容姿・経歴・その他メモ

異種族の友がいた。
大きな失敗をしたことがある。
他に生き方がなくて。
「彼の人生はそれは悲惨なものであった。
彼の出身は小さな集落だった。
彼は幼少期より故郷を守るための騎兵として故郷を守るために尽力してきていた。しかし自身の慢心により前線の防衛ラインが緩み、そのすきを突かれて魔物に進攻されてしまった。
それにより故郷にいた友人や親族、すべてを失ってしまった。
運がいいと言うべきか悪いというべきなのか、本人だけは生き残ってしまった。
自身のみ生き残ってしまった罪悪感とすべてを失った喪失感によりその日以来食事もまともにのどを通さず、毎日のようにその日の光景が悪夢のようによみがえりまともに眠れぬ日々が続いた。
それにより目の下のクマがとれなくなった。
それから数年後ある日、たまたま野宿をしていた地点の近くを馬に乗った商人が通っていた。商人は護衛も連れずに街を目指していたためかその場に居合わせた魔物に襲われそうになっていた。
腰に下げていた剣をおびえた様子で振っている姿を見てあの日の光景が脳裏に蘇る。その商人はバランスを崩したのか馬から落馬し武器も手放して恐怖におびえることしかできない姿を見たためか、亡き仲間たちへの罪悪感のためかはわからないが自然と体が動きその商人の前まで走りだしていた。
落とした剣を拾い馬に乗り、その商人を守るために一心不乱に剣を振っていた。いつしか魔物は目の前から消えて静かな空間にその商人と自分だけが残った。
その後商人は数え切れないほどの感謝を述べて、この先も不安だからよければ町まで護衛を頼めないかと依頼する。
複雑な感情の中である言葉が彼の脳裏をよぎった。
「ティエンスたるもの弱気を助け常に前を向いて生きろ」
かつての仲間だった者たちの言葉を思い出し、彼はこのままではいけないと心を奮い立たせる。
彼はかつての仲間たちの思いを、ティエンスの志を忘れないためにも彼は商人を町まで守ることにした。
町まで送り届けたのはいいものの、彼には衣食住がまともになかった。
しかしその商人がその腕を見込みギルドに所属することをすすめてくれた。
彼は弱気を助けるため、または仲間の思いを無駄にしないため、そして同じ轍を踏まぬために冒険者として磨きを上げるのだった。

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