“外道魔女”ヴァレンタイン(ヴァレンシア・ディアマインド)
- 知能
- 契約に従う
- 知覚
- 魔法
- 反応
- 契約による
- 穢れ
- 10
- 言語
- なし
- 生息地
- なし
- 知名度/弱点値
- 16/20
- 弱点
- 物理・魔法ダメージ+2 命中・行使判定+1 威力出目+1
- 先制値
- 20
- 移動速度
- -/20(浮遊)
- 生命抵抗力
- 13 (20)
- 精神抵抗力
- 13 (20)
攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
---|---|---|---|---|---|---|
武器(触腕の棘) | 13 (20) | 2d+15 | 13 (20) | 10 | 500 | 300 |
特殊能力
●基本能力
○剣持たざるもの
[種族特徴]を持つキャラクター、及びそのキャラクターが所有・使役する騎獣や魔神などによる攻撃や魔法等の効果によって、HPが「0」以下にならず、気絶・睡眠・放心などと言った状態の異常の一切を受けません(数値的なペナルティ修正は無視できません)。
○無剣の誓約/穢業海月
この魔物を起点として「半径30m/すべて」の対象は、10秒が経過する毎に、MPまたはHPを1d6+「経過R数」点消費しなければ、その手番中、一切の主動作と補助動作を行う事が出来ません。
更に、[性別/男性]もしくは「穢れ」が0点以下の対象は、追加で更に1d6点のHPまたはMPを消費する必要があります(合計2d6+「経過R数」点)。
両方の条件を満たす場合、更に1d6点を追加で消費する必要があります(合計3d6+「経過R数」点)。
○無数の触腕
この魔物は、攻撃やダメージを与える魔法の効果等によって複数回対象に取られる場合、その相手は、この魔物が最大「3」部位であるものとして、その攻撃や魔法の対象に取る事が出来ます。戦利品判定も3回分となります。
☑穢業撃=+「穢れ」ダメージ/リスク:生命・精神抵抗力-1、回避力-1
魔力撃の変形特技です。宣言した攻撃の打撃点をこの魔物の「穢れ」点ぶん上昇させます。
この宣言特技は、例外的に1ラウンドに3回までの宣言が可能です。
この宣言特技を適用した打撃点決定が発生する度に、この魔物の「穢れ」の点数を1点、減少します。
▶三回攻撃&双撃
≫触腕針/13(20)/生命抵抗力/半減
「射程/形状:20m/射撃」で「対象:1体」に「2d+10」点の毒属性魔法ダメージを与えます。
この補助動作は1つの手番に2回までしか使用できず、使用するたびに「50」点のMPを消費します。
▶精神汚染/15(22)/精神抵抗力/半減
「射程/形状:20m/射撃」で「対象:半径5m/3体」に「2d+12」点の精神効果属性魔法ダメージを与えます。
更に、対象はその後6ラウンドの間、手番終了時にMPが1d6+「戦闘開始からの経過R数」点減少します。
この効果範囲にこの魔物自身の部位が含まれる場合、任意に対象から除外することができます。
この能力は、1つの手番に1回までしか使用できません。
●追加能力
○黄昏の冠羽
1ラウンド目のみ、主動作を追加で1回行えます。
≫逢魔時の瞳
このキャラクターが能動判定を行う直前に宣言することで、その出目を「12」が出たものとして扱います。
ただし、自動成功としては扱われません。
この効果は1ラウンドに1回、戦闘中に合計2回まで使用できます。
○宵の口の嘴
戦闘中、このキャラクターが初めてHPを持つキャラクターから
「20」点以上の適用ダメージを受ける時、その適用ダメージを半分(端数切り上げ)に減少させ、
更に「この効果で減少させたダメージ」点の確定ダメージを、ダメージを発生させたキャラクターに与えます。
この効果による確定ダメージによって、相手のHPは「0」を下回りません。
○夜半の翼
戦闘開始時、このキャラクターはHPとは別に「20」点の追加HPを得ます。
この追加HPは【ホーリー・ブレッシング】等で得たものと同様のものとして扱います。
