解説

悲しい運命に抗う少女は、お好きですか?
病弱で、長い入院生活を送っているゴブっ娘、ゴブちゃん。
彼女は、殺したくなるくらいあなたの事が大好きです。

「私は、体弱くて学校行けてないし…人間の知り合いなんていませんよ?
　その…お人間さんしか…」

直接好きと口にしなくても、彼女の想いは伝わってきます。
長い長い時をかけて、想いに応えていければ…しかし。

彼女の病状は、思ったよりも悪く…。
急変する容態、意識のないゴブちゃん、悲痛な蛮族たちの叫び。

「それでは…さよなら、お人間さん。幸せになってくださいね。
　えへへ…なーんて、またどこかで会えますよ。どこかで、いつか会える日まで。
　さよならです…お人間さん」

蘇るのは、彼女が最後に告げたそんな言葉。
彼女は全てを悟って、それでも死の恐怖を見せようとしなかった。

…余命宣告、病弱な身体…心肺停止。
ゴブリンの身には、重過ぎる現実。だけどもし、叶うのなら。
どうか、どうか…ゴブリンに祝福を。

これは、短い寿命を賢明に生きた、ゴブリンと『お人間さん』との物語――