ユークルゲーニ(鏡像形態)
- 知能
- 知覚
- 反応
- 穢れ
- 言語
- 生息地
- 知名度/弱点値
- /
- 弱点
- 先制値
- 移動速度
| 攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ― | ― | ― | ― | ― | ― |
特殊能力
なし
解説
ユークルゲーニが第二形態へと移行する時、それは彼自身が“最も美しく完成された自己像”に辿り着けなかったことを意味します。
その瞬間、彼の衣装と身体は砕け、無数の浮遊鏡が爆ぜるように空間へ解き放たれ、彼はもはや「一人の存在」ではなくなります。
変貌後のユークルゲーニは、《鏡像神域(レフレクト・シアター)》と呼ばれる特異空間を中心に、**巨大な「鏡面の巨人」**として再構成されます。
この鏡面巨人は、高さ十数メートル、身体のすべてが研ぎ澄まされた鏡面装甲で構成されており、どの角度から見ても自分自身の像が映り込む“完璧な自己対話体”です。
しかしその“鏡”はただの物質ではなく、「映したものの存在概念を投影・模倣・反転する力」を持ちます。
剣を向ければ、その一手先を先読みして逆手に模倣し、魔法を放てば、発動前の詠唱意図ごとコピーして反転された式が返ってくるのです。
その挙動は予測不可能でありながら、あまりにも“合理的すぎる”ゆえに、人間的な感情による攻撃や奇策は通用しません。
鏡面の巨人には、かつてユークルゲーニが保持していた「可能性の写し身たち」も組み込まれており、
その巨体の各部──腕、肩、背中、足元──に異なる“失われたユークルゲーニ”たちが常に姿を覗かせています。
これらは時折、鏡の断片から半身を現し、奇襲や魔術、精神攻撃を仕掛けてくる存在であり、「倒されたはずのユークルゲーニ」が何度も蘇るような錯覚すら引き起こします。
この形態でのユークルゲーニには自我も言葉も残っておらず、ただ「理想の像へ至ることに失敗した自己否定」の衝動によって動きます。
彼がこの姿になることは、「一切の選択に失敗した己が、世界そのものに“新しい自分”を探しに行く暴挙」であり、
鏡を通してすべての敵味方の姿を記録・模倣・破壊しながら、“どれが最も美しいのか”を無意識に選び取ろうとするのです。
戦場が彼に占拠されれば、いずれ鏡の世界が現実を飲み込み、誰もが「ユークルゲーニでない自分」という確証を失っていきます。
それは支配ではなく“吸収”であり、殺戮ではなく“鏡合わせの静かな消去”です。
やがて全員が彼と同じ姿を映した瞬間、ユークルゲーニの存在は再び安定し、「一人の王」として復元されると伝えられています──だが、それがかつての誰でもないことを除いて。