“愛鳥神”オードウ
(第三の剣/大神:ケルディオン大陸某所)聖印と神像
オードウの聖印は鳥の姿であればどのようなものでもよく、神官が最も愛する鳥の姿を表したものを携帯するのが一般的です。
神像は、鳥の頭部を持つ小柄な男性です。神像の周りには、朝昼夕にたっぷりと鳥の餌が撒かれるのがしきたりです。
神格と教義
古代魔法文明時代のケルディオン大陸に、むやみやたらと鳥に魅せられ、その生態の研究に血道を上げた貴族がいました。それがオードウです。
オードウは両親の遺した財産を投げ打ち、冒険者としてケルディオン中を駆けずり回り、鳥類や鳥の特徴を持つ生き物を観察し、生態や骨格、更にはその翼を再現する魔法などに関する、膨大な数の論文や著作を著しました。それらの文献の殆どは二度の文明崩壊によって散逸しましたが、現代でも生物学の理論に彼の名を見ることができます。オードウの興味は一般的な鳥類に飽き足らず、サンダーバードなどの幻獣はもちろんのこと、アードラーやガルーダなどの蛮族に対しても、殆ど公然と憧憬の想いが向けられていたようです。
オードウの探究心は老境に入っても衰えず、最期は強い翼を生成する未完成の秘奥魔法の実験による墜落事故によって死亡。その底なしの好奇心を気に入った奇矯な第三の剣の神により、死後に神の座に引き上げられたようです。
本来、オードウの信仰に教義らしい教義はありません――彼が鳥を愛したことに理由はなく、鳥から何を学んでどうするということも言い残してはいません。愛鳥家としてオードウを敬愛した者が神官となり、鳥を愛し、鳥を守りさえすれば、オードウの神官としては十全です。しかしながら後世の神官たちの中には、「鳥らしい自由さを愛そう」とか、「柔らかい羽毛で人族を守ろう」といったもっともらしい教義を付け足して、公職としての神殿・神官の立場を守ろうとする者も多いようです。
なお、アードラーやガルーダなどの鳥の特徴を持つ蛮族は、オードウとその神官を気味悪がり、危険視しているため、彼らの間にオードウ信仰が広がることはありません。物好きな魔神や幻獣、高位の蛮族が信仰していることは稀にあります。
格言
「鳥は良い。翼、嘴、羽毛、足、蹴爪、瞬膜、とさか、骨格、どれも良い」
「愛する鳥について知見を深め、鳥のように振舞うのは実に楽しいが、鳥から何か学ぶということは特にない」
「ところで、ダウレスやゴルギアス、レギレクスといったトカゲが、神紀文明時代に鳥と近縁だったことを知っているか? そう思うとあのトカゲたちも興味深い動物だと思わないか?」
備考
※このページで書かれている「羽根」とは、「翼」ではなく、正確には“正羽”、英語でいう“feather”を指します。
特殊神聖魔法
- 2
- ≫△【プロテクティブ・フェザー】
- 消費
- MP4
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 鳥と鳥の守護者に羽毛を与え、防護点と水・氷への抵抗力を上昇させる
- 効果
鳥と鳥の守護者に魔法の羽毛を与えます。
この魔法は、身体に翼、羽毛、嘴、鳥足のいずれかを持つキャラクターと、そういったキャラクターに明確に味方しているキャラクターしか対象にできません。対象は防護点+1と、水・氷属性の効果への精神および生命抵抗力判定に+1のボーナス修正を得ます。この魔法は、例外的に2回まで累積します。
- 4
- 【モルテッド・エッジ】
- 消費
- MP4
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
射撃
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 風かつ断空
- 概要
- 羽根を飛ばして必中させる。威力20物理ダメージ。羽根を使用されたキャラクターは確定ダメージ
- 効果
生命エネルギーをまとった羽根を飛ばして対象を切り裂き、「威力20+魔力」点の物理ダメージを与えます。
この魔法で使用する羽根は、「術者自身の身体の羽根」か、「術者と同じ座標にいるキャラクターの身体の羽根」でなければなりません。羽根を使用されたキャラクターは、対象ごとにHPに「2」点の確定ダメージを受けます。羽根を使用されるキャラクターがそれを拒んだ場合、この魔法は一切の効果を発揮しません。
- 7
- ≫△【ウィングド・ピープル】
- 消費
- MP8
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 1時間
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 対象の両腕を翼に変える
- 効果
対象の両腕を、羽根をまとった大きな翼に変えます。
対象は空を飛んで移動できるようになり(移動速度は地上でのそれに準じます)、近接攻撃を行うときの命中力判定、近接攻撃に対して行う回避力判定のすべてに+1のボーナス修正を得ます。この効果は「○飛行」「○飛翔」[剣の加護/風の翼]など、同等の効果とは重複しません。
また、対象はガルーダのウィークリングの種族特徴、[切り裂く風]を得ます。このとき、対象の冒険者レベルや魔物レベルに関わらず、6レベル時相当の種族特徴の強化を得ているものとします。
ただし、対象は手に装備する武器・盾の装備や、「用法:1H、2H」のアイテムの使用ができなくなり、器用度が基準値の手を必要とする行為判定を試みる場合、-4のペナルティ修正を受けます。
- 10
- 【ビカム・ラプター】
- 消費
- MP15
- 対象
- 1体全
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 1日
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 対象に自在に猛禽類の特徴を得る能力を与える
- 効果
対象に、下記のすべての効果を、任意のタイミングで何度でも発揮・解除できる能力を与えます。いくつかの効果だけを発揮させることも可能です。ただし、口のない部位に2の効果を発揮させたり、足のない部位に3を発揮させたりすることはできません。
1: 【ウィングド・ピープル】と同じ効果を得る。この効果は【ウィングド・ピープル】を上書きするが、【ウィングド・ピープルⅡ】には上書きされる。
2: 口が嘴になる。カテゴリ〈格闘〉の〈魔法の嘴〉を装備する。このとき、〈牙〉は使用できなくなる。
3: 足が鳥足になる。カテゴリ〈格闘〉の〈魔法の鳥爪〉を装備する。これは〈キック〉を強化する武器として扱う。名称 用法 必筋 命中 威力 C値 追加D 備考 〈魔法の嘴〉 1H# 0 ― 20 10 ― 〈魔法の鳥爪〉 1H# 0 +1 20 11 ―
- 13
- ≫△【ウィングド・ピープルⅡ】
- 消費
- MP12
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 1時間
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 対象の背中に翼を生やす。両腕は自由に使用可能
- 効果
ほとんどの効果は【ウィングド・ピープル】に準じますが、両腕ではなく背中に翼が生えるためにデメリットなく両腕を使用可能な点と、[切り裂く風]が11レベル時相当の種族特徴の強化を得ているものとする点が異なります。