スラム街に時々やって来る「おやっさん」から盗みや喧嘩屋の仕事を貰って生き延びていた。
あるときおやっさんがとある冒険者に悪事を暴かれた。カイは時間稼ぎの為に立ち向かい、敗北。おやっさんは捕まった。

その後、牢屋に侵入。おやっさんに謝り鍵を開けようとしたところに「役立たずのお前に助けられるほど落ちぶれちゃいない！」と激高される。敵だらけの中で生きるカイにとって、おやっさんだけは信頼でき信頼してくれている人だった。そう思っていたのは自分だけだったようだ。売り言葉に買い言葉で牢屋を後にし呆然としていたところに、自分をぼこぼこに打ち負かした「冒険者」とかいうやつらの根城が目に入った。

「冒険者なんて、命知らずのちやほやされたがりのイカレ野郎だ」とおやっさんが言っていた。実際彼らは危険に飛び込んできたし、そして強かった。

捨てられて孤独に戻った自分にいま必要なのは、そういった覚悟のようなものじゃなかろうか。
自分の力で生きてみよう。尻尾を振るのはもうやめだ。