容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
■家族に異種族がいる
■異性の家族がいない
■育ての親に拾われた
【冒険に出た理由】
■倒したい相手がいる

ヘルメスは、世の中を甘く見ていた。
ハーヴェス公国の中級貴族の家庭に生まれてから、ずっと要領よく生きてきた。人に好かれるよう立ち回り、最低限の努力で成績を残し、習い事の演奏も何度も表彰されたことがある。
親にも友人にも師にも知人にも恵まれ、それらを上手く操り世を渡る。それをヘルメスは自分の才覚だと思っていたし、これからも簡単にやって行けると思っていた。

それが崩れたのは、ヘルメスからではなく周りからだった。
周りの人々が尽く失敗を重ね、堕落していく。
ヘルメスはそれらに早々に見切りをつけて切り捨てた。悪人に騙された愚かな親すらも不必要なものとして、家を出た。
新しい環境で新たな人間関係を作り、しかもそれは清濁関係なく、ヘルメスは仄暗い闇の世界に徐々に浸かっていった。

しかしやがて、手痛いしっぺ返しを食らうことになる。
ヘルメスより強かで狡猾な者など、掃いて捨てるほどいる。
知らぬうちに犯罪組織の犯行に巻き込まれたヘルメスは、とかげの尻尾切りのように囮に使われ、絶体絶命のピンチに陥っていた。
失敗を知らぬ、挫折を知らぬヘルメスは焦る。こんなところで終わってたまるかと、策を巡らせる。しかし無力な一人の若造にできることなどたかが知れていて、追っ手のひとりにあっさり追い詰められてしまった。

だが、その追っ手はレプラカーンである自分よりも小さく無力そうな男だった。武器も持っていない。
真正面から立ち向かっても、何も問題なく倒せそうな相手だった。
そう、問題ない。姿を消して、撒ける。
周囲に溶けるように姿を消して、静かに踵を返した。

ざまあみろ。
そう内心吐き捨てながら歩みを始めた直後、突然見えない壁にぶち当たる。
何が起きたか分からない、確かに壁がある。焦って叩いて、透明化は解除されていた。

焦りに表情を歪めながら振り向くと、先程の小男のすぐ横にいつ現れたのかナイトメアの男が立っていた。その2人の顔を見て、ゾッとする。
目は合った。しかし既に、自分を見ていない。眼中に無い。
それは、価値のないものを見る目。不必要なものを見捨ててきた自分が、してきた目だった。

小男が自分に近寄る。必死に脳を回転させる。
まだ何か、生き残る術はないか。
捕まったら、おしまいだ。どんな拷問にかけられ、残虐なことをされ、挙句に尊厳もなく殺されるか。
何か、何か、何か。

迷走する思考に、小男の声が混ざる。
何を言っているかは分からなかった、ただ問い掛けられていたことはわかった。ただその場の最善手として、頷いた。

小男に促され、ヘルメスは身を隠した。完璧な隠密により、他の追っ手からは見つからなくなった。
ナイトメアの方はいつの間にか消えてきた。ただ、どこか遠くから戦闘音が聞こえ始めたのは確認できた。

気がつけば静かになって、小男が口角をあげて笑っているのが見えた。
ｰｰｰｰ価値のある拾い物になってよね
そう言葉をかけられた。

ヘルメスはそのまま、盗賊ギルドに所属することになった。
小男…グラスランナーのルケミンと、その部下であるジライヤが壊滅させた犯罪組織。その小間使いだったヘルメスに、何かしら利用価値を見たらしい。

ヘルメスは、そのルケミンの渡世術と底知れなさに憧れを覚えた。
憧れを抱くことなど、生まれて初めての経験だった。
ルケミンの、価値ある拾い物になりたい。そう思った。
だが、彼にとって一番でありたいという承認欲求も同時に感じて。
ルケミンの一番弟子を自称するジライヤのことは、いつか倒したいと考えた。

行く宛てもなくなったヘルメスを拾ったルケミン、育ての親とも言えるだろうか。
たった1人の親御に報いるため、ヘルメスはルケミンの導きによって月狼亭の扉をくぐった。

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グローヘアーブラシ
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■深智魔法8の小魔法グローヘアーが使える　MP1
この魔法は被対象者のMP分を全て消費して消費したMPの5分の1分（㎝）被対象者の髪が伸びる。1日1回のみ　抵抗　任意

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