人付き合いが苦手で、あまり多くを話さない典型的なレプラカーンの少女。
魔法使い職なのでMP温存のため、種族特徴は滅多に使わないものの、人前に姿を晒すのは苦手のようだ。
顔に傷があり、それを見られるのを嫌って常にフードで顔を隠している。
スカウトとしての適性が高いが、それを褒められてもあまり良い顔はしない。
逆に魔法使いとしての自分を褒められると喜ぶが、フェンサーをやった方が多分強い。
種族的にも、生まれ的にも、適性が高いとは言えない中でも彼女は『魔法使い』で在ろうとする。
レプラカーンといえば最初は人見知りが強いが仲良くなると執着しやすいと言われているものの、
彼女は好意を抱いた相手にも距離感を掴みかねて態度を大きく変える事はない。
しかし内心ではしっかりとデレデレしている。一言で言えばわかりにくいクーデレである。

アーセナル一族は、魔動機文明時代からとある王国に密偵として仕え続けてきた一族である。
なんでもご先祖が昔の国王とゾッコンだったらしい。
別に、家族も私も国が嫌いなわけじゃないのだけど、ただ密偵と言うのが気にくわない。
私は、小さい頃に命を救われてから……魔法使いに憧れていたのだから。

蛮族に襲われ、顔に傷を負い、殺されるはずだった私を助けてくれた魔法使いから譲ってもらった短剣が私のお守り。
その時から私は魔法使いとして生きると誓った。
だけど両親は「密偵生まれのお前では高位の魔法使いにはなれない」「大人しく家業を継いだ方が良い」と言う。
彼らを説得するために、私は賭けをすることにした。
5年。
20歳になっても親を納得させられる魔法使いになれなかったら、家業を継ぐという契約。
なので今はまだ『魔法使い』ではない。5年後になれていたら『魔法使い』。今はまだ見習いだ。
夢を叶えるべく私は成人してすぐ冒険者になった。立派な魔法使いになるために。己への誓いを果たすために。

……例え自分に見上げる程の才がないと分かっていたとしても。