容姿・経歴・その他メモ

魔法具を取り扱う商店の家系に生まれた5人兄弟の末っ子。
生まれも育ちもユーシズ魔導公国で、兄弟の中では魔法の才能は最も高かった。
ユーシズ魔導公国での君主、「魔導公(マグヌス)になる」と物心ついた頃には思い描いており、同国内の六年制の魔導学校に入学した。

しかし周りは才能に溢れる生徒が多数在席しており、入学直後から周りとの差を感じつつも、1年が経過した。
そんな中、優秀な生徒たちは次々と飛び級していったが、シパンは平凡に進級はしただけだった。

シパンは「魔導公(マグヌス)になる」という目標は、夢物語であったことを否が応でも認めるしかなかった。
漠然とした夢が非現実的なものと知り、モチベーションがなくなっていった。

学校をやめたいと父親に打ち明けると、天井を見上げて、口をもごもごさせてから、静かに語った。
「魔道士を諦めて店を継いでもいいぞ」と。

それだけは絶対に嫌だ。
楽しくない事をやりたくない。

シパンは悩んだフリをしたあと、
「もう少しがんばってみるよ」と伝えた。

店を継ぐくらいならちゃんと卒業はしよう。そう、シパンは考えるようになった。

そんなある日、飛び級したタビットの元同級生の友人との会話がシパンの人生を大きく動かすことになる。
「僕らは数年かけて魔法を学んでもエルフの10分の1程度しか生きることができない。どんなに頑張っても彼等には勝てないんだよ。」
「学校に行っている間に冒険者になって名声を稼いだ方がタビットにとってはいいのでないか」

これを聞いたことシパンは閃いた。
冒険者になれば、店を継がずに学校をやめられるかもしれない。

友人の言葉をあたかも自分の言葉のように語り、
シパンは店を継がずに学校を辞め、冒険者となることに成功した。

「さあ、冒険者になったものの、特にやりたいことはないな。どうしようか。」

目的意識のない一人の冒険が始まる……

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