解説

モーティマー＝スス侯爵令息、アマウリー・モーティマー＝スス卿です。自己顕示欲が強く、野心家で、毒舌家としても知られています。
　また、他人が受ける自身のイメージを高潔で完璧な騎士と認識させたい傾向があり、他者が自分の失敗談に触れることをかなり嫌がります。
　極端な貴族制の信奉者でありながら、後述する信条から、騎士として民を守ることを己の責務としている矛盾した人物でもあります。
　その向上心が幸いしてか、若くしてハーヴェスの旗騎士としての地位に就いています。
　彼に付き従う騎士も多くいるのはその家の栄光のみではなく、彼の信条によるところも多く、それは、「不法者、卑怯者、ハーヴェスの安寧を脅かす者には容赦せず。他には全力で剣を振るうべからず」というものです。
　彼は、犯罪者、イカサマ師など、「卑劣な者」と自らが考える人間には容赦しません。
　しかし、裏を返せば、そのようなことをしない者に対しては、いくら身分が低くても、いくら見下していようとも、練技や、賦術を用いることはありません。
　これは、彼が自らの考えるヒエラルキーの最下層に「卑劣な者」を置き、そのような者を人間扱いしていないという意味でもあります。
　また、こういった彼の特性は、誠実な者がいくら強くても、練技などを使わずとも勝つことができる自分が最も優秀な人間であると誇示するための手段の一つにすぎません。彼自身、そのことに気づいてはいないのですが……。