「酒！旨い飯！人生なんてそんなもんよ」

暇があれば酒か何かを食べている、中年相当のドワーフの男。年寄じみたしゃべり方をしているのは、村の年長者と関わる事が多かったため、口調が移ってしまったと本人は語る。それなりに年は重ねているようだが、故郷に引きこもっていた期間が長いせいか、世間知らずである。

本人の意図に反して冒険者になった経歴があるが、様々な地で、様々な食文化に触れ合える為か、存外今の生活を気に入ってるようだ。

「知って得するもんでもないがの」

「そうだろそうだろ！良いヒゲだろ？良いもん食ってなきゃ、こうはいかねぇ」
不自然なまでに丁寧に編まれた口ひげを、これまた不自然なほど鮮やかなリボンで結わえているのが特徴的である。
　丸々としたシルエットが可愛らしいが、鎧から覗く四肢は丸太のようであり、本人の身長には不釣り合いな程巨大な弩の弦を、軽々と巻く膂力を持っている。

「先ずは酒と飯じゃ！食卓を囲やぁ、嫌でもお互いのことがわかるってもんよ！」
「美味いもんには精一杯答えにゃな！ドワーフの名が折れるわい！」
　義理堅く、気っ風の良い性格。世間のことを子供に教わる始末なので、誰に対しても敬意を払っている。が、度々食べ物を優先してしまうせいか、礼儀のない印象を与えてしまうことも多い。
表面上では豪快で、細かいことは追求しない様子だが、心根は繊細で、過去の経験も手伝い、自責の念が強い。

「過去のことなんざ、気にしたって腹は膨れないわい」

C-3-2 好きな食べ物がある
C-2-3 旅をしたことがない
C-1-6 純潔である
4-6 家族をすべて失ったので

　ドワーフの中でもとりわけ食への関心が強く、村では食のインフラを担い、武勇や技術を求める仲間を支えて居た。この時に狩りで磨いた弩の狙撃技術が、冒険者として役に立っているようだ。
　村を出る仲間を尻目に村に残り、働き盛りの成人が少ないせいか、村民の世話をすることが多く、賑やかな毎日を送っていたた。そのため、家庭を持たずとも充実した毎日を送っていた。

　いつものように狩りに出ていた間に、村が蛮族に襲われてしまい壊滅してしまった。蛮族の規模はブーノ１人で壊滅させることができるほど小規模だったが、子供や老人ばかりの村では抵抗ができなかったようだ。亡骸となった中には、狩りに出かけるブーノの口ひげをきれいに結わえ、かわいらしいリボンで飾った少女の姿もあった。

守る物を喪ったブーノは、かつて武勲を上げるために仲間が目指したグランゼールなる街へ向かったのである。

「いつかは竜にも風穴を開けてみたいもんじゃわい」
「すまんな…苦しませてしもうた…」

　狩人時代に培った狙撃技術を存分に駆使する狙撃者。一撃必殺を旨とする戦闘スタイルであり、自然から生を享受してきた身として、無用の苦しみを与えないようにしていると彼は語るが、肉を美味く食べる為ではないかと周囲から言われているし、否定もしていない。
　冒険者としての経験値が少ないためか、意見はしても方針は他人に任せている

（ルルブ１～３範囲なのでなし）