この追加HPがある間、このキャラクターは「○飛行」を得ます。
○闇夜の風切羽
このキャラクターの行う命中力判定、及び「抵抗:消滅」に該当する魔法の行使判定や効果等において、
ダメージのみを発生させるものを、「抵抗:半減」として扱います。
≫夜更けの鍵爪
このキャラクターがダメージ決定で2dを振る際、
そのダメージ決定を2回行い、任意の方を選択してそのダメージ決定の出目として適用します。
一度に複数のダメージ決定が行われる場合、その中の任意の一つを選んでこの効果を適用します。
この効果は1ラウンドに1回、戦闘中に合計3回まで使用できます。
≫丑三つ時の尾羽
戦闘中、手番の開始時に、受けている効果一つを選び、HPとMPを「魔物レベルまたは冒険者レベル」点消費する事で、その影響を即座に解除できます。
この効果は1ラウンドに1回まで使用できます。
戦利品
- 2~7
- 穢れた触腕(2000G/任意S)
- 8~12
- 穢れた大触腕(4000G/任意S)
- 13~
- 穢れた海の月(8000G/任意S)
解説
ヴァレンシア・ディアマインドという女性の人生は、恵まれているとは程遠いものであった。
アルヴというだけでも忌避されるのに、よりにもよって血族に伝わっていた才能は召異魔法であったが故に、常にその生活は偏見と差別、迫害と共にあった。
人を避けて生きようにも、アルヴという種族の特性が、それを許さない。
戦士としての才能に恵まれなかった事もあり、彼女は必然的に、他者に……特に、自分より強い男性に、媚びて生きる道しかなかったのだ。
幸か不幸か、アルヴという種族の例に漏れず、彼女は眉目秀麗に生まれついた。
吸精の対価として差し出せるものとして、彼女自身の肉体は、多くの男性にとって十分以上に価値のあるものとして認められるものだったのだ。
……一度、一線を越えてしまえば、好きでもない男の腕に抱かれ、辱められ、一夜を過ごすことなど珍しくなかった。
多くの男にとってもまた、穢れ持ちの女は多少乱暴に扱おうが文句は出ない、便利な相手であった。
生きるために身を売る日々の中で肉体も精神も擦り切れていった彼女は、「男」という性を憎まなくては心を保つことが出来なかった。
そして、或る日、彼女は遂に身ごもったのである。
誰が父親かもわからない、憎らしい「男」の血を引いた、己の子を。
極限に近い生活の中、堕ろすなどという選択が出来ようもない。生まれたのが女の子であったのは、せめてもの救いだった。
フェニーチェと名付けたその娘が持つ、彼女と同じ色の瞳はその心を癒し、彼女と違う色の髪がその心を苛んだ。
そんなフェニーチェを、それでも育てようとしたのは、親としての愛情か、それともとある“野望”を抱いたためか。
あくる日、やっと声を発せるようになったフェニーチェの左胸に〈召異の刺青〉が独りでに浮かび上がり、その娘が舌足らずに「サッチ」と呼ぶ“扉の小魔”が現れたのだ。
そのサッチが、自身の血族の伝説に伝わる“異形の神”の一部であると気づいたヴァレンシアは、大陸を渡り、ディアマインドの一族がかつて支配していたと先祖から伝え聞いていた閉ざされた島、バンケット島へと向かう事を決意する。
全ては、復讐の為。
因習に則り、娘を“異形の神”への花嫁としてあてがい、神の力を得ることで、男を跪かせ、虐げられる側の弱いアルヴから、崇められ敬われる神の使徒へとなり替わるためであった。
しかし、その野望さえも潰え、自暴自棄になった彼女は、ついに禁忌の契約へと手を出し、己の全てを魔神へと捧げ、外道の魔女へと成り果ててしまった。
以上の人生をもって、彼女の名は決定された。
ディアマインドの末裔、教団教祖ヴァレンシア・ディアマインドなぞ過去の幻。
その名を“外道魔女”ヴァレンタイン。毒を持ちながら海にたゆたい波に揺れる事しか出来ぬ、海に浮かぶ泡沫の月である。
……あるいは。彼女にただ一人、愛し愛され、共に歩む伴侶がいたならば。
このようななれ果てに、辿り着くことはなかったであろう。