容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
■才能を絶賛されたことがある
■苦手な動物がいる(いた)＝小動物が苦手
■大切な人と生き別れている
【冒険者になった理由】
■奈落を滅ぼすため


小さな村で、禁忌の恋から生まれた命。それがフェドルトと、それから彼の兄だった。


フェドルトの父は人間、母はアルヴだった。ミラージ共和国連邦に住んでいた2人は、駆け落ち同然に家を出て田舎村に住まう。
母は兄の出産を堪えたが、フェドルトの出産には堪え切れず命を落とした。穢れと結ばれた罪とでもいうのか、父はフェドルトが物心つく前に魔物に襲われて亡くなった。
父の両親、つまりフェドルトの祖父母にあたる2人が人間とリカントだったからか、フェドルトはアルヴでありながらリカントのような姿をしていた。蛮族だ、忌み子だと村で恐れられたが、兄が懸命に守ってくれて生き延びることができた。両親が残した財産を使って、村の人々に吸精を願いながら。

幸いだったのは、その村の人々に恐れはあっても悪意がなかったことだった。対価があるならと、兄弟は受け入れられた。
やがて財産の蓄えが尽きると、兄弟は狩猟や魔物退治をして食いつないだ。村人へ恩を売るために必死だった、でなければ生きていけないから。
兄は戦斧を、フェドルトは弓を使う。嬉しいことに兄弟にはそれぞれの才能があり、村に貢献するだけの力があった。村人から感謝されることも少なくなかった。
そうして数十年が過ぎると、村人との絆も芽生えた。兄妹側が諂うのではなく、相互に必要なものを出し合う関係、共存の関係に至っていた。時にはあまりものだからと、村人の方から料理を分けてもらえることもあった。
フェドルトはそんな村人たちを好ましく思っていたし、そんな関係を築きあげた兄のことを誇らしく感じていた。


だが、ある日村の側に奈落の魔域が発生したことですべてが一変する。
村が飲み込まれる前にと、兄と共に討伐に向かおうとするフェドルト。しかし魔域は危険だからと、冒険者を雇うまで待ってくれと村人たちが慮ってくれる。だが責任感の強い兄は、村に対する恩返しにと止まろうとはしなかった。
結果、兄だけが村を飛び出しフェドルトは押さえつけられてしまう。このままでは兄だけが死んでしまうと抗うも、多勢に無勢。村人からすれば当然だ、村を守る狩人である兄弟を失うわけにはいかないという考えもあったのだから。

結局、冒険者たちが来てから奈落の魔域へ向かうことに。焦り急ごうとするフェドルトを、冒険者たちはフォローしながら進んでいく。
中では兄が残した手掛かりも残っており、それを追ってようやく、追いつくことが出来た。
しかし兄は目の前で魔神に操られ、奪われてしまう。いつも一緒だった兄を失い、フェドルトは絶望と憤怒に震えた。
大事な人を奪った魔神どもは、絶対に許さない。どこまでも追いかけて、必ず兄を取り返す。

心を焦がすような激情に身を任せ、フェドルトは目的を果たすために冒険者ギルドの門を潜るのだった。

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