテンくんクィルンヨブっち
ハーヴェスに襲来したアンデッド海賊たち。3隻船を撃滅して、その船長と対決した!なんか。思ったよりかっこよくなかったな、船長。
取得総計 27,660 66,166 479 17

収支履歴

ヘビーメイス::-330
カイトシールド::-500(酔って壊した村長宅の椅子の修理代)
ハードレザー::-340
髪飾り(黄銅製)x2::-30
ポンチョ::-50(手入れ代)
知性の指輪::-500
ベルト::-10(クリーニング代)
ボロいくつ::-10(くつ磨き代)
髪紐x2::-2
薬草x10::-300
すり鉢・鍋::-10
着替えセット::-10
下着::-3
ベルトポーチ::-15
冒険者セット::-100
保存食(1週間分)::-50
シードルx5::-25
薬草x4::-120
いいブーツ::-25
ヒーリングポーションx2::-200
消魔の守護石(5点)::-1250
シェルブレイカー::-1080
シェルブレイカー改造費::-2000
怪力の腕輪::-1000
魔晶石(5点)::-250
薬草x3::-45
サンドキア特産チーズx2::-50
魔晶石(4点,5点)::-450
ヒーリングポーション::-50
迅雷の髪飾り::-750
ブランブルグの町での遊興費::-95
薬膳クッキー::-135
ウェポンホルダー::-1000
クマの爪::-6000
変装::-200
デルヲンジュース::-200
ブラックベルト::-3000
スマルティエの怪力の腕輪::-400
スマルティエの知性の指輪::-150
疾風の腕輪::-1000
アビスシャードx2::-400
アビス強化::-4000
魔香草x5::-500
保存食(1週間分)::-50
星屑キャンディーx2::-200
野伏のサーマルマント::-4500
だっさいセーターx3::-240
月光の魔符+2x2::-3000
月光の魔符+1x3::-1500
12/27---------------------------
アビスシャードx6::-1200
消魔の守護石(3点)::-450
魔晶石(5点)::-250
アビスカース変更::-4000
アビスカース変更::-4000
2/11--------------------------ーー
†KINGSFALL†セーター::-80
スマルティエの知性の指輪::-400
イワシ(10匹)x2::-20
貝殻のイヤリング::0
アビスシャードx2::-400
2/19--------------------------ーー
魔晶石x2::-500
通辞のイヤリング(汎用蛮族語・魔神語・ドレイク語・魔法文明語・エルフ語)::-5000
保存食(一週間分)::-50


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