魔動機文明時代に存在した、ミルタバル神を信仰する怪盗団の頭領が好んで使用したとされる鉤縄です。
スカウト技能を１以上持っている場合にのみ装備が可能です。
細く加工され、魔力の籠められた鉄の糸を何重にも編んだ縄が特徴的で、縄といえど並大抵の刃や衝撃、炎などでは一切損壊することのない強度を誇ります。
それでいて植物の蔓のようにしなやかで、まるで鞭のようにも扱えますがこの魔剣の本来の用途ではないようです。

縄の長さは１２ｍ程で、投擲武器として扱う際は「射程１（１０ｍ）」として扱います。
この魔剣の特徴として、この武器を用いた主動作での遠隔攻撃時に限り、命中力判定に－２のペナルティ修正を得ることで「部位狙い」を宣言することができます。
自動帰還効果を一時的に失う代わりに狙った部位に縄を絡み付かせ、以下の様々な効果を得ることができます。

【部位狙い（腕）】
通常のダメージを与えることに加え、対象の攻撃手段が「拳」や「爪」、あるいは手で扱う「武器」やその他腕を使用すると判断できるものだった場合に限り、命中力判定に－１のペナルティ修正を与えます。

【部位狙い（脚）】
通常のダメージを与えることに加え、対象の移動方法が二足、或いは四足歩行である場合回避力判定に－１のペナルティ修正を与えます。移動方法が「車輪」や「多足」、「飛行」など特殊なものであった場合通常のダメージのみが与えられ、自動帰還の効果も失われません。この効果によって対象の移動に制限を与えることはありません。

【部位狙い（翼）】
対象の移動方法が翼を用いた「飛行」、または特殊能力に「飛行」「飛翔」「機動飛行」などの翼や羽を用いた能力を持った対象にのみ効果を発生させます。これらの移動方法、特殊能力が翼や羽を用いないもの由来であった場合は効果は発生しません。
通常のダメージを与えることに加え、それらの移動方法、特殊能力を一時的に失わせます。

【部位狙い（武器）】
対象の攻撃方法が「武器」、或いは「剣」「槍」などの生来武器を除いた武器を示すものであった場合にのみ効果が発生します。
対象の武器を絡め取り地面に落とすことができ、それによって対象は武器を拾い上げるまで打撃点が「－４」点されます。
この効果によって対象の武器を自分の手元に移動させることはできず、ダメージも一切発生しません。

これらの部位狙いによる効果は効果発生の１ラウンド（１０秒）経過した時点で、魔剣の所持者、対象どちらも補助動作により任意のタイミングで効果の解除が可能です。
また効果が解除された段階で自動帰還効果を取り戻し、この武器の装備者の手元に鉤部分が戻り再攻撃が可能になります。
効果時間中に装備者、対象のどちらかが１０ｍ以遠へ距離を離そうとする場合、その移動を望んだ側を能動側として「冒険者レベル＋筋力ボーナス」による達成値の比べあいを行います。
成功した場合は【部位狙い（武器）】によるもの以外の効果は全て解除され、移動を行うことができます。
失敗した場合は効果はそのままに移動も不可能です。距離を詰める移動に関しては一切の制限はありません。

この武器は戦闘特技《スローイングⅡ》などによる射程延長効果を得ることはできません。
《スローイングⅠ》による命中力判定へのボーナス修正を得ることは可能です。

またこの武器の装備時、使用を宣言することにより登攀判定、軽業判定に＋４のボーナス修正を得ることができます。