若い頃にも冒険者を志したことがあったが、最初の冒険で運悪く適正レベル以上の敵と遭遇してしまい、死に掛ける。幸運にも命は取り留めた。しかしこれをきっかけとして彼は冒険者として生きることを諦めることとなる。死ぬことへの恐れはあったが、彼が志を折った一番の原因は、周囲を心配させすぎたことへの罪悪感であった。それ以降、彼は一人の村人として生きる。

彼が冒険者にあこがれるきっかけとなったのは、あるパーティーの武勇を語った一冊の書物だった。現在の彼は、物語よりも専門知識に関する本ばかりを好んで読むが、冒険者を目指そうというきっかけになった一冊は、老成した今でも大事にしまってある。

子が自立し妻にも先立たれた今、彼はもう一度だけ冒険者を志してみようと、ふと思った。これといって大きなきっかけがあったわけではない。あえてその理由を捻り出すのならば、彼を失って悲しむ者の多くが天へと先立ち肩の荷が軽くなったから、だろうか。

彼はある孤児院に出資しており、生前の妻といっしょに子供達とよく遊んでいた。そのため孤児院関係者とも良好な関係を築けている。妻が他界した今、孤児院でのふれあいが彼の憩いの時間であることは間違いないだろう。
自分のお店をもってるが、冒険者になるときに子に譲った。個人的な貯金も、冒険者としての最低限（初期金額）を除き孤児院へ寄与している。
最近は星座関係の本を収集している。