【簡易的な経歴】

生まれた環境

武道の竜

ハプニング１

自由と平等について学んだ（４３）

ハプニング２

蛮族の血が流れている（２１）

青年期の経験

献身的精神（３）

冒険に出た理由

家族を全て失ったため（４６）

【経歴】

　自分は、武道を極めんとするリルドラケンの元に産まれた。そのリルドラケンの父は、自由と平等を矜持として持っており、特に公正明大を旨とする“太陽神”ティダンを好んでいたため、自分にはそんな性格であるようにと「ディアン」と名付け、自分にも自由と平等についてよく説いていた。自分も、そんな考え方をする父が好きだった。

　リルドラケンは卵生であり、一度に一個だけ卵を孕み、一生に数回ほど産卵する。生まれた卵は孵化施設で育てられ、同じ施設で育てられた子供たちは、腹違いの兄弟のように扱われる。自分には、同じ時期に産まれ、同じ孵化施設で育てられた蛮族がいる。

　リルドラケンの始祖とは、遥か過去の古竜たちである。ただし、自分の祖先は蛮族のドレイクと子を成した異端の古竜だった。そのため、稀に兄弟の中から始祖の穢れが蘇るようにドレイクが混じって生まれてしまう。そういった場合、大抵は生まれた時点で殺してしまうが、しかし自分の兄弟として生まれた彼はドレイクとして生まれながら、蛮族らしからぬ賢明な性格であったため、人族の子供として自分の父によって育てられた。どんな子供だろうと、この世に生まれたならば生きる権利を平等に持っていると父は語った。その意見には反対する者が多くいたが、地域を統べる役割を持つ父に逆らう者はいなかった。

　献身的な奉仕と保護によってそのドレイクは育てられた。暖かな地域の環境に絆されたように、彼も段々とリルドラケンのような明るい性格を有していった。ある晩、自分が集落から少し離れた父の訓練場で過ごしていた時、集落から黒い煙が数本、昇っているのが見えた。その煙は集落に放たれた火によるものだった。その火はいずれ火災となり、集落の全域を包む大きな炎となった。その炎に乗じるように蛮族の群れが集落に現れ、その群れの先頭には、蛮族の群れを統べるようにあのドレイクがいた。自分が集落に戻った頃に見た景色は、揺らめく真っ赤な炎を背に、彼が育ててくれた父の翼を毟り、魔剣によって断頭する絶望的な光景だった。彼は父の首を掲げ、蛮族たる咆哮を挙げたあと、竜となり飛び立っていった。

　兄弟としてあのドレイクと共に過ごした時間は、自分の中で今でも確かに輝いている。だが、同時に復讐の意志も心に宿っている。家族を奪われた復讐を果たすため、そして兄弟として対話するために、あのドレイクを捜さなければならない。幸い、自分には父から教わった戦士としての能力がある。だから冒険者となり目標を果たすべく生きることを選んだ。

【信条：秩序（肯定）／運命（否定）】

　自由と平等を与えるには秩序によって制限する必要がある。
　生まれによって人を決定することはできない。

【矜持／執着：武具を手放さない／悪党は必ず裁く】

　父が武人だったため、武具を粗末に扱うことはできない。
　悪を許すことは、弱者への暴虐を許すことになる。