--地方の山脈。その片隅に--村という平凡な村があった。--村の周辺には、古くから山の守り神が住んでいる。そのおかげで、蛮族や魔神が近寄らない安全な土地だ。一番近い街までも歩いて1日はかかるこの村は独立したコミュニティを築いていた。
　そんな--村に、その年一番の暑い夏の日、角の生えた奇妙な子どもが生まれた。その変わった姿に、村の者達は大層珍しそうにしていたが、外との交流が月に一回の行商のみしかなく、蛮族との関わりすらないこの村では、ナイトメアの悪い噂は届かず、忌避の対象とはならなかった。
　この子どもは、レヴィと名付けられ、他の子ども達と同じようにすくすく育った。角があるというただ一点を除けば普通の子どもであったため、村の者達も特に気にすることなく、優しく接していた。
この時はまだ、少年の心の奥に秘められた悪魔は優しき村人達によって抑えられていた。

そんな村の平和は永遠にはならなかった。
レヴィが10歳を迎える誕生日の前日、事件は起こる。
レヴィを除く村の子ども達はある計画を立てた。それは誕生日のサプライズでレヴィに綺麗な花を贈るというものだ。その花は、古い言い伝えの中にあり、山の奥で夏の間だけ咲くという。子ども達はレヴィには内緒で花を取りに行こうとするが、この村にはたったひとつだけ掟があったことを思い出す。それは、山の奥のとある場所には踏み込んではいけないということ。その場所というのも具体的には伝えられておらず、山の奥には入らないというのが暗黙の了解であった。しかし、子ども達は夜遅くに家を抜け出して集まり、山の奥に入ってしまう。
　言い伝えの通りに歩いて行くと、川辺に例の花が咲いていた。その花を持って帰ろうとしたとき、ひとりが近くの洞窟から何か息のようなものが聞こえてくると言った。早く帰らなければならないとわかっていても、子どもの無邪気な好奇心は軽々と勝ってしまった。そのひとりが洞窟に足を踏み入れた途端、洞窟の奥にいる巨大な何かの咆哮が全身を震わせた。子ども達はパニックになりつつも、必死に村まで走った。
　村に着き、振り返ってみても追ってきている様子はない。上手く振り切れたようだ。そう確認した瞬間、村は一瞬にして業火に包まれた。
　火を吹く巨大なそれらは、大きな翼を使い、空を渡って村までついてきていた。

　明日は10回目の誕生日。レヴィはワクワクしながら布団に入り、眠りにつこうとする。その瞬間、村に爆音が響く。慌てて家を飛び出すと、村は炎に包まれ、赤く照らされた空には巨大な黒い影が3つあった。
　戦える者などいない平凡な村は、成す術なく一瞬にして蹂躙された。
　視界は煌々と光る赤で埋め尽くされた。鼻を衝くのは、肉が焼け焦げる匂い。悲鳴などは一切なく、聞こえてくるのはごうごうと燃え盛る炎の音と何か大きなものが羽ばたく音のみ。
　大人でも対抗できない災害を前に、齢10になったばかりのレヴィにできることなどひとつも無い。
　その絶望を前に、ただただ立ち尽くすのみだった。次第に呼吸が苦しくなり、視界が歪む。深く考えることもできぬまま、その場に倒れ込んだ。


　夜とともに3つの影は西の空に消えていった。晴れ渡る空の下に残ったのは、黒い炭となった村だったものと３人の大人、そしてレヴィだけだった。
　大人たちは別の村へ移ろうとレヴィに提案する。しかし、レヴィは悩むことなく断った。
大きな角が生えた小さな体の目には、強い光が宿っていた。
レヴィには既に新たな目的が生まれていた。
　村の復興？　あの生物への復讐？　そんなものではない。目的、それはあの生物に成ること。
　昨晩の惨劇を前にし、レヴィが抱いたのは、悲しみでも、恨みでも、憎しみでもなく、純粋な憧れだった。

