6/28　今日から店に戻る。
8/9　
10/14　店に変な男が来た。写真を1枚見せられ、こいつを知ってるかと聞かれた。ちょうど先週彫った客だったのでそう答えたら、模様の詳細などを随分細かく聞かれた。「その模様はある機密情報を図案化したものだ」だの「こいつはスパイとして追われている」だのとんでもないことを言われて面喰った。うちはそんなの知らなかったと言ったら嫌な顔して帰っていったけど、おかげで40分近く客を待たせてしまって申し訳なかった。これ以上何も無ければいいけれど。
12/3　

お母さんが死んだ。お店でトラブルがあって殺されちゃったらしい。
いろんな人が話しに来たけど、分かったのはこれからのあたしを育ててくれるような人はいないってことだけ。
「あなたのことは本当に気の毒だけど…その身体じゃ、ねぇ」「え、店長に子供いるとか知らなかったんだけど…ああごめん、俺ちょっと引き取るとかは無理だわ」
ああ、そりゃそうか。あたしは普通の子供じゃないんだから、普通の家庭に入れるわけないよね。
一人で生きていくにはどうすればいいんですかって聞いたら、冒険者になるのはどうだって教えてくれた人がいた。
冒険者。どうにかそれで生きていくしかない。もしダメだったら…お母さんとおんなじになるだけだ。
刺青、どうしよう。冒険者になってもこのままじゃ絶対怖がられるよね。でもなんでか消したいって気持ちにはならない。
これがお母さんからもらえた唯一のものだから？…変なの。

・母子家庭で生まれ育ったよ。母親は彫り師としてタトゥースタジオで働いていたけど、刺青に対する感覚が常人と致命的にずれており、愛情表現として我が子にたくさんの刺青を施すような人間だったよ。
・本人も母親の行動がおかしいことは分かっていたが、以前抵抗した際にネグレクトのような扱いを受けて餓死しかけたため、それ以来諦めてされるがままになっていたよ。ただ刺青関連を除けば比較的普通の育て方をされたので、一般常識もあるにはあるよ。（ちなみに学校からは入学拒否されたので、通信教育で勉強していたよ）ラクシアに通信教育ってあるんかな
・母親は客のゴタゴタに巻き込まれて逆恨みに近い感じで殺されたよ。かわいそうですね。
・誰からも引き取ってもらえなかったので冒険者として生きるようになったよ。