村を出て数日、休憩と聞き込みを兼ねて酒場へ寄った。

酒はまだ飲めなかったけど、代わりに良いことを聞けた。
　

あの巨大な生物はドラゴンというらしい。

オレが目指すのはドラゴンなんだ。

そう分かっただけでワクワクした。

またひとつ近づいた気がしたからだ。
　

でも、ドラゴンになるにはどうすれば良い？

平和な村で平凡に生きていた自分にはわからない。

まずは、ドラゴンをよく知ることから始めないとだな。

村の大人達は何をやってたっけ？

ああ、確か、村の猟師さんが言ってたな。

相手をよく知るには、戦って、勝利し、

“カイボウ”することだ、って。
　

それなら話は簡単だ。

ドラゴンを見つけて殺せばいいんだ。

そうすれば詳しくなれるはずだ。

でも、ドラゴンだけを殺してドラゴンになれるのか？

きっと、わかるのはドラゴンのことだけだ。

ドラゴンに関する全てを知らなければ、完全にはなれない。
　

よし、全部殺そう。
　

ドラゴンも、ドラゴンが殺すものも、ドラゴンを殺したものも、関わるもの全部殺そう。

しっかりと目標ができた。

まずは冒険者ってやつにならないとな。

すべてはドラゴンになるために。
　

心の中の悪魔は小さな産声を上げた。

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{戦闘準備使用}を使用
{開幕エンハンサー}を使用
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2d+22 尻尾命中力判定【異貌】【CE】
2d+23 尻尾命中力判定【異貌】【CE】【DF】
2d+24 尻尾命中力判定【異貌】【CE】【DF】【DT命中1重】
2d+25 尻尾命中力判定【異貌】【CE】【DF】【DT命中2重】
2d+21 牙命中力判定【異貌】
2d+22 牙命中力判定【異貌】【CE】
2d+23 牙命中力判定【異貌】【CE】【DF】
2d+24 牙命中力判定【異貌】【CE】【DF】【FB命中1重】
2d+25 牙命中力判定【異貌】【CE】【DF】【FB命中2重】
2d+22 BSS命中力判定【異貌】
2d+23 BSS命中力判定【異貌】【CE】
2d+24 BSS命中力判定【異貌】【CE】【DF】
2d+20 ファイアブレス行使判定【異貌】
2d+24 回避力判定
2d+25 回避力判定【GF】
2d+26 回避力判定【GF】【CL】
k10@9+20 ブレードスカート【異貌】
k10@9+23 ブレードスカート【異貌】【MB】
k10@9+25 ブレードスカート【異貌】【MB】 【GA】
k11@11+20 尻尾ダメージ【異貌】
k11@11+23 尻尾ダメージ【異貌】【MB】
k11@11+25 尻尾ダメージ【異貌】【MB】【GA】
k11@11+27 尻尾ダメージ【異貌】【MB】【GA】【DT強化1重】
k11@11+29 尻尾ダメージ【異貌】【MB】【GA】【DT強化2重】
k11@10+21 牙ダメージ【異貌】
k11@10+24 牙ダメージ【異貌】【MB】
k11@10+26 牙ダメージ【異貌】【MB】【GA】
k11@10+28 牙ダメージ【異貌】【MB】【GA】【FB強化1重】
k11@10+30 牙ダメージ【異貌】【MB】【GA】【FB強化2重】
k1@10+21 BSSダメージ【異貌】
k1@10+24 BSSダメージ【異貌】【MB】
k1@10+26 BSSダメージ【異貌】【MB】【GA】
k10@10+20 ファイアブレスダメージ【異貌】
2d+14 魔物知識判定
2d+7 先制判定
2d+{生命抵抗力} 生命抵抗力判定
2d+{精神抵抗力} 精神抵抗力判定
2d+1 剝ぎ取り
k50+14 救難草回復量
k0+14 魔香草回復量
k10+14 魔海草回復量
2d 成長

・栄光点50点消費して『小妖精のトロフィー』獲得